NEM(ネム)ってどんな仮想通貨?カタパルトって何?

アルトコイン・トークン

NEM(ネム)という仮想通貨をご存じでしょうか。

アルトコインの中でも非常に人気がある通貨です。

なぜ、NEMが人気なのか、その理由を掘り下げてみました。

はじめに

アルトコインのなかで日本でも非常に人気があり、時価総額で常にTOP10圏内にいる「NEM(ネム)」という仮想通貨があります。

ネムは、ビットコインをはじめとする他の仮想通貨とは異なる、独自のアルゴリズムを採用していることで、注目を浴びています。

また、ネムに投資するにあたって、「カタパルト」なるキーワードを聞いたことがある人も多いと思います。

本稿では、ネムの概要とカタパルトについて解説していきたいと思います。

NEM(ネム)とは?

ネムは、2015年に生まれた仮想通貨です。

アルファベット表記をすると「NEM」ですが、これは「New Economy Movement(新たな経済活動)」というプロジェクトのことです。

ネムを仮想通貨名と考える人が多いのですが、実はネムとはプロジェクト名称であり、そのプロジェクトで用いられるトークンをXEM(ゼム)と言います。

これは、イーサリアムはプロジェクト名であり、トークンはイーサであるのと同様です。

ネムが発案されたのは2014年のことで、これもビットコインにおけるナカモトサトシと同様、「utopianfuture」というハンドルネームの人物によって企画が公開されました。

時価総額は、2017年9月19日現在で2000億円を突破していることからも分かる通り、時価総額TOP10の超常連です。

ネムの特徴は、新規発行されたXEMが一部の層に偏らないように設計されていることです。

現在、ビットコインのマイニングの6割が中国のマイナーに握られており、偏りが生じています。

しかし、ネムはそもそもマイニングを行いません。

マイニングの代わりに、ハーベスティングという作業を行います。

マイニングは採掘であるのに対し、ハーベスティングは収穫です。

ハーベスティングは、ネムが採用している独自のアルゴリズム「Proof of Importance」によって行われます。

Proof of Importanceこそネムの最大の特徴ですが、ではProof of Importanceとはどのようなものなのでしょうか。

NEM独自のアルゴリズム「Proof of Importance」とは?

ハーベスティングとは、簡単に言うならば、XEMの取引手数料を、ネムネットワークの参加者に分配する仕組みです。

ネムを売買する際には、手数料を支払うことによって取引を承認してもらうのですが、この承認作業は10000XEM以上保有している人ならば、誰でも行なうことができます。

売買に支払われた手数料は、承認者に報酬として与えられ、これをハーベスティングと言います。

ビットコインやライトコインといった仮想通貨では、マイニングを行います。

これは、取引を承認してブロックを生成する作業であり、そのためにはスーパーコンピューターを導入する莫大な資金力と、それを稼働させるための莫大な電気代が必要となり、どうしてもマイニングに参加できる人が限られます。

これを、Proof of Workと言います。

しかしネムは、Proof of Importanceを採用しています。

XEMの保有量やネットワークの利用度などから判断し、貢献度によって付与される報酬が決まるため、スーパーコンピューターも、莫大な電気代も必要ありません。

一般的なパソコンさえあれば、だれでも報酬をもらうことができます。

これは、ビットコインなどのマイニングに興味を持ちながらも、ハードルが高くて参加できなかった人にとっては、非常に興味深いシステムといえるでしょう。

購入単価の低さも魅力

このほか、ネムの特徴として挙げられるのが、購入単価の低さです。

9月19日現在、ネムの価格は約25円であり、ここ3ヶ月間は15~35円くらいのレンジで推移してきました。

時価総額ランキングTOP10であるにもかかわらず、1XEMあたりの価格が非常に安いことは、これから仮想通貨投資を始めてみたい人にとって、魅力的だと思います。

また、現在40万円のビットコインが80万円になるよりも、現在25円のネムが50円に上昇することの方が容易ではないかと考えられます。

安ければ気軽に買えることや今後の値上がりを期待して買う人もいることなどから、上値が軽い傾向があります。

はじめての仮想通貨投資にお勧めなNEM(ネム)

上記の通り、とりあえず仮想通貨投資を始めてみたい人にとって、少額で買えるネムはおすすめの仮想通貨だといえます。

また、Proof of Importanceというアルゴリズムを採用しているネムは、ビットコインなどのマイニングに比べて気軽に報酬がもらいやすい仮想通貨です。

したがって、売買だけではなく報酬で稼ぎたいと考えている人も、ネムはおすすめです。

現在、国内の取引所では、coincheckとZaifがネムを取り扱っていますので、海外の取引所開設という英語の壁もありませんので、初心者の方はまずはネムを少額購入してトレードの感覚を掴むというのが良いのではないでしょうか。

NEM(ネム)とmijin

mijinとは、仮想通貨取引所Zaifの運営会社であるテックビューロ社が開発したブロックチェーンであり、Zaifとネムの開発者が共同で開発に当っています。

ネムは世界中で使えるオープンなブロックチェーンであるのに対し、mijinはプライベートなブロックチェーンです。

企業やグループといったプライベートな集団で用いることができるブロックチェーンであり、注目を集めています。

テックビューロ社の発表によると、mijinの目標は以下の通りです。

「mijinは、システムの規模にかかわらず、あらゆるインフラのコスト削減とセキュリティ向上、そしてゼロダウンタイムの実現に貢献します。

そして、『2018年までに金融機関のインフラコストを1/10未満に削減すること』をミッションに掲げています。」

 

カタパルトとは?

ネムについて関心を持ったとき、「カタパルト」というキーワードを必ず耳にします。

カタパルトとは何かというと、2017年9月に予定されているネムのアップデートのことです。

これによって、取引の処理速度が格段に速くなり、さらにアグリゲート・トランザクション(後述)も導入されることになります。

 

処理速度は毎秒4000件

まず、取引の処理速度ですが、現在、主要な仮想通貨における取引の処理速度は、

  • ビットコイン・・・1秒間に3~5件
  • イーサリアム・・・1秒間に15件
  • リップル・・・1秒間に1000件

となっており、リップルがぶっちぎりで早いことがわかります。

しかし、カタパルトを実装したネムは、1秒間に4000件もの処理ができるようになるといわれています。

ちなみに、世界一の処理能力を持つとされているのは、クレジットカードVISAであり、平均で毎秒4000~6000件の処理能力があるとされています。

それに迫る処理速度を持つカタパルトは、大きな将来性があると考えてよいでしょう。

今後、仮想通貨の処理速度はどんどん早くなっていき、いずれは4000件/秒も遅いといわれる時代が来るのでしょうが、少なくとも現時点では、カタパルトを実装したネムの処理速度には目を見張るものがあります。

アグリゲート・トランザクションとは?

アグリゲート・トランザクションとは、テックビューロ社のICOであるCOMSAのホワイトペーパーに書かれていた新機能のことです。

ホワイトペーパーは、その多くが専門的過ぎてよくわからないもので、アグリゲート・トランザクションの説明も、ホワイトペーパーでは非常にわかりにくくなっています。

筆者の解釈によって簡単に言うならば、アグリゲート・トランザクションとは、個人間でお金や仮想通貨のやり取りをする際、mijinネットワークを用いることによって、仲介役としての機能を果たすもののことです。

現在もエスクローサービスというものがありますが、それと似たものと考えればよいでしょう。

例えば、AさんがBさんと取引をし、Aさんは1BTCを、Bさんは40万円を交換する約束をしたとします。

しかしこれだけでは、Aさんがビットコインを送ったところ、Bさんがお金を渡さずに逃げてしまうリスクがあります。

そこで、第三者を仲介として、ビットコインと日本円の受け渡しを行なうことで、このリスクをなくすのがエスクローサービスです。

しかし、現在のエスクローサービスは手数料が10~20%と高額な場合が多く、そこが問題点でした。

しかし、アグリゲート・トランザクションを使えば、mijinのブロックチェーン上でエスクローサービスを利用することができ、少額のコストで安全に取引ができるようになります。

 

カタパルトの実装は?

mijinにカタパルトが実装されるのは、2017年9月頃とされていました。

しかし、9月19日時点でまだ動きがないため、10月以降に延びるのかもしれません。

そして、ネムに実装されるのは2018年になると予想されています。

ちなみに、カタパルトの可能性について、テックビューロ社の社長である朝山貴生氏は、8/24にツイッターで以下のように述べています。

「これでmijinはもう銀行、ファイナンス、ポイント、エネルギー、不動産、ロジスティクス、行政、社内セキュリティ、認証とほぼ想定される全ての分野で一通り第三者による実験がそろいました。
そろそろ、クラウド型の一般向けのサービス開始とカタパルト公開への下地造りが終わります。」

 

これによって、カタパルトの開発がかなり大詰めの段階に来ていることが予想されます。

また、共同開発を行っているNEM財団の副代表である、ジェフ・マクドナルド氏へのインタビュー記事では、以下のような発言が見られます。

 

「Catapultの開発に遅れが出ている理由は、Catapultには他のブロックチェーンが備えていない技術が多く含まれているからなのです。

私は光栄なことにCatapultをテストする立場を預かりましたが、Catapult開発のこれまでの進捗状況に関しては非常に満足しています。

私たちはCatapultにこれまで存在しなかった機能を多く導入しようと考えています。」

 

この発言からも、期待が高まっています。

まとめ

本稿で説いた通り、ネムは他の仮想通貨にはない、様々な機能を持っています。

また、多くの仮想通貨が投機的に用いられており、そのことが時に物議を醸すこともあるのですが、ネムは非常に実用性が高いという点で、存在感のある仮想通貨だといえるでしょう。

今後、カタパルトの実装によってインフラや金融などに活用され、需要が高まっていけば、価格も伸びてくることが予想されます。

 

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