ビットコインが徐々に広まってきています。
現時点では、日常生活で使うよりも、投資目的で買う人が圧倒的に多いわけですが、今後ビットコインが普及してくるにつれて、様々な場所で利用が可能になり、日常生活で使う機会も増えてくると思います。
この流れの象徴的なものとして、ビットコインを公共料金の支払いに利用できるようになってきています。
実際に、一部地域では電気料金の支払いをビットコインで行なうことが可能であり、近いうちにガス料金の支払いも可能になる見込みです。
本稿では、公共料金の支払いとビットコインの関係を見ていきます。
電力・ガスの自由化
2016年から、長く続いてきたインフラの制度が大きく変わりました。
2016年4月には電力自由化が行われ、2017年4月にはガス自由化が行われました。
これによって、従来の電力会社やガス会社だけではなく、様々な事業者が電力・ガス事業に乗り出しています。
特に新規参入が多いのが電力であり、競争に参加した会社は数百社に上ります。
これまで電力を供給してきたのは、非常に限られた地方ごとの電力会社だけであり、独占状態だったわけですが、それが激しい競争の時代に突入したのです。
これまでは、利用者は地域を独占していた電力会社から電気を買う必要がありましたが、自由化以降は自由に電力会社を選べるようになりました。
その結果、東京ガスや大阪ガスといった、電力事業に参入したガス会社に乗り換える人が増えており、この他にも新電力に乗り換える人が少なくありません。
なぜガス会社に乗り換える人が増えているのかと言うと、ガス会社で電気とガスを同時に契約すると、電気料金が割安になるからです。
このような割引は、従来の電力会社にはなかったメリットであり、これによって乗り換える人が増えているのもうなずけます。
coincheckでんきのビットコイン付与プランは活用価値あり
しかしながら、電力やガス事業に新規参入した事業者にとっては、差別化が非常に難しいのが実情です。
契約してくれた人に何らかの景品を贈ったり、値引きしたりすることはできるでしょうが、それ以上のサービスが難しいのです。
そこで注目されているのが、決済方法を多様化させつつ、割引を行なうという取り組みです。
これは、仮想通貨取引所のcoincheck(コインチェック)が既に行っていることであり、「coincheckでんき」という取り組みです。
coincheckでんきでは、丸紅新電力と提携して行うものであり、現在は東京電力、関西電力、中部電力の管内で電力を供給しています。
coincheckでんきの特徴は、電気料金の支払いにビットコインを利用できる「ビットコイン決済プラン」と電気料金の支払方法は変えずにビットコインをもらえる「ビットコイン付与プラン」という二つのプランがあることです。
まず、「ビットコイン決済プラン」ですが、これは電気料金をビットコインで支払うことによって、既存の電力会社よりも4~6%お得になるサービスです。
一方、「ビットコイン付与プラン」は、電気料金や支払方法は、今までの電力サービスと同じで、電気料金の4~6%の値引相当額をビットコインとして受け取ることができるサービスです。
おすすめはビットコイン付与プランです。
ビットコイン付与プランならば、毎月の電気料金をこれまでと同じように支払いつつ、値引相当額をビットコインで受け取り、積み立てていくことができます。
今後もビットコインの価格は上昇していくという予測が強く、その通りになれば、付与されたビットコインの価値は徐々に高まっていき、実際に割り引かれた値段以上の価値となることでしょう。
もちろん、全国的な提供ではありませんから、利用できない人もたくさんいることでしょうが、時代に先駆けた、注目に値する取り組みと言ってよいでしょう。
ガス料金も2017年中にはビットコイン決済予定
電気料金だけではなく、ガス料金もビットコインで支払える時代が近づいています。
仮想通貨取引所のbitflyerでは、5社のガス販売事業者と提携し、ガス料金をビットコインで決済できるようにするプロジェクトを発足させています。
利用者はスマホでQRコードを読み込んでビットコインで決済したり、bitflyerの取引口座から引き落としたりする仕組みが検討されているようです。
現時点ではサービスは開始していませんが、2017年には開始するとされています。
まとめ
以上のように、インフラ事業者の競争が激しくなっており、差別化の一貫として、決済手段にビットコインを取り入れる動きが少しずつ広がってきています。
昔は現金で支払っていたものを、今ではクレジットカードから引き落としてポイントを貯める人が多くなっているように、いずれは公共料金を仮想通貨で支払い、お得に決済する人が増えてくることと思います。
もちろん、公共料金以外でも仮想通貨による支払いによって、何らかのメリットを享受できる流れが今後も出てくることでしょう。
それらを有効に活用して、生活に役立てていきたいものです。