アルトコインの一つに、アイオータ(IOTA)という仮想通貨があります。
新しい仮想通貨で、取り扱っている取引所もほとんどありません。
しかし、かなりの注目を集めています。なぜなのでしょうか?
はじめに
日本国内で取り扱われている仮想通貨は十数種類くらいしかないのですが、世界的にみれば非常に多くの仮想通貨が存在しています。
特に最近は、相次ぐICOによって様々なトークンが生まれ、1000種類以上に膨れ上がっています。
その中の一つに、アイオータ(IOTA)という仮想通貨があります。
まだまだ新しい仮想通貨であり、取り扱っている取引所も2017年9月18日時点でほとんどないため、かなりの注目を集めています。
今後、海外の大手取引所に上場すればさらに注目を集めることになる、アイオータについてその特徴を解説していくこととします。
アイオータ(IOTA)とは何か?
そもそも、アイオータとはどのような仮想通貨なのでしょうか。
アイオータは、2016年7月に開発された仮想通貨で、2017年6月にBitfinex(ビットフィネックス)に上場したばかりのかなり新しい部類の仮想通貨です。
マイクロペイメントと言われる少額の決済に特化している仮想通貨であること、発行枚数が27億枚という膨大な発行量であることからも注目されています。
また何といっても、従来の仮想通貨と大きく異なる点は、アイオータはブロックチェーンを使っていないという点です。
アイオータの目的は、IoTの実現です。
IoTとはInternet of Thingの略で、モノのためのインターネットという意味です。
つまり、あらゆるモノがインターネットに接続されることを表しています。
スマホを用いて家の鍵を開閉したり、お風呂を沸かしたりできるようになるというのが、代表的な例です。
自動運転も、IoTを用いた技術です。
あらゆるモノとインターネットを接続することができれば、可能性は無限大に広がり、人々の生活はより豊かになります。
そして、そのための技術もかなり進んできています。
ならば、なぜ普及していないのかと言えば、データを頻繁にやり取りしなければならない技術であり、またインターネットに接続することからセキュリティ対策も重要で、コストがかなりかかってしまうからです。
アイオータでは、ブロックチェーンとは異なる決済プロトコルとして、Tangleという技術を使うことによって、これらの問題を解決することが可能といわれています。
アイオータ(IOTA)の優れた仕組みTanglとは?
では、アイオータの最大の特徴であるTangleについて解説していきたいと思います。
Tangleはブロックをメッシュ状に繋いだもの
まず、Tangleについてですが、これは分散型のシステムであり、その意味ではブロックチェーンに似ています。
しかしTangleは、「もつれる」とか「絡み合う」という意味の英単語であることからも分かるとおり、ブロックチェーンのように、定期的にブロックを生成し、それをチェーン状につなげていくものではありません。
複数のブロックを同時に生成し、最終的に統合していくシステムになっています。
ブロックチェーンを「ブロックをチェーン状に繋いだもの」と表現するならば、Tangleは「ブロックをメッシュ状に繋いだもの」とでも言えばよいでしょう。
Tangleを利用することによって、各ブロックの負荷を軽減しつつ、数多くのトランザクションを処理することが可能となっているわけです。
IoTによって生じる、日常における少額の決済は、多額の決済などとは比較にならないほどの取引回数で行われますから、ブロックチェーンでは困難なこの問題をTangleによって解消したということです。
Tangleはコストもかからない
もう一つの特徴が、送金手数料や決済手数料が一切かからないという点です。
マイクロペイメントに特化しているアイオータでは、決済プロセスを非常に簡略化しており、コストをほぼゼロにしています。
日常において頻繁に利用することを前提としているわけですから、コストがかからないという点は非常にメリットがあると思います。
Tangleのセキュリティは?
以上のことから、アイオータがかなり進んだ技術であることが分かると思います。
ただし、ブロックチェーンは、ブロックをチェーン状に繋ぎ、さかのぼったり分岐したりすることができない事を基本としており、それによってセキュリティを高めています。
この点、Tangleはどうなのでしょうか。
これまでは、IoTに用いるデバイス間で、データの改ざんを防ぐことは難しいとされていました。
もし、外部からデータを改ざんされてしまえば、大変なことになります。
IoTによって車の自動運転をしていたところ、データが改ざんされてしまい、壁に激突していくなどといったことも考えられるからです。
そこでTangleでは、トランザクションを承認する際に、ブロックチェーンと同じくプルーフ・オブ・ワークという技術を採用しています。
つまり、暗号計算によってデータの改ざんや不正がないことを確認するというわけです。
Tangleでは、新たなトランザクションのたびに、二つ前のトランザクションを承認しなければならないシステムになっています。
したがって、一つの取引をするごとに、二つ前のトランザクションが承認されていきます。
これによって、膨大に発生するトランザクションを、メッシュ状に構築されたTangleによって高速で同時に承認していくため、不正や改ざんを行なうことが現実的に不可能な仕組みになっています。
したがって、Tangleはブロックチェーンと同様に、高いセキュリティを持つ仕組みだと言ってよいでしょう。
時価総額TOP10入りの強者、アイオータは投資すべき?
上記の通り、アイオータの仕組みはこれまでになかったものであり、将来性もかなり高いと思われます。
投資対象としても、検討してみる価値は十分にあるでしょう。
と言うのも、IoTは今後普及していくことがほぼ間違いない産業だからです。
全ての電気機器や自動車、ビジネスなどにIoTが活用されていき、それにアイオータが利用されるようになってくれば、需要はかなり高まり、価値も上昇していきます。
IoTに取り組む企業は、世界にいくつもありますが、その中にはアイオータの活用を検討する企業も出てくるかもしれません。
なにしろ、従来のIoTで不都合だった様々なことが、アイオータによって解消できる可能性が高いわけですから。
全世界のIoTにおいて、アイオータが利用されるようになってくれば、爆発的に上昇することは間違いありません。
アイオータは、上場前は時価総額3億円程度でした。
しかし、上場するとたちまち時価総額が500倍となり、いきなり時価総額TOP10の仲間入りをしました。
現在は0.5ドル程度で推移していますが、今後の可能性を考えるならば、まだまだ上昇の余地はあるでしょう。
ただし、発行総量が非常に多いことを考えると、ここから急激に上昇していくとは考えにくく、上昇していくにしても徐々に上昇していくのではないかと思っています。
このことから、長期投資をしたい人に向いているアルトコインといえそうです。
もっとも、アイオータはまだ日本国内の取引所では取り扱いが始まっていませんし、海外の取引所を見てみても、2017年9月18日現在、Bitfinex(ビットフィネックス)だけでしか取り扱われていないようです。
日本語対応していない取引所であるため、取引のためのハードルは感じるでしょうが、それほど難しい操作を要求されるわけではないので、興味がある人はチャレンジしている価値はあると思います。
まとめ
今後、IoTが普及する未来は、既定路線でほぼ間違いないといってよいでしょう。
住居や家電にはすでにIoTが用いられていますし、自動運転にも使われている技術です。
その技術をさらに役立てるものとして、アイオータは将来有望な仮想通貨であるといえます。
今はまだほとんど取り扱われていないものの、アイオータの持つ可能性や有益性や人気から考えて、今後は様々な取引所で取り扱われるようになるのではないかと思います。