仮想通貨市場の下落が著しい昨今、投資して儲けられるのだろうかという疑問を抱いている人も多いと思います。
しかし、一部の専門家は、まだまだビットコインは上昇していき、仮想通貨市場全体も拡大成長していくとしています。
その一方で、仮想通貨市場の再バブルはありえないとする意見もあります。
最近の専門家の意見をまとめてみました。
ビットコインは再び上昇する?
仮想通貨市場の大暴落により、ビットコイン価格は一時6000ドルを下回る状況になりました。
現在は落ち着きを取り戻し、回復しつつあります。
今回の大暴落により仮想通貨市場全体の時価総額は4000億ドルを割り込んだことで、仮想通貨バブル崩壊など仮想通貨の行く末を心配する声が高まっていました。
アメリカの規制当局がこの事態に対してしかるべき措置を取ると発表したことが、回復のきっかけとなりました。
2月9日現在、ビットコイン価格は80万円台にまで回復しています。
それでも、1月から続く大暴落を経験し、仮想通貨に疑念を抱く人も多いことでしょう。
しかし、一部の専門家の見解によると、ビットコインの価値は今後も上昇していくとされています。
ビットコインが5万ドルになる予測
専門家の分析を見てみると、今回の急回復では、ビットコインが1日で24.5%程度の回復を見せました。
この回復率は驚異的なものであり、このまま上昇が続けば年内に5万ドル(約550万円)まで上昇するとしています。
また、ビットコイン以外の仮想通貨の価格も上昇していくという見解を出しており、そうなれば仮想通貨全体の時価総額は1兆ドルを超えるのではないかと断言しました。
このように、やはりビットコインあるいは仮想通貨全体に対して期待する意見はまだまだ根強いものがあります。
大手仮想通貨取引所Gatecoinの事業開発責任者であるトーマス・グリュックスマン氏も、
仮想通貨が規制され、制度が改善され、技術が発展していけば、仮想通貨市場はますます加速し、急激に高騰していくだろう。
2018年の仮想通貨市場は、むしろ再燃しないはずがない。
と予測しています。
仮想通貨とブロックチェーン技術は非常に優れたものであり、適切に運用されていくならば、人類に多大な恩恵をもたらしてくれることは疑いがありません。
ただし、規制や制度が発展途上であり、また技術的にも未熟なところがあるため、仮想通貨をイマイチ信用できない人も多く、また実際に様々な問題も起きています。
しかし、それらが解決されていけば、利用されていくことはほぼ間違いないほどに素晴らしいものなのです。
トーマス・グリュックスマン氏が「仮想通貨市場が再燃しないはずがない」とする根拠には、ライトニングネットワークという技術があります。
ライトニングネットワークとは、簡単に言えば超高速での取引を可能とする技術のことです。
ライトニングとは稲妻のことであり、取引処理の素早さをピカッと一瞬だけ光る稲妻に例えています。
ライトニングネットワークが普及すれば、仮想通貨の問題の一つであった処理速度の問題が大幅に改善し、仮想通貨の実用性はますます高まり、需要は増加し、仮想通貨市場が盛り上がっていくだろう、というわけです。
このほか、ビットコインは現在、CMEやCBOEといった大手取引所で先物取引が行われているほか、ナスダックも導入を検討しています。
また、ビットコインのETFはまだ存在しませんが、今後ビットコインETFが導入されれば、それによってもビットコインは盛り上がっていくことでしょう。
仮想通貨市場全体も将来性有望
もっとも、ビットコインが5万ドルに上昇するという見解は、あくまでも今回の短期の回復が“このままの上昇率で”続けばというものです。
そのため、この上昇率を維持して価格が上昇し続けるのはあまりに楽観的なのではないかという意見もあります。
ビットコインとゴールドは類似性があるとし、ビットコインはゴールドのような立ち位置を確立していくだろうとする意見もありますが、これに対しても懐疑的な意見があります。
ゴールドは価値が変動しにくいこと、価値を失わないことに意義があります。
しかし、ビットコインは一時は200万円以上に上昇し、数週間後には60万円台に落ちてしまうような価値の変動が激しいものであり、場合によっては価値が失われる可能性も未だに指摘されています。
一方、ビットコインに時価総額では及ばないものの、イーサリアムなどの機能的・技術的に優れた仮想通貨がたくさん登場しています。
これらと比較するならば、ビットコインには既にそこまでの価値がないのではないかとの見方もあります。
このことから、仮想通貨ではビットコインよりも、イーサリアムのような技術的実用性に富む仮想通貨へ注目が集まる流れもあります。
実際、データ会社のHurcules Tech社CEOのミック・シャーマン氏は、
NEOやイーサリアムといった、新しい機能を持っている仮想通貨は、これから非常に注目すべきである。
まだ実用化されていないものもあるが、逆に言えば今後実用化され、価値が上昇していくのではないか。
と言っています。
仮想通貨はバブルで今後は淘汰されていく
これに対し、金融グループのゴールドマンサックスの見解は否定的です。
ゴールドマンサックスの主張によれば、仮想通貨市場が再回復する見込みは薄いとしているのです。
ゴールドマンサックスが発表したレポートの中で、ゴールドマンサックスのアナリストであるスティーブ・ストロンティン氏は、
仮想通貨には本質的な価値がない。
価値がない通貨が淘汰されないはずはなく、価格はゼロになっていく可能性が極めて高い。
今日の仮想通貨が、GoogleやAmazonといった巨大な存在になれるだろうか。
それよりも、消え去っていったかつての検索エンジンのような存在になるだろうか。
仮想通貨は現在、バブルの真っただ中にいる。
再びピークを迎え、隆盛を極めることはないだろう。
としています。
もちろん、インターネットバブルの時代に現れては消えていった多くの検索エンジンと、GoogleやAmazonを引き合いに出していることから、この見解はすべての仮想通貨の価値を否定したものではなく、一部の本当に実力ある仮想通貨だけが残り、その他は淘汰されていくという意見だと思います。
仮想通貨バブルの環境下では、ホワイトペーパーに「用途は決まっていない」と記載されている仮想通貨の価格が暴騰するなど、異常な状況も生まれています。
しかし、仮想通貨市場が整備されていき、また投資家の目が養われ、本当に実力ある通貨とそうではない通貨がはっきりしていくにつれて、一部の有望な仮想通貨だけが残っていくことになるでしょう。
ゴールドマンサックスの見解では、仮想通貨投機と同時にICOブームも今後衰退していくのではないかとしています。
もっとも、ゴールドマンサックスは、具体的にどの仮想通貨が生き残っていくかを示しているわけではありませんし、全ての仮想通貨が価値を失うとも言っていません。
まとめ
専門家の意見を整理すると、ビットコインの人気はまだまだ根強いけれど、イーサリアムやリップルといった実用性の高い仮想通貨が今後台頭してくる可能性は高く、逆にいえば、実用性に乏しい雑多な仮想通貨は淘汰されていくといったところでしょうか。
今後は時価総額ランキング上位の主要銘柄を中心にポートフォリオを組み直してみてもいいかもしれないですね。
先行きが不明ではありますが、今後も専門家の意見には目を向けていきたいと思います。