アルトコインの一つとして、モネロという名前を聞いたことがある人もいると思います。
今回はモネロの仕組みや特徴などを紹介します。
はじめに
モネロは、日本国内ではまだそれほどメジャーな仮想通貨ではありませんが、海外では非常に高い匿名性を持っている仮想通貨として有名です。
仮想通貨全体の時価総額ランキングでも10位以内に食い込んでいることからも、人気ぶりが分かると思います。
では、モネロの仕組みや特徴とは、どのようなものなのでしょうか。
本稿では、モネロの仕組みと特徴、将来性などについて解説していきます。
モネロ(Monero)とは?
モネロの発行開始は2014年です。
ビットコインの発行開始が2009年であることから考えれば遅いようですが、仮想通貨全体では、古い部類に入ります。
モネロの基本的な情報を挙げるならば、通貨単位は「XMR」、発行上限は1840万枚となっており、仮想通貨の中では発行上限が低く設定されているコインといってよいでしょう(ビットコインの発行上限は2100万枚)。
モネロの特徴は、独自のプロトコル(Crypto Note)を用いることによって、他の仮想通貨よりも匿名性が高くなっていることです。
この特徴から注目を浴び、時価総額から見てもかなり人気の仮想通貨となりました。
では、Crypto Noteとは何なのでしょうか。
Crypto Noteとは、Crypto Nightというアルゴリズムを用いることによって、送金時に匿名性を高めるプロトコルのことです。
もともと、リング署名という技術があったのですが、モネロはそれを独自に改良して「ワンタイムリング署名」と言うシステムを開発し、匿名性を高めることに成功しました。
ちなみに、「リング署名」とは何なのかと言うと、あるグループに所属している複数人をまとめて署名させ、そうすることで署名した個々人の特定を困難にする技術のことです。
署名した個人を特定できないことから、匿名性が高く、個人情報保護などにも役立つ技術です。
リング署名は、複数のグループに参加して署名することもできるため、これによってさらに特定が困難になっています。
モネロが開発した「ワンタイムリング署名」は、このリング署名に送金用のワンタイムアドレスを用いたものです。
モネロのアドレスには、送信用と閲覧用の2つの秘密鍵がありますが、このアドレスはマスターキーとしても機能しています。
送金の際には、マスターキーがランダムにワンタイムアドレスを生成し、アドレス宛に仮想通貨を送ります。
送金用の秘密鍵は「ワンタイムキー」と呼ばれる通り、一度使うと再び使うことができないものです。
送金の度に全く異なるワンタイムキーが発行されるため、送金元の追跡が不可能となっているわけです。
リング署名自体、匿名性を高めるために役立つ技術なのですが、それにワンタイムアドレスを用いることによってさらに匿名性は高まります。
この匿名性の高さは、他の仮想通貨には見られない特徴です。
以上のように、モネロは匿名性が高く、セキュリティが非常に強固になっています。
専門家の見解によればセキュリティが強いモネロをハッキングするためには、ビットコインをハッキングするときと比較して、ハッキングのための費用が1000倍もかかるそうです。
このことからも、モネロのセキュリティの強さを知ることができるでしょう。
モネロのマイニングの実態
仮想通貨において、ブロックチェーンを維持していくためにはマイニングが必要ですが、モネロのマイニングは他の仮想通貨のマイニングと比較して、簡単だと言われています。
これは、単にマイニングにあたる人口が少ないことと、モネロの取引量が少ないからです。
ビットコインのマイニングは非常に難しく、マイニングを専門とするいくつかの会社がほぼ牛耳っている状況なのですが、モネロのマイニングではそのようなことがありません。
したがって、モネロのマイニングを行なう際には、ビットコインのように膨大な電力を消費する、超高性能コンピューターは不要です。
家庭用のコンピューターでも、それなりに処理速度が早ければ、マイニングは可能だと言われています。
マイニングを始めて行なう人にとっても、気軽に行える仮想通貨と言えるでしょう。
ただし、モネロは発行上限の86%の発行を2018年には完了する見込みとされています。
あと1年もすれば、ほとんどはマイニングされつくしてしまうということです。
したがって、今からマイニングに参加しても、時すでに遅し・・・という可能性もあります。
モネロの過去推移から学べ、投資妙味は?
モネロへの投資はどうなのでしょうか。
投資というものは、先が予測できるようでできないものです。
ここでの予測もあまり意味はないのかもしれませんが、2017年9月6日現在、モネロを買うことは高値掴みになる可能性があります。
モネロは、2016年7月までは200円以下で横ばい状態でした。
8月末から徐々に上昇していき、2017年3月から再び上昇率が高まって2000円以上で推移した後、5月には5000円を超えました。
その後、5000円付近で乱高下を繰り返していましたが、8月に一気に5000円台から1万5000円へと跳ね上がりました。
そして現在、12000~13000円程度を推移しています。
200円以下のタイミングで買っていたならば、実に70~80倍くらいの上昇になっているわけです。
2016年から上昇を始めたきっかけとしては、AlphaBayというマーケットと連携を始めたからであるとされています。
AlphaBayでは、イーサリアムやジーキャッシュとも連携していますが、いずれの仮想通貨でも、連携と同時に暴騰するという特徴があります。
8月の暴騰の理由は、韓国の大手仮想通貨取引所である、Bithumbでモネロの取り扱いが決まったからです。
この他、北朝鮮情勢が緊迫していることから、安全資産として、仮想通貨に資産が流れたという背景もあると思います。
モネロは、発行上限が少なく、間もなく上限の86%に達することから、価格が動きやすいといえます。
匿名性に特化した仮想通貨として注目度が高く、モネロへの投資自体は悪い選択ではないのですが、暴落へのリスクに備え、複数の仮想通貨に分散投資したほうが賢明です。
現在、国内の仮想通貨取引所で、モネロを取り扱っているのはcoincheckだけです。
しかし、モネロの人気を考えると、今後、取り扱いを始める取引所は増えてくるだろうと思います。
まとめ
本稿で書いた通り、モネロは匿名性が高く、セキュリティが非常に強い仮想通貨です。
日本ではまだそれほどメジャーとは言えませんが、世界的に見て注目度は高く、それは時価総額ベスト10位以内からも読み取れます。
ただし、乱高下しやすい仮想通貨であるだけに、投資には慎重になる必要があります。
今後も、モネロの動向には注目していきたいと思います。