長期にわたって低迷を続け、目立ったニュースや値動きも特にみられなかった仮想通貨リスクが、大きな値動きを見せています。
メジャーとは言えないものの、日本ではそれなりに知名度が高い仮想通貨であり、リスクに投資している人も少なくないはずです。
そこで、今回の値動きの背景を調べてみたところ、色々な良い動きがあるようです。
本稿では、リスクの高騰の背景についてまとめていきます。
仮想通貨リスクが高騰
現在、仮想通貨の時価総額ランキングで36位につけている仮想通貨リスクの値動きが好調です。
リスクが最も活発に取引されている仮想通貨取引所はBinanceですが、日本でもbitflyerやcoincheckで購入できるため、日本ではよく知られた仮想通貨の一つです。
2018年初め、4000円に迫る暴騰を見せたリスクですが、その後は鳴かず飛ばずの下落を続け、1ヶ月ほど前には130円を切っていました。
他の仮想通貨に比べてニュースも少なく、値上がりのきっかけがつかめずにいたのですが、直近の値動きは非常に好調です。
2019年3月16日現在、リスクの価格は1LSK=167円となっています。
直近の1週間で19.3%の上昇、30日では30.9%の上昇となっています。
突然、大きな値動きが起こった背景を調べてみたところ、以下のような原因があることがわかりました。
INATBAに加入
まず、今月12日、欧州連盟委員会の支援も受けている「INATBA(国際信用ブロックチェーン協会)」へ、リスクが加入したことが報じられました。
INATBAはEU内のブロックチェーンの普及を目指して活動している団体であり、リップル社やカルダノ財団など、仮想通貨業界に大きな影響を持つグループも参加しています。
リスクの本部はスイスですが、開発拠点はドイツです。
ドイツはEUへの影響が大きい国であり、ここを開発拠点としているリスクがINATBAに加入することで、ドイツや周辺国家のブロックチェーンを推進することにつながることが可能性があります。
ドイツ国内でブロックチェーンが普及したとき、そこにリスクが深くかかわる可能性が高いと考えるならば、価格上昇につながるのも納得がいきます。
サイドチェーンの進捗
リスクのプラットフォームは、イーサリアムと同じようにスマートコントラクトを備えていることから、イーサリアムと対比されることが多い仮想通貨です。
リスクとイーサリアムの大きな違いは、イーサリアムがメインチェーンに全てのDApps(分散型アプリケーション)を構築するのに対し、リスクではそれぞれのDAppsごとに新たなチェーン、すなわちサイドチェーンを用いるところにあります。
メインのブロックチェーンと接続されているものの、独立したサイドチェーン上でDAppsを構築することによって、メインのブロックチェーン上で複数のDAppsを実行するよりも負荷を軽減することができ、スケーラビリティでメリットが得られます。
また、サイドチェーン上でDAppsを構築しているため、コードの変更を行った場合にも、その影響はサイドチェーン内のみにとどまり、全体に影響を与えません。
これにより、開発者は容易にコード変更などを行うことができ、柔軟性が高まります。
このようなメリットを持つサイドチェーンという仕組みは、いわばリスクの目玉となるものであり、サイドチェーンに関するプロジェクトの進捗がリスクの価格に影響します。
これまで、リスクのサイドチェーンプロジェクトとしては、去年、データ分析のためのオープンプラットフォームであるMADANAが話題になっていました。
これは、リスクにとって初めてのサイドチェーンプロジェクトでした。
そして今回、機械学習システム(人間と同様の学習機能をコンピューターで実現するシステム)の分野で有名なGNY社が、リスクのサイドチェーンに機械学習のプログラムを実装したことが発表され、これが価格の上昇要因となっています。
ドイツのプライベートバンクと提携?
さらに、現段階では確かな情報ではありませんが、リスクプロジェクトがドイツのプライベートバンクであるWEG銀行と提携しているのではないか、という情報が出ています。
この情報は、ライトコイン財団のチャーリー・リー氏と、仮想通貨決済プラットフォームであるトークンペイのCEOの対談が情報源となっています。
対談の中で、トークンペイCEOが「WEG銀行とリスク財団が提携している」と発言しています。
トークンペイも、昨年11月にWEG銀行と提携しているため、信用できる情報と考えられます。
リスクとWEG銀行の提携の内容は一切不明です。
しかし、リスクが今後の展開として、金融業界での利用を見据えている可能性があるため、期待から価格上昇につながったと思われます。
まとめ
リスクには長い間、目立った値動きやニュースが見られませんでした。
しかし、今回の大きな値動きの背景を調べてみると、色々な好材料があることが分かりました。
日本国内の仮想通貨取引所でも購入できるため、リスクに投資している人もそれなりにいると思います。
情報があまり多くなく、しかし日本ではそれなりに馴染みある仮想通貨ですから、今後も目立った動きがあればまとめていこうと思います。