取引量で世界第6位の規模を誇る、韓国の大手仮想通貨取引所Bithumbにおいて、ハッキング被害があったことが報じられました。
被害総額は3000万ドル(約33億円)にのぼり、Bithumbはこれを全て補償するとしています。
本稿では、Bithumbの被害の状況と、被害から考える資産管理について解説していきます。
Bithumbでハッキング被害
今年に入ってから、仮想通貨取引所へのハッキング被害が相次いでいます。
1月にはcoincheckへのハッキングが起こり、不名誉な事態によって日本での仮想通貨の知名度が一気に高まりました。
その後、3月にはBinanceでハッキング被害が起こっていますし、6月10日には韓国のCionrailでもハッキングが行われ、44億円の仮想通貨が流出しています。
それから間もない本日6月20日、世界的に有名な仮想通貨取引所であるBithumbの公式ツイッターにおいて、ハッキング被害に遭ったことが発表されました。
公式ツイッターには、以下のように書かれています。
『すべての入送金サービスを停止します』
約3000万ドル相当の仮想通貨が盗まれたことが確認されました。
盗まれた仮想通貨はBithumbが補償します。
現在、全ての資産はコールドウォレットに移されています。
Bithumbは、世界の仮想通貨取引所の中でも最大手の一つと言ってよい取引所です。
取引量では世界第6位の規模を誇っています。
Bithumbに上場されたアルトコインの価格が急騰することからも、日本でもたびたび話題になっていますが、そのような大手取引所がハッキング被害に遭ったことから大きな話題となっています。
仮想通貨市場への影響
今年に入ってから、ハッキングによって数十億円規模、数百億円といった規模での被害を出す取引所が後を絶たないことは、仮想通貨市場の成長にマイナスの影響を与えるものと思います。
仮想通貨取引所のセキュリティが甘いだけで、仮想通貨自体、あるいはブロックチェーン自体に問題があるわけではないのですが、よく理解していない人から見てみれば、仮想通貨そのものが危険で、信用ならないものだと思いかねないからです。
世界最大級の仮想通貨取引所さえ、ハッキングに遭ってしまう状況は、個人投資家にとっても無視できないものでしょう。
今回はBithumbが全額をカバーするとしていますが、カバーされたからいいというものでもありません。
今回のハッキング事件を受け、ライトコイン創業者のチャーリー・リー氏は以下のように語っています。
(仮想通貨取引をする際には)取引する通貨だけを取引所に預け、取引が終わったらすぐに下ろすべきです。
仮想通貨取引所に預けっぱなしにしていると、ハッキング被害によって失われるリスクがあります。
したがって個人投資家は、取引しない通貨はコールドウォレットに移し、安全な環境で管理していくべきだと言えるでしょう。
まとめ
取引所の規模にかかわらずハッキング被害を受けています。
もはや、どのような取引所でも安心できないと言ってよいでしょう。
仮想通貨投資を行なっている人は、取引所のセキュリティを過信することなく、コールドウォレットへ通貨を移動させることが重要です。
もっとも、取引所のセキュリティが信用できない状況が、異常であることは疑いがありません。
今後、各取引所のセキュリティが向上し、ハッキング被害がなくなっていくことを期待します。