仮想通貨市場は、2017年末に急速な盛り上がりを見せ、1月に最高値を付けたのち、長期の下降トレンドをたどって現在に至っています。
仮想通貨の価格は軒並み下落しており、1月に220万円を超えたビットコインも、今や70万円程度に下落しており、下落率は約70%にも上ります。
トレンドがいつ転換するかということが度々話題になっていますが、そのような状況の中でも、BinanceのCEOであるChangpeng Zhao氏は市場をポジティブに捉えています。
今年の仮想通貨市況
仮想通貨市場は、2017年末に急速に盛り上がり、ビットコイン価格は一時220万円を超えるほどの盛況を見せました。
しかし、その後長期の下降トレンドに入り、現在では70万円程度で推移しています。
当時、日本でも仮想通貨への関心が一気に高まり、一般投資家も多数参入しました。
更なる上昇を見込み、天井付近でビットコインを購入してしまった人も少なくないと思います。
その後、ビットコイン価格はしばしば回復の兆しを見せており、100万円を超えるようなタイミングもありました。
そのたびに「ようやく底打ちか」、「ここから上昇トレンドに転換するか」といったことがしばしば話題となってきましたが、未だにはっきりとした兆しは見えていません。
高値掴みしたビットコインが塩漬け状態になっている人や、利確あるいは損切りの後に再び購入する機会をうかがっている人は、いつこのトレンドを抜け出すのかと注目していることと思います。
Binance CEOの見方
なかなか先が見えてこない状況ですが、仮想通貨業界の主導者の中には、現在の仮想通貨市場をポジティブに捉えている人もたくさんいます。
先日トークイベントを開いた、実業家の堀江貴文氏もそうですし、世界一の取引高を誇る仮想通貨取引所BinanceのCEOであるChangpeng Zhao氏も同様です。
Changpeng Zhao氏は、先日行われたインタビューの中で、仮想通貨市場はまだまだポジティブなものだと語っています。
Changpeng Zhao氏は、
1年前、ビットコインの売買高は7.8億ドル、価格は2500ドルであったのに対し、現在のビットコインの売買高は34億ドル、価格は6800ドルである。
市場規模が拡大していることは明らかであり、楽観視してよいと思う。
と語っています。
同様のことが、Changpeng Zhao氏の公式ツイッターでもツイートされています。
報道によれば、売買高や価格の上昇だけではなく、インフラとして着実に成長していること、経済界から確実に注目される存在となっていることも、この楽観視の根拠になっているようです。
また、Binanceの成長も裏付けになっているものと思います。
上記の通り、2018年を通して仮想通貨市場は下降トレンドをたどっていますが、そのような中でもBinanceの登録者数は増え続けており、今後も利益の拡大を見込んでいます。
自身の運営する取引所の利用者が減少しており、利益も落ち込んでいるならば、なかなか強気の発言はできないでしょうが、利用者と利益が実際に伸びているのですから、本人には確かな手ごたえがあるのでしょう。
その他の要素
このほか、仮想通貨を取り巻く環境の変化から考えても、Changpeng Zhao氏の楽観視は納得できます。
代表的な例を挙げるならば、
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- 各国の仮想通貨に対する態度が明らかになりつつあり、規制などを通じて仮想通貨市場の整備が進みつつあること
- ゴールドマンサックスやJPモルガンなどの世界的な銀行が、仮想通貨の存在を肯定しつつあること
- 機関投資家なども仮想通貨投資に参入できる環境が整いつつあること
などが挙げられるでしょう。
国家や巨大投資銀行や証券取引委員会など、仮想通貨市場に大きな影響を持つ機関の動きを通して、仮想通貨市場の整備が進みつつあります。
このことは、要人発言の推移を見ても明らかです。
例えば、JPモルガンのCEOであるJamie Dimon氏や、ゴールドマンサックスのCEOであるLloyd Blankfein氏など、以前は仮想通貨に対して否定的な発言をしていた人物が、次第に仮想通貨を肯定するようになってきています。
これは、2017年から2018年にかけてのポジティブな変化だと言えるでしょう。
国の規制でも、短期的に見ればマイナスと思える動きもありますが、基本的には長期的に見てプラスの方向性、仮想通貨の可能性を潰さない方向性であることが分かります。
中国などの規制が厳しい国でも、仮想通貨やブロックチェーンなどの技術的な面には大いに関心を寄せています。
Changpeng Zhao氏の楽観は、このような様々な点から出ているものと思います。
全く根拠のない希望的観測ではありませんから、注目に値すると言ってよいでしょう。
まとめ
仮想通貨市場の下降トレンドは、まだ転換の兆しが見えていません。
したがって、仮想通貨投資には慎重になる必要があると言えます。
しかし、株式市場などにおいても、投資家が先の見えない長期的な下降トレンドに悩まされることは、これまでの歴史の中で何度もあったことです。
市場自体に問題がなく、将来性が見込めるならば、無理に手をさずにじっと待っていれば良いのです。
「売るべし、買うべし、休むべし」「休むも相場」などとは昔から言われることで、しきりに売買するばかりが投資ではありません。
仮想通貨市場は、Changpeng Zhao氏の語る通り、楽観的な見方も可能です。
今は市場の動向を見守りつつ、投資環境が整うのを待つのも一つの手です。