将来的にリップルがビットコインに影響されなくなる理由

リップル(XRP)

現在の仮想通貨市場は、BTC建てでアルトコインを購入するという仕組みが主流であるが故に、ビットコインの価格変動の影響を大きく受けやすい構造になっています。

しかし、各々のアルトコインは、必ずしもビットコインと同様の性質ではなく、むしろ違う性質をもった仮想通貨も多いため、ビットコイン相場に影響されるのは異常な状態ともいえるでしょう。

先日、リップル社のGarlinghouse氏がこの点について指摘し、将来的にリップルはビットコインに影響されなくなると発言しました。

本稿では、その理由について解説していきます。

仮想通貨市場の異常性

現在の仮想通貨市場では、ほとんどの仮想通貨が連動して動くようになっています。

特に、時価総額第1位のビットコインの価格に影響を受ける傾向が強く、これはビットコインが最も古く、時価総額が最大の仮想通貨であるからです。

しかし、このような状況はハッキリ言って異常です。

仮想通貨の中には、ビットコインと異なる仕組みや目的をもっているものも多く、BTC建てでアルトコインを購入するという仕組みを除けば、本来は連動する理由はありません。

株式投資でも、各上場企業がそれぞれ異なる事業を行なっており、基本的にはその事業に関連する材料で価格が変動していきます。

時価総額第1位のトヨタ自動車の株価が下がったらほぼ全銘柄が銘柄軒並み下がる、あるいはトヨタ自動車の株価が上がったらほぼ全銘柄が軒並み上がる、といった状況にはなりません。

全企業に影響を与えるような、例えばリーマンショックやギリシャショックといった材料があれば全銘柄が大きく下落するということはあっても、1社の値動きが市場全体に影響を与えることはありません。

市場というものは、これが普通なのであって、いくらビットコインが最も古く、価値を認められ、時価総額が大きいからと言って、ビットコインに市場全体が影響を受けるのは異常です。

まだまだ仮想通貨市場は黎明期であり、異常な値動きをしていますが、ビットコインの価格に影響を受けすぎるというのも、異常性の一つだと言えるでしょう。

 

基軸通貨であるビットコインに連動するのは当たり前?

もちろん異常ではあるものの、ビットコインとアルトコインの連動性が完全に非合理的であるとも言い切れません。

これは、ビットコインが基軸通貨としての役割を未だに果たしているからです。

海外取引所では基本的に、アルトコインがビットコイン建てで取引されています。

アルトコインを購入するためには、一旦法定通貨をビットコインに交換し、その上でアルトコインを購入しなければならないわけです。

このため、何らかのアルトコインに好材料が出た時、そのアルトコインを購入するために、ビットコインの需要も一時的に伸びるという現象が起きます。

これが、ビットコインとアルトコインの値動きが連動している一つの理由です。

また、仮想通貨全体に関する材料、例えば政府の規制などが発表された際には、全仮想通貨が軒並み上昇あるいは下落します。

この場合、ビットコインに連動しているというよりも、全銘柄が一斉に動いていると言った方が良いでしょう。

 

 

リップルCEO断言、リップルとビットコインの相関性はなくなる!

とはいえ、やはり一つの銘柄に全銘柄が影響を受けすぎる状況は異常です。

このことに関して、リップルCEOのGarlinghouse氏は、CNBCの取材に対して、以下のように語っています。

 

リップルとビットコインの関係には、現在、強い相関性があります。

しかし、それぞれ独立した技術です。

各通貨の違いが価格に反映され、理に適った市場になる日は、そう遠くないでしょう。

 

また、Garlinghouse氏は、現在ある仮想通貨の99%は10年後には淘汰されていると話しています。

各通貨の違いが価格に反映されるということは、各通貨の特性や有用性などが価格に反映されるということであり、その結果多くの仮想通貨が淘汰されていき、将来的には本当に有益な仮想通貨だけが残っていく、という予想なのでしょう。

リップルとビットコインに相関性がなくなるとする予想には、以下のような根拠があります。

 

 

独自の仕組みを持つ仮想通貨は強い

Garlinghouse氏は、リップルとビットコインは全く異なる性質を持っていると語ります。

例えば、ビットコインは完全に非中央集権での管理を目指しているのに対し、リップルは非中央集権ではありません。

また、ビットコインの実用化はなかなか進んでいかないのに対し、リップルは金融市場での実用化を目指しており、そのために世界中の金融機関と結びついているなど、実用化へ向けての動きも活発です。

このように、ビットコインとリップルは全く異なる性質を持っています。

将来的に、両者の違いがきちんと認識されるようになれば、価格の相関性は小さくなっていくでしょう。

このことから、リップルだけではなく、イーサリアムを筆頭とする、独自の仕組みを持つ他の仮想通貨についても、将来的にはビットコインの影響は受けにくくなっていくと思われます。

 

ビットコインの基軸通貨時代に終止符

現在、リップルを取引する際にビットコインを介することが多いのですが、徐々にリップル基軸での取引が増えてきています。

実際、インドの大手取引所であるKoinexでは、現在リップルを基軸とした取引ペアが提供されています。

今後、リップルを基軸とした取引が広がっていけば、ビットコインを介した取引の必要がなくなり、ビットコインの変動に影響を受けにくくなるでしょう。

 

 

まとめ

リップルに限らず、他の仮想通貨でも、独自の仕組みや目的をもっている仮想通貨は多いものです。

それらの仮想通貨の特異性や有用性が認められれば、ビットコインとの相関性は小さくなっていくと思います。

現在は、ビットコインの価格変動につられて、何の悪材料もない仮想通貨が下落することも多く、投資環境はあまり良くないと言えます。

ビットコインとアルトコインの相関性がなくなり、本来の投資環境に至る未来を望んでいます。

 

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