日本で生まれた仮想通貨であり、国内の取引所でも取り扱いがある仮想通貨の一つに、モナーコイン(Monacoin)があります。
我が国で生まれた仮想通貨ですから気になります。
モナーコインとはどんな通貨か、掘り下げてみましょう。
はじめに
場合によっては、「モナコイン」と表記されますが、どちらもMonacoinのことです。
全世界には1000種類以上の仮想通貨が存在していますが、その多くは海外で生まれています。
それだけに、日本発のモナーコインは気になる存在でしょう。
本稿では、モナーコインがどのような仮想通貨であるか、解説していきます。
モナーコイン(モナコイン)とは?
モナーコインは、そのコインのイラストをみればわかる人も多いかと思いますが、2ちゃんねるのアスキーアートである「モナー」からきています。
開発者は2ちゃんねるの運営者であるわたなべ氏であり、モナーコインネットワークというシステムを採用しています。
モナーコインネットワークは、ビットコインのブロックチェーンと似ているもので、取引記録を分散して管理していくシステムです。
もちろん、非中央集権的システムであり、管理組織は存在しません。
ならば、ビットコインと全く同じなのかと言うとそうではなく、実はビットコインよりも優れた特徴を持っています。
まず、モナーコインの取引速度は90秒程度です。
1ブロック当たり90秒程度で生成され、チェーンに繋がれていくのです。
ビットコインでは、1ブロック当たり10分間隔で処理されていきますから、それに比べるとかなりスピーディと言えます。
また、初心者向けの仮想通貨という特徴もあります。
何といっても、日本発祥の仮想通貨ですから公式サイトは日本語ですし、理解しやすいわけです。
このほか、普通の仮想通貨は、基本的に通貨同士の交換をすることに使うわけですが、モナーコインは通貨以外のものと交換することができます。
例えば、アマゾンギフトやiTunesカードとの交換が可能となっていますし、過去にはモナーコインで土地が売買されたケースもあります。
モナーコインによる土地の売買は極めて例外的ですが、最近になってビットコインでも不動産売買の兆しが見えてきたことを考えると、モナーコインはあまり知られていないところで、かなり進んだ活躍を見せていたことが分かります。
将来の成長可能性に期待して思わず購入してしまう人が少なくないのもうなずけます。
モナーコインに投資する?
投資対象として、モナーコインはどうなのでしょうか。
モナーコインは、やや特異的な値動きをしてきた仮想通貨です。
発行後間もない2014年8月1日、モナーコインはその前後数日で急激な騰落を見せ、一時は75円を突破したものの、その数日後には25円を切り、まもなく10円を切り、長らく低迷を続けてきました。
この高騰時に買ってしまった人は、長期間にわたって報われない時期を過ごすことになり、投げ売りした人もかなりいただろうと思います。
2017年4月になると徐々に上昇を始め、5月には30円突破、6月には80円突破、7月には一時90円突破という高騰を見せ、他の仮想通貨が軒並み上昇を見せた8月には値下がりして50円台を守り、9月10日現在は50円となっています。
2017年には、世界で初めてSegWitという、取引サイズを圧縮するための技術を取り入れています。
ビットコインとビットコイン・キャッシュが分裂したのは、「スケーラビリティ問題」、つまりブロックサイズの問題が原因です。
ブロックサイズが小さいまま取引量だけが大きくなっていくと、取引が遅れたり停止したりする可能性があるため、その影響は計り知れません。
「スケーラビリティ問題」への対策の方針で意見が分かれ、ビットコインは分裂の問題が起きたぐらいです。
時価総額1位のビットコインがブロックサイズで大揉めしている裏で、モナーコインは早々に対策を打ってきたというわけです。
そのこと自体にも好感が持てますし、モナーコインは今後、取引量が増えたとしてもトラブルが起きる可能性は、今のところ少ないです。
モナーコインが一部の人から支持を受けているのは、こういったところに理由があるのかもしれません。
ちなみに時価総額は120位前後ですので、もしかすると将来化ける可能性も秘めているかもしれませんね。
まとめ
仮想通貨関連のニュースを見ていると、ビットコインが最も話題になりやすく、次にイーサリアムやリップルが多く、その他主要なアルトコインもしばしばニュースになるようになってきています。
しかし、モナーコインに関しては、不思議なくらい話題になりません。
これは、日本国内では有名な仮想通貨でも、海外ではそれほど有名ではないからでしょう。
しかし、モナーコインには目立った欠点は見受けられず、過去の暴落に巻き込まれた人は忌み嫌うかもしれませんが、無難な仮想通貨であるといった印象です。
日本国内の取引所で購入できますし、長期分散投資の対象コインとしては面白いかもしれません。