ビットコイン決済とクレジットカード決済を徹底比較

ビットコイン(BTC)

ビットコインで支払いができる店が増えてきました。

しかし、クレジットカードでの支払いと混同されている方も多いかと思います。

本稿では、ビットコイン決済とクレジットカード決済を徹底して比較したいと思います。

はじめに

ビットコインなどの仮想通貨は、画期的な技術やアイデアが用いられており、従来の支払い手段とは一線を画します。

当然ですが、元々存在する支払い手段と似ている部分もあります。

例えば、手元に現金がなくても支払えるということは、ビットコインもクレジットカードも同じでしょう。

しかし、クレジットカード社会と言われるアメリカでも、クレジットカードを差し置いてビットコインの利用が広がっています。

 

これは、クレジットカードとビットコインに大きな違いがあり、その違いにメリットを見出している人がいる証拠です。

では、ビットコインとクレジットカードの違いとは何なのでしょうか。

この点にスポットを当てて確認してみたいと思います。

クレジット(信用)と通貨であるビットコインの根本的な違い

クレジットカードとビットコインの最大の違いは何かというと、クレジットカードは結局のところ借金をしているのに対し、ビットコインは決して借金ではないということです。

日本ではJCB、海外ではVISAやマスターカードといったクレジットカードが有名ですが、そのクレジットカードを使って支払ったということは、一時的に皆さんの代わりにクレジットカード会社が立て替えてくれたということであり、当然ながら代金分の借金をしたことになるのです。

そもそも、クレジットカードの「クレジット」とは、「信用」という意味です。

クレジットカード会社は、クレジットカードを作る際に皆さんの就労状況や信用情報を審査し、「きちんと返済が可能」と判断した場合にクレジットカードを発行し、代金を立て替えてくれるのです。

クレジットカードに上限額があるのも、「この額までなら信用できる」ということの現れです。

カードのグレードや支払い能力などに応じて上限を設け、その範囲内ならば立て替えてもらえる、つまり借金できるわけです。

一方、ビットコインはといえば、支払いはビットコインと言う通貨で行うわけですから、自分の財布からお店のレジに現金が移動するのと同じように、自分のウォレットからお店のウォレットにビットコインを移動させることによって決済を行います。

決して、誰かに立て替えてもらって、一時的に借金をするということではありません。

もちろん、信用を担保にして支払いをするものでもありませんから、ウォレットの残高以上の支払いをすることはできません。

財布の中に1万円しか入っていないのに、1万5000円の支払いはできないのと同じ理屈です。

クレジットカードに似たものとして、デビットカードがあります。

ビットコインはクレジットカードとは明らかに異なるものですが、デビットカードには似ているといえます。

デビットカードは、予め銀行の口座にお金を入れて置き、デビットカードで支払う度に口座から代金分が引き落とされるものであり、デビットカードの発行会社に代金を立て替えてもらうわけではないからです。

ビットコインの理解のためには、デビットカードの仕組みをイメージするとわかりやすいかもしれません。

ビットコイン決済導入でコスト削減

また、支払いをクレジットカードで受けるか、ビットコインで受けるかによって、お店側にも手数料の面で大きな差が生じます。

お店で買い物をして、クレジットカードで支払う場合には、レジの端末でクレジットカードを読み取り、取引記録をクレジットカード会社に送ります。

そうすることによって、クレジットカード会社が代金を立て替えて、後日、一括や2回払い、リボ払いなどの様々な形で、皆さんからお金を回収していきます。

この時、クレジットカード会社は、利用者が支払う利子によって収入を得るだけではなく、クレジットカード払いを受け付けている加盟店からも手数料を受け取っています。

この手数料は業種によって異なり、支払額の2~10%程度です。

つまり、クレジットカード会社は利用者からも、加盟店からも二重にお金を得ているわけです。

ただし、利用者は通常一括払いでのクレジットカード利用であれば、利子が生じることはありません。

レストランで1万円の食事をしたとき、それをクレジットカードで支払うと、お店は500円くらいの手数料をクレジットカード会社に支払うことになります。

例えば、50坪くらいの中規模レストランがあって、年商が5000万円だったとします。

そのすべてがクレジットカード払いというわけではありませんが、都市部のちょっと高級なレストランなんかになると、クレジットカード払いの割合は60%くらいになります。

仮に、このお店が年商5000万円の50%に当たる2500万円をクレジットカード払いで支払いを受けている場合、クレジットカード会社への手数料が5%であったとするならば、クレジットカード会社への手数料だけで年間125万円もの経費がかかることになります。

このように、クレジットカード会社への手数料は、決して軽いものではありません。

ならば、ビットコイン払いにした場合はどうなるでしょうか。

ビットコインならば、端末はお店が設置したiPadなどがあれば、お客さんはビットコインで支払うことができます。

決済代行会社を挟む場合には手数料が1%くらいかかります。

これをクレジットカード決済と比較してみましょう。

上記と同様の例で考えるならば、クレジットカード会社への手数料は125万円であるのに対し、ビットコイン決済の代行会社への手数料は25万円で済みます。

かなりの経費削減効果があるといってよいでしょう。

決済のために必要となるのはiPadなどのタブレットとWi-Fiがあれば、簡単に導入することができます。

もちろん、ビットコイン管理のためには、パソコンも導入する必要があるでしょう。

これが、ECサイトなどであれば、ビットコインアドレスのQRコードを貼るだけで決済ができますから、導入コストも、利用料もゼロで、決済手数料の1%だけで利用可能です。

もちろん、ビットコインの普及はまだまだこれからですから、すぐさま決済手段をクレジットカードからビットコインに移行するということはできないでしょう。

しかしながら、導入コストや利用料はゼロなのですから、とりあえずビットコイン決済を始めてみて、利用してくれるお客さんには利用してもらい、ビットコインを持っていない人にはクレジットカード決済を利用してもらうという形でも、それなりのコスト削減効果は得られます。

また、早期に導入しておけば、「あのお店はビットコインが使える」という認識がお客さんの間で生まれて、ビットコインを使う人を新規のお客さんとして獲得できる可能性もあります。

様々な店舗において、とりあえずビットコイン決済を導入することは、百利あって一害なしなのです。

ペイパルやアップルペイも結局はクレジット(信用)が源泉

クレジットカード決済のためには、導入コストや手数料の高さから、お店にとってはあまり好ましいものではありません。

とはいえ、クレジットカード決済を導入すれば、手元にお金がない人もクレジットカードによって食事をしてくれるわけですから、デメリットばかりではありません。

また、クレジットカード決済の種類も色々と新しいものが誕生しています。

特にアメリカでは人気の端末ですが、スクエアという端末があり、これはスマホやタブレットのイヤホンジャックにカードリーダーを差し込むことで、クレジットカード決済ができるというものです。

導入のためには、カードリーダーの価格が4980円で、初期コストは安く済みます。

手数料にしても、日本国内では一律3.25%となっていますから、従来のクレジットカード決済に比べるとコストは安く、それだけに導入が進んでいるのです。

しかし、皆さんにはもうお判りでしょう。

クレジットカード決済が工夫して作り出した新しい決済端末でも、ビットコインの導入コストと利用料には到底かなわないのです。

これは、スクエアが新しい端末といっても、結局のところはクレジットカード決済にすぎないからです。

スクエアが独自の通貨で決済しているわけではありませんから、いくらか安くなったとはいえ、手数料はまだまだ高いのです。

このほか、ペイパルやアップルペイ、アンドロイドペイなど、様々な新しい形の電子マネーがありますが、これらは世界中で利用可能な決済サービスであり、非常に便利なものです。

しかし、結局のところ、これらの電子マネーも支払いの源泉はクレジット(信用)であり、通貨そのものであるビットコインとは大きな違いがあります。

ビットコインのセキュリティは強固で安心

このほか、セキュリティ面でも大きな違いがあります。

例えば、クレジットカードではスキミングなどといって、クレジットカード情報を何らかの方法で抜き取られてしまい、不正利用されるという被害が後を絶ちません。

特にインターネットにおいて、知名度が高く安心して利用できるお店を除いては、クレジットカードでの決済は好ましくないとされるのも、セキュリティ上の問題があるからです。

これに対し、ビットコインではセキュリティ面で非常に強みがあります。

そもそも、クレジットカード情報のような個人情報が存在しないのです。

もちろん、ウォレットIDや秘密鍵の情報など、自分でしっかり管理すべき情報はありますが、ビットコインで支払いや送金をする場合には、ビットコインアドレスを指定して送金するだけです。

クレジットカード決済のように、クレジットカード情報をさらしたうえで支払う必要が皆無なのです。

また、電子署名という暗号で守られていることから、送金中のビットコインが誰かに奪われてしまうという危険性もありません。

まとめ

以上のことから、クレジットカードとビットコインには様々な違いがあり、そもそも両者は全く異なるものだということがわかって頂けたと思います。

そして、これらの違いから分かる通り、ビットコインはクレジットカードよりもはるかに優れているものなのです。

このように優れたものですから、今後ますますビットコインは広く普及していき、クレジットカードに取って代わる時代が来るかもしれません。

 

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