XRP導入、タイのサイアム商業銀行、送金サポートも開始

リップル(XRP)

数ある仮想通貨の中でも、とりわけ実用化の動きが著しいXRP。

これまでにも、実用化に関して様々に報じられてきましたが、6月に入ってからもその勢いは衰えません。

本稿では、タイのサイアム商業銀行のXRP導入に関する発言、xRapidを介した送金サポートの開始など、ここ数日で報じられたXRP関連のニュースをまとめていきたいと思います。

サイアム商業銀行がXRP導入を示唆

最近の報道の中でも特に注目されているのが、タイ最大級の金融機関であるサイアム商業銀行が、XRPを利用したシステムの導入を示唆していることです。

サイアム商業銀行と言えば、リップル社が主催しているカンファレンス・SWELLでもXRPの活用に積極的な姿勢を見せおり、昨年9月にはリップル社のマルチホップ機能の利用も発表するなど、以前からリップル社との関係が深い銀行です。

先月にも、XRPを活用したシステムの導入を示唆していたものの、それが近いうちに実現するという感じはなく、水面下で動いているのではないかと噂される程度のものでした。

しかし6月6日、サイアム商業銀行の公式ツイッターでは、

 

XRP system will be announced soon.(XRPシステムは、もうすぐ発表されるでしょう)

 

とツイートされており、XRPの活用がまもなく始まるといった雰囲気を帯びています。

以前、リップル社のマルチホップ機能が導入された際には、XRP価格が上昇しました。

このことからも、サイアム商業銀行のXRP導入に向けた動きは、XRP価格に影響を与えるものであり、もしXRPを活用したシステムがいよいよ導入されるとなれば、XRP価格に大きな影響が出る可能性があります。

特に、これを皮切りに、金融機関がXRPやリップル社の技術を積極的に導入していくきっかけになるとも考えられますから、その意味でもサイアム商業銀行の動きには注目が必要となるでしょう。

 

 

SendFriendでxRapidを活用

また、リップル社の送金ソリューションであるxRapidを活用した送金プラットフォーム・SendFriendが、今月下旬にローンチされることが発表されました。

これも6月6日、SendFriendの公式ツイッターで発表されています。

SendFriendは、フィリピンへの送金をサポートするプラットフォームです。

従来の予定では、2018年末から2019年初め頃にサービスを開始する予定だったのですが、予定が延期された状態でした。

それが、今月下旬に開始と発表されたことで、これもXRPの需要拡大に大きな影響を与えそうです。

SendFriendは、アメリカで働くフィリピン人の出稼ぎ労働者の、本国への送金をサポートするものです。

サービスはニュージャージー州で開始され、いずれアメリカ全土へと拡大していく予定です。

SendFriendでは、XRPを利用してxRapidによって送金することで、従来の送金手段よりも送金手数料が65%安くなり、また着金までに3~5日かかっていたものが数秒で着金するようになります。

 

 

XRPの需要は拡大するか?

SendFriendのサービスは、XRPが具体的に利用される好例となるでしょうし、需要拡大にもつながると思います。

しかし、短期的に見れば、それほど大きな影響はないかもしれません。

というのも、アメリカではフィリピン人の出稼ぎ労働者が、それほど多くないからです。

出稼ぎ労働者による海外から本国への送金額が多い国の筆頭は、インド、中国、メキシコ、そしてフィリピンと言われています。

フィリピン人の出稼ぎ労働者が出稼ぎ先に選んでいる地域の中でも、最も多いのが中東です。

2015年のPOEA統計資料における、フィリピン人出稼ぎ労働者の出国先データを見てみると、中東が63.6%、アジアが27.8%となっており、約9割が中東・アジアで働いていることが分かります。

欧米では、ヨーロッパが2.0%、アメリカ大陸が1.2%となっており、2015年にアメリカへ渡った出稼ぎ労働者は17234人にすぎません。

このため、アメリカでフィリピン人の出稼ぎ労働者向けにサービスを展開したからといって、短期間でXRPの需要に顕著な変化が出るとは考えにくいです。

もちろん、SendFriendのようなサービスを、世界中の出稼ぎ労働者が利用できるようになれば、XRPの需要は爆発的に伸びていくでしょう。

また、このような送金サポートは出稼ぎ労働者だけではなく、一般的な海外送金にも手軽に使えるでしょうし、金融網が発達していない途上国でも役立つはずです。

したがって、SendFriendのサービスは、単にフィリピン人の出稼ぎ労働者向けのサービスが開始されたというよりも、将来的に大変な可能性を秘めた送金サービスの実用化の一例と考えるべきでしょう。

 

 

まとめ

これまでの報道でも、XRPが実用化へ向けて堅調な動きを続けていることは明らかでしたが、この動きはますます具体性を増してきているように思います。

金融機関でXRPの活用が進んだり、出稼ぎ労働者の送金で活用されたりすることによって、様々な階層でXRPの活用が進み、需要は拡大していくことでしょう。

これは、XRP価格の上昇要因にもなるため、今後もXRPの実用化には注目しておく必要がありそうです。

 

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