多くの仮想通貨が、機能の向上を目指してアップデートを行っていますが、9月8日にはビットコインが17回目のアップデートを迎えるようです。
今回のアップデートでは、どのように機能が高められるのでしょうか。
現時点で明らかになっている点について調べてみました。
ビットコインのアップデート
2017年は仮想通貨元年と言われ、たくさんの仮想通貨が生まれ、また消えていき、2018年もその流れは止まるところを知りません。
しかし、そのように目まぐるしく変化する仮想通貨市場において、仮想通貨の元祖であるビットコインはいまだにトップを走り続け、時価総額でも1位の座を保ち続けています。
また、仮想通貨関連のニュースを見ても、ビットコインETFやビットコイン先物などが話題を呼んでいることからも、代表的仮想通貨であることは疑いがありません。
しかしながら、普及という点においては今一つの状態で、一般消費者がビットコインを利用することは多くありません。
技術的な分かりにくさや、危険なものだとする先入観から、近寄りがたいものというイメージを持たれることが多いのです。
普及にはまだまだ時間がかかることでしょうが、単に時間が解決するのを待つのではなく、仮想通貨そのものの機能が向上し、一般消費者の利用にふさわしいものへと進化していくことも重要です。
そのために、色々な仮想通貨がアップデートによる機能向上を目指しています。ビットコインも、ビットコイン・コア(ビットコインの基盤となるオープンソースソフトウェアで)で17回目のアップデートが予定されています。
アップデートの予定は9月8日で、以下のような大幅アップデートになるようです。
アップデートの内容
今回のアップデートでは、以下の二点に焦点があてられるようです。
新言語の追加
ビットコインはもとより、全ての仮想通貨はブロックチェーン技術によって成り立っており、開発に使われるプログラミング言語は仮想通貨によって様々です。
今回のアップデートでは、新言語の追加が一つの目玉とされています。
新言語を追加することによって、ビットコインを送金する際に使う公開鍵・秘密鍵に対してラベリングが可能となり、複数の人が関与する取引で混乱を避けるのに役立ちます。
複数人が関与する取引と言えば、例えば募金などが良い例でしょう。
送金手数料の安さは仮想通貨の大きな強みであり、仮想通貨で募金された場合には送金手数料が安くなり、支援先に募金が効率よく届くようになります。
現在は、まだ複数人で取引されることもそれほど多くないのですが、今後は次第に増えていくことが予想されています。
その際の取引をより正確に、スムーズにするためにも、新言語によってラベリングが可能になることは、仮想通貨の普及にも役立つでしょう。
新言語の追加とラベリングについて、ChaincodeのエンジニアであるJohn Newbery氏は「ウォレットの概念を変えることになる」とコメントしています。
PSBTの採用
PSBTとはPartially Signed Bitcoin Transactionsの略であり、オフライン取引をサポートする機能です。
今回のアップデートでは、この機能も追加されるとのことです。これによりユーザーはオフライン状態で取引が可能となります。
また、ビットコインを安全に保管するためにハードウェアウォレットが使われますが、ハードウェアウォレットはソフトウェアウォレットとの互換性がないことから、利便性に欠けているという問題がありました。
ハードウェアウォレットのセキュリティ性の高さと、ソフトウェアウォレットの利便性の高さを兼ね備えたウォレットが求められていたのです。
これに対して、PSBTを採用することにより、ハードウェアウォレットがビットコイン・コアのサポートを受けられるようになるようです。
ハードウェアウォレットという、隔離されたオフラインのウォレットの利便性が高まるとのことですが、どのように便利になるのか、また具体的な仕組みは現段階では確認できません。
その他
このほか、このアップデートでは、スケーラビリティの向上、取引手数料の減少なども含まれています。
アップデートの結果、どのくらいの改善がなされるかについては明らかではありません。
しかし、スケーラビリティや取引手数料の問題は、これまでもビットコインの大きな問題として考えられてきたものであり、改善が望まれていたため、今回のアップデートに期待が寄せられています。
まとめ
仮想通貨の中でもひときわ知名度が高いビットコインについて、アップデートの予定が発表されたことで、一部の掲示板などでは非常に話題となっていいます。
アップデートが評価されて価格は上がっていくだろうとの声が強く、実際にビットコイン価格は右肩上がりで伸びています。
今回のアップデートを理由にビットコインの購入に踏み切る人もいると思いますが、仮想通貨市場そのものはまだトレンドの転換が見えない状況です。
市場の動きには充分注意を払い、慎重に投資を進めていきましょう。