仮想通貨の中には、非常にユニークな仮想通貨があります。
2013年に公開されたドージコインもそのひとつで、モチーフに柴犬が用いられているコミカルな仮想通貨です。
はじめに
こんなコミカルなものが本当にお金なのかと思えますが、実際に通貨としての価値を持つのですから不思議な気分になります。
コインのイラストが強烈ですから、ドージコインの存在を知っている人は多いと思うのですが、どのような性質を持った仮想通貨であるのか、あまり知られていません。
そこで本稿では、ドージコインの特徴などを解説していきます。
ドージコイン(Dogecoin)とは?
仮想通貨の中には、非常にユニークな仮想通貨があります。
日本発の仮想通貨のモナーコインも、コインのイメージにはアスキーアートのモナーが用いられている、ユニークなものです。
モナーコインと同じ位置づけとして考えられるのが、ドージコインです。
ドージコインは、Dogeという柴犬のミームがモチーフになっています。
ちなみに、ドージコインは元IBMエンジニアのビリー・マーカス氏によって作られ、アメリカで生まれたものなのですが、モチーフとなった柴犬は「かぼすちゃん」という日本の柴犬です。
ドージコインは当初、ビットコインのパロディとして生まれたもので、ギャグのような存在だったのですが、それが今や通貨としての価値を持つようになってきています。
この象徴的な出来事は、ソチ五輪の際、ジャマイカのボブスレーチームの出場費用としてドージコインが寄付されたことが挙げられます。
ドージコインの特徴は、コミカルな通貨であることですが、仕組みとしてはビットコインとあまり変わりません。
もともと、ビットコインのパロディとして作られたものですから、独自の付加価値を持っているわけではないのです。
ドージコインとビットコインの違い
強いて違いを挙げるならば、発行総量が違います。
ビットコインの発行上限は2100万枚なのですが、ドージコインには発行上限がありません。
980億枚を発行したのちは、微増していく仕組みとなっています。
また、取引の承認速度も速く、ビットコインの1/10で承認することができます。
ビットコインは日に日に、様々な買い物や光熱費の支払い、家賃の支払いなどと活用の場が広がっていますが、ドージコインは寄付に活用されるのが多いというのも特徴です。
上記の通り、ジャマイカのボブスレーチームに寄付された実績もあります。
2014年のソチ五輪の際、ジャマイカのボブスレーチームが資金不足で出場できない可能性があったのですが、ドージコインのコミュニティでは、ドージコインによる募金活動が始まりました。
その結果、1日で3万ドル相当のドージコインが集まりました。
この他にも、募金活動に利用された実績があります。
ドージコインには、柴犬がモチーフとなっており、親しみやすさや平和な雰囲気があります。
また、日本版にしろアメリカ版にしろ、2ちゃんねるという空間は一種独特な空間で、日常生活では話題になりにくいことを話題にしたり、「これを話題にしたら面白そう」といった話題で盛り上がっています。
会話の流れを見ていると、そのスレッドのノリを楽しんでいるようにも見えます。
このような空間で、「ドージコインを寄附してボブスレーチームを救おう(それをやったら面白そう)」などという動きがあれば、「面白そう」というだけで案外寄付金が集まることがあるのです。
このように、利益を得ることを狙ってドージコインに投資するというよりも、ドージコインを寄付などに活用し、それが話題になることを楽しむといった雰囲気も強く、ビットコインとは異なる利用の広がりをみせています。
ドージコインは、日常生活の様々な消費活動や投資に使われたり、政府が取り上げて壮大なプロジェクトが始まったりすることはなく、一部のコミュニティ内で面白そうなことに使われ、寄付やチップに使われることが多いという特徴を持っているわけです。
発行上限がないということは、需要が高まってもいくらでもまかなえるということでもありますから、価格が爆発的に伸びることも考えにくいです。
このことからも、投資対象にはなりにくく、それ以外の活用で行われるようになったものと思われます。
もっとも、アメリカ版2ちゃんねると言われるRedditには、ドージマーケットというコミュニティサイトがあり、ドージコインで買い物をしたり、ビットコインに交換したりすることができます。
したがって、ドージコインは完全に寄付やチップ目的のものとも言えませんが・・・。
ドージコインへの投資はどうか?
ドージコインの用途は、上記の通りかなり特殊です。
発行上限がないことからも、派手な値動きは起きにくいといえます。
それでも、最近ではやや上昇したといえます。
長期にわたって0.02円前後で推移していたものが、2017年4月ごろから急に上昇を始め、6月には0.4円を突破したのです。
その後、暴落して0.2円前後となり、2017年9月11日現在は約0.15円となっています。
この値動きの理由として有力な情報はありませんが、おそらく有力な材料が出たというよりも、仮想通貨市場全体の上昇に合わせてドージコインも上昇したのだと思います。
まだまだ低価格帯にあるように見えますが、これが今後上昇し、十分な利益をもたらしてくれるかどうかはよくわかりません。
本質的に上昇しにくい特徴を持っているのですから、横ばいを続ける可能性もあります。
それでも、知名度が高く、親しみやすい仮想通貨ですから、いくらか保有して様子を見守っておくのも良いかもしれません。