色々な仮想通貨が生まれている昨今、コンピューターパワーに注目した仮想通貨がいくつか誕生しています。
本稿で紹介するSONMもその一つです。
SONMは、使われていないデバイス同士をブロックチェーン上でつなぎ、コンピューターパワーを共有するプラットフォームです。
仮想通貨SONMとは
SONMは、コンピューターパワーをシェアするためのプラットフォームであり、このプラットフォーム上でやり取りされるトークンがSNMです。
年々、インターネット上で必要とされるコンピューターパワーは大きくなってきています。
ユーザーの増加はもとより、オンラインゲームなどの膨大なデータ処理を伴うサービスが増えたことにより、より多くのコンピューターパワーが必要とされています。
その一方で、コンピューターパワーが活かしきれていないという現実があります。
というのも、世界中にはたくさんのコンピューターがありますが、そのほとんどのコンピューターが処理能力をフル活用しているわけではなく、いわばコンピューターパワーという資源が十分に活かされていないのです。
この点に着目したのがSONMです。
従来ならば、世界中のコンピューターのパワーが活かしきれていないからと言って、それを活かすことなど不可能でした。
コスト的にも、セキュリティ的にも現実的ではなかったのです。
しかし、ブロックチェーン技術が開発されたことによって、高度なセキュリティと低コストでそれが可能となりました。
SONMとSNM
SONMのプラットフォームでは、コンピューターパワーの貸し借りを行います。
その際に支払いで使われるのがSNMです。
例えば、Aさんがより大きなコンピューターパワーを必要としている場合、AさんはSONMを介して、コンピューターパワーを提供している人からコンピューターパワーを借り、貸した人にSNMを支払います。
こうすることによって、必要な人は必要なだけのコンピューターパワーを集めることができ、コンピューターパワーを持て余している人はそれによって利益を得ることができるという仕組みが構築されているのです。
SONMのプラットフォームでは、イーサリアムのスマートコントラクトを搭載しています。
スマートコントラクトとは契約の自動化であり、あらかじめ設定しておいたプログラムを自動的に実行するシステムです。
SONMでも、スマートコントラクトにより、このシステムが自動化されています。
つまり、Aさんがコンピューターパワーを借りたいとき、Bさんがコンピューターパワーを貸したいとき、この両者がマッチングすれば自動的に契約が成立し、コンピューターパワーの貸し借りが実行されるようになっているのです。
SONMの色々な機能
SONMは、プラットフォームをより機能的に稼働させるために、様々なシステムを備えているようです。
フォグ・コンピューティング
SONMの課題はいくつかありますが、その一つがデータ損失に関するものです。
膨大なデータを処理するため、それらのデータが損失した場合、その損害は計り知れません。
また、データ処理量が多いために、ネットワークの動きがスムーズでなくなるというリスクもあります。
SONMでは、フォグコンピューティングというシステムによって、あらゆるデバイスのパワーを連携させることが可能です。
フォグコンピューティングとは、センサーとなるデバイスと、デバイスからの情報を処理するクラウドの間で情報の処理や制御を行うシステムのことです。
クラウドにつなげていることで、デバイス同士を繋いで大量のデータを処理しても、データが損失してしまうリスクが軽減されています。
また、ネットワークの動きもスムーズになります。
その他
その他の特徴としては、Yandex Cocaineというシステムが採用されています。
Yandex Cocaineとは、ロシアの検索サイトであるYandexが提供するオープンソースのPaaS技術のことです。
PaaSの枠組みを利用することによって、システムの開発コストが削減されています。
SNMの価格推移
SNMは、公開後に急騰して1ドルを超えましたが、その後急落して0.1~0.2ドル台で推移しています。
2017年末から2018年初旬にかけて、仮想通貨市場全体が盛り上がった際には、再び1ドルを超える局面もありましたが、その後市場全体の落ち込みと共に再び急落し、2018年5月25日現在は0.23ドルとなっています。
まとめ
SNMは価格的にはまだまだ買いやすい価格であり、時価総額も91億円程度です。
今後は、情報化社会にますます拍車がかかっていくことでしょうから、SONMのような仮想通貨の役割も大きくなっていくことと思います。
技術的な有用性が納得できる仮想通貨ですから、投資妙味があるかもしれません。