8月9日、大手仮想通貨取引所のBittrexにおいて、XRPのUSDペアでの取り扱い予定が発表されました。
最近のXRPは下落が続いており、年初来最安値を更新しています。
さらに、訴訟問題などによっても不安定な状況に置かれています。
本稿では、ポジティブな要素とネガティブな要素の両面から、XRPを取り巻く環境をお伝えしていきます。
XRPがBittrexでUSDペア追加へ
アメリカの仮想通貨取引所であるBittrexは、世界最大級の仮想通貨取引所の一つとして知られており、非常に多くの顧客を抱えています。
それだけに、Bittrexの動向が仮想通貨の価格に影響を与えることもしばしばです。
そのBittrexの公式ブログにおいて、8月9日、XRP(リップル)とETC(イーサリアム・クラシック)を、USDペアでの取り扱いを予定としていることが発表されました。
発表によると、8月20日に開始予定とのことです。
これにより、Bittrexでは、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、USDT(テザー)、TUSD(トゥルーUSD)、XRP(リップル)とETC(イーサリアム・クラシック)の計6種類がUSD建てに対応したこととなります。
このほかのポジティブな要素
ついでに述べておくと、iPhoneアプリとして利用可能な仮想通貨ウォレットであるGincoも、8月6日、XRPに対応することとなりました。
Gincoは日本発の仮想通貨ウォレットであり、仮想通貨投資家からの人気も高いため、これもポジティブな要素と捉えることができるでしょう。
XRPの最近の価格動向
2017年から2018年にかけての年末年始の期間、仮想通貨は軒並み大幅な上昇を見せ、XRPも一時400円を超える大暴騰となりました。
しかし、その後は長期の下降トレンドを形成しており、反転の兆しがなかなか見えません。
そんな中、8月8日、ついにXRPは年初来最安値を更新し、8月9日17時現在では約37円となっています。
同時期に、XRPと並んで主要アルトコインとされるLTC(ライトコイン)も、年初来最安値を更新しています。
ビットコインは、しばしば反転の兆しを見せていますが、アルトコインは総じて弱気な値動きとなっています。
アルトコインの下落に引っ張られる形で、仮想通貨市場の時価総額全体でも、年初来最安値を更新しています。
年初来最安値を更新したXRPやLTCに対し、底値買いを狙った買いが入ることで、反転する可能性があるとも言われています。
しかし、市場全体が下落トレンドを形成している現在、底値買いを狙う動きと、様子見のために買いを控える動き、あるいは損切りのために売る動きなどを比較すると、反転につながるかどうかは疑わしいとも考えられます。
今後も、冷静な投資が求められるでしょう。
XRPへのネガティブな要素
なお、昨今のリップル社に対するネガティブな要素として、訴訟問題が挙げられます。
今年5月3日、リップル社がXRPトークンを売り出したことに対して、連邦証券法違反として、一般投資家や法律事務所が訴訟を起こしています。
8月7日にも、証券関連訴訟で大きな実績(2017年の証券集団訴訟和解件数第1位)を持つローゼン法律事務所が、リップル社がXRPの売買について連邦証券法違反を犯しているとして、リップル社とXRPの調査に乗り出すとの発表がなされました。
これらの一連の訴訟や調査の結果は、XRPを証券とみなすかどうかという点に何らかの影響を与える可能性があります。
現在、SECでは、ビットコインやイーサリアムが有価証券に当らないとしているものの、XRPに対する解釈は明確になっていませんが、このような法律上の問題は今後のSECの見解と無縁ではありません。
このように、XRPを取り巻く環境には、ポジティブな要素とネガティブな要素が混在しており、非常に不安定だとする見方も強いです。
この意味においても、XRPへの投資には慎重さが求められると言えます。
まとめ
XRPは、時価総額第3位の仮想通貨であり、アルトコインの中でも特に人気の仮想通貨です。
世界中の大手金融機関からも注目が集まっており、XRPが普及すれば決済が非常に便利になると言われています。
BittrexでのUSDペアでの取り扱い追加は、その人気の表れだと言えるでしょう。
このように、XRPは仮想通貨の中でも、特に実用化に向けての勢いがある仮想通貨と言えますが、同時にいくつかの無視できない問題を抱えているのも事実です。
人気の高い仮想通貨であるだけに、仮想通貨市場への影響も小さくありません。
今後もXRPの動向には注目していくべきでしょう。