通貨手段として生まれたビットコインに続き、その根底技術であるブロックチェーンを活用しながら、様々な仮想通貨が生まれています。
第二世代の仮想通貨には、非常にユニークな機能を持つ仮想通貨も、多数誕生しています。
その一つNEM(ネム)では、非常に広い活用が期待されていますが、今回、ジビエ肉の流通に活用されることが分かりました。
ジビエ×NEM(ネム)
ブロックチェーン技術と仮想通貨は、単に決済手段としてだけではなく、様々な用途への活用が期待されています。
ブロックチェーン技術では、ブロックチェーン上におけるすべての取引を確実に、半永久的に記録し続け、改ざんや消去が不可能であることから、流通の過程で不正が行われやすいものに対して、絶大な効果を発揮します。
海外では既にダイヤモンドの流通にブロックチェーンの活用が始まっていたのですが、10月3日の報道によって、日本でも流通への活用が始まることが明らかになりました。
一般財団法人日本ジビエ振興協会によって、ジビエ肉流通のトレーサビリティに、NEM(ネム)のmijinブロックチェーンが採用されることになったのです。
ジビエとは、野生動物を狩猟して得られた鳥獣肉のことです。
普通、日本で一般的に食べられているのは牛肉、豚肉、鶏肉などの家畜の肉です。
地域によっては馬肉や羊肉を食べることもあると思いますが、あまり一般的ではありません。
このような家畜の肉に関しては、各都道府県が生産から消費までを管理しているため、安全性が保たれています。
また、食肉流通センターによって、品質面においても高水準に保たれています。
しかし、ジビエ肉にはこのようなシステムがありません。
それぞれの地域で獲れる野生動物、例えばシカやクマやイノシシなどが提供されていますが、正直なところ、出どころが不明な場合も少なくありません。
筆者は、田舎に住んでいたこともあり、イノシシやシカはしばしば食べていました。
牛、豚などよりもずっと美味しいと思いますから、大好きです。
先日も、北海道でエゾシカを食べましたが、これも非常に美味でした。
イノシシの肉が好きという人は結構多く、牡丹鍋などは高級品です。
しかし上記の通り、ジビエの流通経路は不明な部分が多々あります。
美味しいものであり、シカの増えすぎ防止や、農作物を荒らすイノシシの駆除などにも役立つわけですが、流通経路が不明という不安要素もあって、ジビエを気持ち悪く感じている人も中にはいると思います。
そこで、mijinのブロックチェーン上に、ジビエの加工食肉のデータを登録することができれば、かなり安全性が高まるでしょう。
加工から流通、そして消費までの日付、産地、経由地、管理者、数量、価格などのデータを全て記録し、誰でも追跡できるようにすれば、透明性は飛躍的に高まります。
もちろん、ブロックチェーン上に記録されているのですから、偽装の心配もありません。
これまで、ジビエに気持ち悪さを感じていた消費者も、そのジビエがどこで獲られ、どこで加工された、どんな食肉であるのかを、消費者自身が全て調べられるようになりますから、安心して食べられるようになります。
NEM(ネム)への影響は?
今回の例だけを見れば、そもそもジビエの消費量はそれほど多くないため、NEM(ネム)の需要拡大には直接的には大きな影響をもたらさないでしょう。
実際、ネムの価格への影響はほとんど見られません。
しかし、mijinはネムのプライベートチェーンであり、mijinでできることはネムでもできます。
mijinの実用化が進めば進むほど、ネムでもそれが可能ということにつながり、活用事例も増えてくることでしょう。
したがって、今回のジビエ業界への採用は、将来的な需要増大や価格への影響には好材料でしょう。
仮想通貨は、新たな決済手段として生まれたものですが、今やそれ以上の、実社会のあらゆる場面での活用が重視されつつあります。
ジビエへの活用は、「食」への活用です。
人間の生活の最も根本的な、本能的な部分への活用ですから、短期的な価格への影響はなくとも、高く評価してよいと思います。
まとめ
仮想通貨が実社会に、しかも「食」の分野に活用されたこと、また筆者自身がジビエを好むことからも、このニュースは非常に嬉しく読むことができました。
仮想通貨業界ではネガティブなことが続いていましたが、これを機にいいニュースが増えてくればと思います。
また、ビットコインなど、決済手段としての仮想通貨には否定的な意見も絶えないのですが、イーサリアムやネムのように、実社会にブロックチェーンを活かしていくプロジェクトに関しては、それほど否定的な意見も見受けられません。
ビットコインの普及に一目置きつつも、実社会への技術的な活用にも注目すべきでしょう。
ネムは、今年の3月には2円以下だったのですが、今や25円前後となっています。
そう考えると、かなり上がってきたと思います。
テックビューロ社なども後押ししているプロジェクトですから、将来が楽しみです。