リスクという仮想通貨が一気に注目を集めています。
注目を集めたからにはそれなりの理由があるはずです。それを探りました。
はじめに
仮想通貨には1000以上もの種類があると言われていますが、日本でも取り扱いが開始しているアルトコインの一つで、リスク(Lisk)という仮想通貨があります。
2017年8月には、200円台から急伸して一時800円を超えたことで、一気に注目を集めました。
リスクとは一体どのような仕組みであり、どのような特徴を持っている仮想通貨なのかを詳しく知らずに、値動きだけで注目している人も多いのではないでしょうか。
投資の世界はまさに「智は力なり」ですから、本稿によって、リスクの仕組みと特徴をしっかり掴んでおきましょう。
リスク(Lisk)とは?
リスクの特徴を簡単にいうならば、スマートコントラクトを目的としていること、他の仮想通貨よりも高い安全性を持っており、マイクロソフトなどの一流企業からも出資を受けているということでしょう。
この辺の情報は、比較的よく知られている情報です。
しかし、なぜ安全性が高いのか、なぜマイクロソフトのような世界的大企業から出資を受けているのか、そこまで理解している人はそれほど多くないと思います。
リスクとは、2016年5月ごろから取引を開始した仮想通貨であり、新しい仮想通貨であるといってよいでしょう。
目的は「スマートコントラクト」にあります。
スマートコントラクトとは、直訳すると「賢明な契約」のことであり、取引条件と契約内容を同時にブロックチェーンに記録することによって、契約を利便性の高いスマートなものにできるシステムのことを言います。
従来では、あらゆる契約を締結するにあたっては、必ず人間を介して行われたものです。
しかし、スマートコントラクトによって、人を介することなく取引を行うことが可能というわけです。
しかも、取引や契約の内容はブロックチェーンに保存されるため、改ざんや消去が不可能になり、セキュリティ性も高まります。
リスクだけではなく、イーサリアムもスマートコントラクトを目的としたプラットフォームです。
シェアで言えば、現段階ではイーサリアムの方がかなり大きいのですが、いずれはリスクのシェアが拡大してくるという予測もあります。
その理由は、リスクはサイドチェーンを用いることによって、イーサリアム以上に安全性が高くなっているからです。
イーサリアムとの違い!サイドチェーンとは?
では、サイドチェーンとは何なのでしょうか。
サイドチェーンとは、メインのブロックチェーンとは別に作成された、独立したサブのブロックチェーンのことです。
サイドチェーンは、「DApps(ディーアップス)」という分散型アプリケーションに作成します。
分散型アプリケーションとは、1つ以上のローカルクライアントが、ネットワークで接続された複数のサーバと通信できるアプリケーションのことです。
これによって、メインのブロックチェーンに記録をすべて書き込んでいくのではなく、それぞれの分散型アプリケーションごとにサイドチェーンを作成して、記録を書き込んでいくのです。
このように、サイドチェーンに書き込んでいくことによって、メインのブロックチェーンだけに書き込むのと比べて、処理能力が大幅に向上するわけです。
また、リスクのプラットフォームの開発言語にはJavascriptが利用されており、これは多くのプログラマーになじみのある共通言語です。
そのため、多数の開発者が参加することができ、プログラムに問題が起きた時にも迅速な対応が期待されます。
これによって、安全性がさらに高まるというわけです。
マイニングではなくフォージング
ビットコインをはじめとした多くの仮想通貨では、情報を承認してブロックに記録し、チェーンに繋いでいく「マイニング」を行います。
リスクでは、この承認作業に「DPoS」というアルゴリズムを利用しています。
マイニングでは、マイナーたちが承認作業を競い、最初に承認したマイナーに報酬が与えられます。
しかしDPoSでは、DAppsの開発者が取引の承認者を選んで承認作業に当らせるという仕組みです。
マイニングでは、複雑な演算を行って承認作業の速さを競うことから、承認作業には10分ほどかかります。
しかしリスクでは、指名された承認者だけが承認作業を行なうため、競争のための複雑な演算を行なう必要がなく、承認が10秒程度で済みます。
これによって、非常にスムーズな取引が可能となっています。
ボラティリティが激しいことから短期投資向き!
リスクの時価総額は、2017年8月に急騰しました。
それ以前は、200円前後で推移していたのですが、一気に4倍に高騰したのです。
しかし、リスクの値動きには注意が必要です。
かなり騰落率が高く、誕生間もない2016年4月には1日で222円から743円に急騰、その後数日で100円を割り、5月後半には再び400円を超え、それも数日で50円を割るまでに下落しました。
その後、長きにわたる10円台での横ばいを経て、2017年4月から徐々に上昇の兆しを見せ、6月には再び400円を突破、しかしその後再び下落して7月は160~230円くらいのレンジで推移し、8月には一気に800円を超えました。
そして現在(2017年9月6日)、1LSK=688円となっています。
時価総額は約770億円です。
このように、まさに仮想通貨らしい騰落を見せており、名前のとおりリスクの高い仮想通貨の一つです。
ボラティリティが激しいことからも短期売買に向いているといえるでしょう。
とはいえ、マイクロソフトをはじめとした大企業から出資を受けていることからも、注目度は高く、長期的な視点からみても、今後上昇していく可能性は大いにあります。
スマートコントラクトだけではなく、サイドチェーンという特徴も備えているため、安全性と取引速度にも強みがあり、イーサリアムを超えていく可能性も一部では示唆されています。
成長力は確実にあるため、分散投資の対象としてみても良いかもしれません。
リスクを買うならコインチェック
現在、リスクを取り扱っている国内の仮想通貨取引所は、coincheck以外にはありません。
したがって、リスクに投資したいと考えるならば、coincheckに口座を開設する必要があります。
coincheckへの口座開設方法は、以下で詳しく解説しています。
[surfing_other_article id=794]
まとめ
これからは、スマートコントラクトがもっと取り入れられる時代になってくるはずです。
スマートコントラクトの普及開発において、イーサリアムやリスクが担う役割は非常に大きいといえます。
将来性もありますから、投資してみるのも良いと思います。
しかし、本稿でも解説した通り、リスクはこれまでにも非常にはげしい騰落を見せていますから、高値でつかんでしまったときには大きな損失を被る可能性があります。
投資の際は、過去の推移を参考にして慎重に判断しましょう。