1月31日、ビットフライヤーがアルトコインのLISK(リスク)を取り扱うことを発表したところ、リスクの価格は一時65%上昇という大暴騰をみせました。
しかし、2月2日現在、発表前の価格以下に下落しています。
本稿では、リスク急上昇の背景と、そこから得られる示唆を解説していきます。
ビットフライヤー効果でLISK(リスク)急上昇
1月31日昼ごろ、アルトコインのリスクが約2300円から一時3600円を超える急騰を見せました。
世界的な規制への不安やcoincheckのネム流出事件など、ネガティブな話題で持ちきりだったところへ、久々にポジティブなニュースが出たとホッとした人も多いことでしょう。
以前から、ビットフライヤーがリスクを取り扱うのではないかという噂がありました。
元々、ビットフライヤーはビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインしか取り扱っておらず、もっと多く取り扱って欲しいという意見を受けていました。
取扱通貨の要望を受け、去年12月初めにモナコインの取扱いを開始したところ、大暴騰したことでも大きな話題となりました。
今回も、ビットフライヤーでリスクが取り扱い開始となれば、モナコインのような大暴騰を見せるのではないかと期待していた人も多いと思います。
もっとも、ビットフライヤーの加納裕三氏は、ツイッターにおいて、
1月中に新規アルトコインを導入します。(何かはお楽しみ)
とつぶやいていただけだったので、リスクであると事前にわかっていたわけではありません。
それでも、リスクは仮想通貨業界でも有名なアルトコインで時価総額も大きく、イーサリアムと同じスマートコントラクトを持っている、人気の仮想通貨です。
さらにリスクでは、メインのブロックチェーンとは別にサイドチェーンを設けていることから、取引時間が非常に早く、セキュリティにも優れています。
仮想通貨への様々なリスクが叫ばれる状況の中で、下手な仮想通貨を導入するとは考えにくく、「もしやリスクでは?」という噂もたち、噂だけで一時的な上昇も見せたほどです。
LISK(リスク)が65%の上昇を見せる
そして、ビットフライヤーがリスクの取り扱い開始を発表すると、1時間足らずでリスクの価格は約2300円から一時3600円越えという大暴騰を見せました。
実に65%の上昇です。
しかし、3600円越えの後、おそらく利確売りに押されたのだと思いますが、数分のうちに下落して3200円を切り、その後もじわじわと下落していきました。
この状況を見ると、仮想通貨の投機性の高さが良くわかります。
今回のようなケースでリスクで確実に儲けるためには、発表されてからすぐに買うのでは遅いでしょう。
発表後数分で購入して数分で売り抜けるならばまだしも、そのためには発表を待ち構えている必要があり、専業投資家でなければ難しいでしょう。
数分遅れて買ってしまえば好機を逸し、数分遅れて売ってもこれまた好機を逃すわけですから、下落の波に巻き込まれてしまいます。
また、発表前に購入しておくという方法もありますが、それでは噂をもとにして購入する必要があり、やはりこれも投機性が高いといえます。
さて、その後リスクはじわじわと値を下げ、2月2日16時現在2119円をつけています。
ビットフライヤーが発表する直前の値を割っているのですから、噂を期待して購入し、更なる値上がりを期待してホールドした人、あるいは発表後に購入してホールドしている人は全員、現時点で含み損を抱えていることになります。
もちろん、今後の値動きがどうなるか分かりません。
2018年で仮想通貨が更なる値上がりをすると考えてこのままホールドする人もいれば、最近の仮想通貨市場は不安定だと考えて損切りする人もおり、判断が分かれると思います。
先日のネム流出事件で、お笑い芸人にも被害者が出たことで、周りに仮想通貨投資を勧めていたたむらけんじ氏がバッシングを受けていました。
たむらけんじ氏は「僕はあくまでも余裕資金でやるように言っていました」と釈明し、その釈明がまた寒いというような雰囲気になっていましたが、たむけん氏の言い分は至極当然です。
何らかのニュースや噂をもとに、特定の仮想通貨の値上がりに備えて事前に購入する場合にも、あくまで余裕資金を投じることが重要であることが良くわかります。
今回のリスクの暴騰から、仮想通貨のリターンは他の投資では考えられないほど大きいこと、また故にリスクが高いこと、ポートフォリオや資金の管理が重要であることなどを学び、今後に役立てていくべきでしょう。
まとめ
ビットフライヤー取扱い開始では、モナコインが暴騰を見みせたため、今回も取り扱われる仮想通貨は暴騰するだろうとの事前予測があり、事実そうなりました。
「大手取引所が新たな仮想通貨の取り扱いを開始する」ということの影響の大きさが良くわかります。
また、ビットコイン価格がついに100万円を割り込んだ最近の仮想通貨全体の値動きとの関連性を考えてみると、市場全体が下落傾向にあるとき、影響力の大きな一つのニュースが価格に与える影響は短期かつ限定的になることもよくわかったのではないでしょうか。
株式市場などでも、日経平均が大きく下落しているタイミングでは、材料があっても材料相応の値上がりを見せなかったり、値上がりが限定的になることが多いですが、それと同じことが仮想通貨でも起きています。
資金を投じるのが人なのですから、人の心理が値動きに反映されるは当然のことと言って良いでしょう。
仮想通貨の値動きを注視し、暴騰および暴落が起きた際は、冷静に分析・検証し、自分なりにサンプルを集めておくことは、今後の投資に大いに役立つことでしょう。