仮想通貨市場の活気が戻っている、社会の関心は着実にアップ

仮想通貨投資

最近の数ヶ月間で、仮想通貨市場が息を吹き返しています。

ビットコイン価格は100万円に迫っており、専門家の中には冬の時代がようやく終わると解釈する人も少なくありません。

最近の値動きによって、仮想通貨市場は回復に入ったとみなしてよいのでしょうか。

本稿では、2017年末と現在の比較、ビットコインへの資金の流入、ブロックチェーン技術に投資する企業の動きなどから、仮想通貨市場の最近の値動きを考察していきます。

仮想通貨市場の活気が戻りつつある

今年4月から、仮想通貨市場は徐々に回復の兆しを見せ始め、多くの仮想通貨が軒並み上昇となり、ビットコイン価格に至っては年初来の上昇率で140%を突破し、100万円に迫っています。

ごく短期間のうちに急速な回復を見せたことで、2017年の年末、短期間で暴騰した相場を思い浮かべる人もいると思います。

しかし、2017年の暴騰は、投機的な資金が短期間のうちに市場に流入たことで、暴騰と暴落を引き起こされました。

これが、最近の値動きと大きく異なる点です。

値動きが非合理的であるか、合理的であるかを考えるにあたり、社会の関心の度合いが非常に良い材料となります。

仮想通貨に限らず、あらゆるものは普及するほど、需要が高まるほど、価格が上がっていきます。

社会の関心が高まり、保有している人や欲しいと考える人が増えるほど、価値が高まっていくのです。

もし、社会の関心はそれほど高くなく、保有している人や欲しいと考える人がそれほど多くない状況で暴騰を引き起こしたとすれば、需要が限られている中で価格だけが上がっていくことになります。

これは、社会や人々から求められ、実質的な価値が見出されて値上がりしていくのではなく、社会や人々から求められず、実質的な価値が伴なうことなく、価格だけが上がっていくのですから、やがて大暴落するのは自然な流れです。

 

2017年と今の違い

2017年の暴騰時は、仮想通貨の実用化も今ほど進んでいませんでしたし、仮想通貨に対する社会の関心や理解も低く、大幅に値上がりする理由はそれほど多くありませんでした。

価格を押し上げる理由が乏しい中で暴騰を引き起こしたのですから、短期的な値上がりを期待した投機的な資金が大量に流入したと考えるのが妥当でしょう。

それと比べて、現在は2017年当時よりも仮想通貨業界の健全化が進み、実用化のための具体的な動きも見られ、社会からの関心や理解も深まっています。

特に、大手企業が仮想通貨を決済手段として採用する動きを見せたり、世界中で普及しているスマートフォンに仮想通貨ウォレット機能が搭載されたり、日常生活へと浸透する流れは着実に形成されています。

このような流れを考えると、最近の大幅な値上がりは、2017年の相場と比べて、かなり合理的な値上がりだと考えることができます。

仮想通貨の実用化の流れなどを踏まえて、現在の仮想通貨価格は過小評価されていると判断し、投機ではなく投資として買う人が増えているのです。

いずれ、投資としてではなく、決済手段などの日常生活の一部として保有する人が増えていけば、一層の値上がりが期待できます。

もちろん、今も投機を目的として資金を投じている人もいますし、仮想通貨の妥当な価格はいくらかということについては、まだまだ分からないことが多いです。

このため、値動きの幅によっては非合理的な価格になりえるでしょうし、どれくらいの値動きであれば合理的であるかを判断することは困難です。

しかし、少なくとも2018年から2019年にかけて、長い調整期間を経たうえでの値上がりですから、仮想通貨市場が活気を取り戻しているというポジティブな見方ができるでしょう。

 

 

規制もなんのその

仮想通貨市場が活気を取り戻しつつあることは、最近の規制の流れを見てもよく分かります。

日本では、国内の仮想通貨取引所のレバレッジ取引を規制することがすでに決定されています。

これにより、金融庁は国内の仮想通貨交換業者に対して、2020年4月から起算して1年半の期限内に、規制への対応を義務付けています。

このため、国内の仮想通貨取引所では、レバレッジの倍率を引き下げること、証拠金維持率を引き上げることに取り組んでいます。

5月28日にはbitflyerが、レバレッジ取引の上限を15倍から4倍に引き下げ、証拠金維持率を80%から100%に引き上げています。

日本は仮想通貨大国と言われるほどに仮想通貨の取引が活発です。

金融庁研究会のデータによれば、国内で行われている仮想通貨取引のうち、現物取引は18.39%に過ぎず、残る81.61%はほとんどレバレッジ取引となっています。

このため、仮想通貨取引高の大きい日本で、その取引高を支えるレバレッジ取引に規制が加えられることによって、取引高が大幅に減少してしまうことが懸念されていたのです。

特に、28日にレバレッジを引き下げたbitflyerは、bitflyer Lightning FXを提供しており、市場に大きな影響を与えるほどの出来高を誇っていました。

規制によって取引高が減少すれば、仮想通貨価格にも悪い影響が出ると考えられるのですが、レバレッジ規制の影響はほとんど見られず、ビットコインは順調な推移を続けています。

最近では、テザー問題の再燃などのネガティブなニュースもあり、それに加えてレバレッジ規制も進んでいるのですが、値動きは好調です。

懸念されていた悪材料をものともせず、現在のような値動きを続けていることからも、仮想通貨市場に活気が戻ってきていると言えそうです。

 

 

ビットコインの保有者が増えている

仮想通貨市場が活気を取り戻しつつあること、最近の値上がりに違和感がないことは、ビットコイン関連のデータによっても明らかです。

最近のビットコインは力強い値上がりを続けていますが、これはとりもなおさず、ビットコインに対する関心や理解が広がり、保有する人が増えているからです。

約15億ドルのビットコイン投資信託を運用しているアメリカの資産運用ファンド「Brayscale Bitcoin Investment Trust」のレポートによれば、直近の6ヶ月間で約2.5億ドルの資金が流入しています。これは、過去最大の流入とのことです。

また、仮想通貨情報サイトCoinMetrics社の共同設立者・Nic Carter氏の発言によれば、現在、0.1BTC以上のビットコインを保有しているビットコインアドレスの数が、過去最高に達しています。

これは、2017年末のピーク時を超えるアドレス数であり、ビットコインを保有する人が着実に増えていることが分かります。

 

その他の好ファンダ

このほか、仮想通貨市場全体にとって良い影響を与えると思われる最近のデータに、ブロックチェーン関連企業の求人数が急増していることが挙げられます。

アメリカのブロックチェーン企業であるConsenSysのレポートによれば、ブロックチェーン関連の求人数が前年比で33倍にまで跳ね上がっており、企業別の求人数では第1位はIT企業のIBM、第2位は会計事務所のEY、第3位がオラクルとなっています。

ブロックチェーン技術は仮想通貨の根幹となる技術です。

世界的な大企業が、ブロックチェーン関連の人材を盛んに募集しており、平均給与も1400~2000万円という好待遇です。

このことから、世界経済を牽引する大企業がブロックチェーン技術を肯定し、将来性に目をつけ、積極的に人材投資を図っていることが分かります。

ブロックチェーン技術や仮想通貨技術は、まだまだ歴史が浅く、技術的に十分な信頼を得ているとは言い難い状況です。

しかし、一流企業がブロックチェーンや仮想通貨を認め、盛んに投資していることから、信頼できる技術であること、その信頼は今後ますます高まっていくと考えて間違いないでしょう。

このような流れは、今後も加速していくと予想されます。ブロックチェーンや仮想通貨というものがごく一般的なものになるのは、そう遠くないかもしれません。

これも、仮想通貨業界の発展と市場の成長にとって良い流れです。

 

 

まとめ

短期間で急激な回復を見せている仮想通貨市場は、2017年末の相場と似ているようにも見えるのですが、価格が上昇している背景を考えてみると、2017年末よりも多分に合理的な値動きであり、仮想通貨市場が回復に向かっていると考えられます。

そもそもの値動きの激しさ、価値の評価の難しさなどから、今後も上昇トレンドが続くと決めつけることはできませんが、今後も上昇が続ける可能性は十分にあります。

今後の値動きに期待が持てる相場環境になっていますが、楽観視しすぎることなく、相場と向かい合っていきましょう。

 

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