5月13日、世界最大級の仮想通貨カンファレンスである「Consensus2019」が開催されました。
Consensusが相場に与える影響は大きいとされていますが、これはConsensusの中で、仮想通貨市場にとって好材料となる情報が出てくるためです。
今回のConsensusでも、仮想通貨の実用化につながるニュースが出ています。
本稿では、世界で展開する大手リテール企業で仮想通貨決済の導入が進みつつあることについて、お伝えしていきます。
Consensus2019での発表
これまで、仮想通貨は投機性の高いものとして、あまり一般に受け入れられてきませんでした。
投機性が高くなってしまう大きな理由の一つに、仮想通貨の実用化があまり進んでいないことが挙げられます。
実用化がされていなければ、実用性や利便性などを基準とした価値を見出すこと、合理的な価格を設定することができません。
見る人によって価値の捉え方、合理的な価格の設定が異なるため、まだまだ安いと思って買う人も大勢いれば、まだまだ高いと思って売る人も大勢おり、これが投機性を高め、価格の不安定さ、ボラティリティの大きさにつながっているのです。
したがって、仮想通貨の実用化が広がり、一般に受け入れられていくことは、仮想通貨業界全体の健全な発展のために極めて重要なことと言えます。
仮想通貨の実用化は、まだまだ不十分ではあるものの、徐々に広がってきています。
XRPを導入する金融機関か送金企業が増えていますし、ビットコイン決済に対応する店舗も増えてきています。
先日、ニューヨークで開催された大型の仮想通貨カンファレンス「Consensus2019」でも、仮想通貨企業のFlexaが、仮想通貨決済アプリ「SPEDN」の提供を限定的に開始したことを発表しています。
SPEDNでの決済を受け入れた企業は、スターバックス、サーティワンアイスクリームといった大手企業15社となっており、これらの企業は世界中にたくさんの店舗を展開していることから、仮想通貨決済の普及が大きく進むきっかけになるかもしれません。
今回発表された15企業で決済対象となっている仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ジェミニ・ドル(仮想通貨取引所ジェミニのステーブルコイン)の4通貨となっています。
ライトコインも決済に使われる?
SPEDNに関する報道で、先日、ライトコインがスターバックスなどで決済できるようになる可能性も報じられています。
ライトコインは、「ビットコインが金ならば、ライトコインは銀である」と言われてきたように、仮想通貨業界ではかなりの古株であり、知名度も時価総額も高いです。
今年に入ってからは、アルトコインの中でも特に上昇している通貨の一つであり、そのことからもライトコインの人気の高さがうかがえます。
今回の報道は、ライトコインがスターバックスなどで決済可能になることが、明確に発表されたものではありません。
経緯を説明すると、Consensus2019終了後間もない5月15日、ライトコインの開発者であるCharlie Lee氏が、自身の公式ツイッター上で、
FlexaのSPEDNが、決済通貨にライトコインを追加し、食料品、ゲームショップ、その他何千もの小売店でライトコイン決済が可能になることに賛成する人は、「いいね」と「リツイート」を。
というツイートをしたことに端を発しています。
このようなツイートにより、ツイッター上で支持を集めることはしばしばあるのですが、このツイートに関しては、Flexaの共同設立者であるTrevor Filter氏がリツイートをし、
リツイート≠承認(・・・しかしあるいは?)
とコメントしています。
Trevor Filter氏は、ライトコインの追加を承認したわけではありません。
しかし、全く追加する気がないのであれば、否定するコメントはあっても、このような意味深なリツイートはしないでしょう。
このため、いずれライトコインが追加され、スターバックスやサーティワンアイスクリームなどでの決済に利用できる可能性が高いとも噂されています。
まとめ
これまでも、仮想通貨決済が導入されたことでニュースになることがあったものの、ややインパクトに欠けるものが多かったように思います。
今回のように、世界で展開するリテール企業が複数社同時に、仮想通貨決済を受け入れることで、仮想通貨の実用化が大きく前進するかもしれません。
特に、スターバックスやサーティワンアイスクリームなどは、仮想通貨などの新興技術にあまり抵抗のない、若い世代が利用することが多く、仮想通貨決済が浸透するきっかけになる可能性は十分にあるでしょう。