2017年8月、ベトナムではビットコインが合法化されました。
日本でも、2016年に仮想通貨による決済が法的に承認されましたが、ベトナムでも承認へと動き始めたのです。
ベトナムは、2014年から仮想通貨を危険視してきた背景があるため、ビットコインの普及にはまだ時間がかかるという見方もありました。
しかし一方で、ベトナムはフィンテックへの取り組みに積極的な国であり、今回の発表もかなり歓迎されています。
ベトナムでビットコインを正式な決済手段として承認
ベトナムでは、もともとフィンテックをはじめとした最新技術に積極的だったのですが、ベトナム中央銀行の2014年の見解では、「仮想通貨は有効な決済手段ではない」とされており、普及を阻害してきました。
しかし、2017年初頭にベトナム中央銀行では、金融技術の開発を促進するため、フィンテック運営委員会が創設されました。
そして2017年8月、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は、ビットコインを正式な決済手段として承認しました。
正確には、ビットコインを正式な決済手段として、法的整備を進めることを承認したのですが、もともとフィンテックに積極的な国で、首相がGOサインを出したのですから、ビットコインが決済手段として活用されるのもそう遠くない未来でしょう。
首相の話によると、2018年までにビットコインを正式な決済手段として認める計画で進めていくそうです。
実際、ベトナム国内のニュースでも、2018年8月までに合法化を完了しなければならず、そのためには、ビットコインを決済手段とするために必要となる法的文書やその他の情報を、年末までに提出する必要があると報道されています。
ベトナム中央銀行に対しては、仮想通貨に対する課税に関する法規文書を作成し、2018年8月には提出すること、また仮想通貨による犯罪の対策案を2019年9月に提出することを求めています。
このことによって、今後ベトナムでは、仮想通貨に対する税制が議論されていくことになるでしょう。
仮想通貨に伴う税制の枠組みも、2019年6月に本決まりになる予定です。
以上のことをまとめると、
“#fff”]2018年8月までに政府のアプローチを明らかにし、
2018年末までに仮想通貨に関するあらゆる法的文書を作成し、
2019年6月までに課税に関する枠組みを確定し、
2019年9月までに仮想通貨に関する犯罪対策案を提出する
という流れで進んでいくようです。
さらに司法省では、2020年までには仮想通貨に関する各法律の作成をまとめるように求められています。
ベトナムを皮切りに東南アジアにビットコインの波
ベトナムの世論を見てみると、ビットコインにかなり好意的なようです。
なにしろ近年、ベトナムではスマホが急速に普及しているからです。
この背景をもとに、ベトナムの銀行では国内の人々や外国の人々が口座を開設できる、モバイルバンキングサービスを提供してきました。
モバイルバンキングもかなり普及しているのですが、モバイルバンキングと仮想通貨は非常に親和性が高いため、ビットコインが決済手段となれば、ビットコイン、モバイルバンキング、スマホの三者が互いに影響し合い、ビットコインは急速に普及していくことになるでしょう。
もちろん、ビットコインを決済手段とするための法的枠組みが決定されれば、ビットコイン以外にも、複数の仮想通貨が正式に承認されることになるかもしれません。
これによって、金融技術の向上や、オンライン決済の更なる利便性の向上につながるはずです。
また、ベトナムを皮切りに、東南アジアの様々な国々で、ビットコインが普及してくる可能性があります。
東南アジアでは、銀行のサービスを利用できない人が大勢います。
そんな人たちでも、スマホは持っているケースが少なくありません。
スマホさえあれば、ビットコインはいつでも売買と送金が可能です。
そうなれば、今まで銀行サービスの恩恵を受けられなかった人達が、ビットコインを通じて様々な金融活動を行うことが可能となり、東南アジア全体に良い影響をもたらすかもしれません。
実際、ベトナム以外の東南アジア諸国でも、仮想通貨を受け入れるための取り組みに乗り出しています。
まとめ
ベトナム政府が、ビットコインを正式な決済手段として利用するために動き始めました。
これは、ビットコインの活用を望むベトナムの人々にとって、非常によい報道でしょう。
この報道が、他の東南アジア諸国にも良い影響を与え、世界の仮想通貨市場全体の普及に一層の拍車がかかるかもしれません。