ビットコイン普及の波が、世界中に押し寄せています。
9月24日の報道で、マレーシアでもビットコインが合法化されることが分かりました。
マレーシアでのビットコイン合法化によって、マレーシア国民はどのような恩恵を得ることができるのでしょうか。
また、東南アジア全体での状況は、どのようになっているのでしょうか。
ビットコイン合法化の大きな意味
9月第4週初め、マレーシア政府と金融規制当局は、マレーシア国内におけるビットコイン産業を管理し、ビットコインの利用を合法化することを発表しました。
マレーシア中央銀行の知事であるムハンマド・ビン・イブラヒム氏による公式の見解では、
マレーシア中央銀行は年末までに、暗号化に関するガイドラインを出したいと考えている。
特に、マネーロンダリング対策やテロ資金調達に対するガイドラインが重要である。
私たちは、この分野への参加を希望する人々のために、明確なガイドラインを作っていく所存である。
と述べています。
マレーシアのビットコイン合法化には、大きな意味があります。
2016年後半において、マレーシアの通貨であるリンギットが大幅切り下げとなり、米ドルなどの主要通貨に対し、短期間で2%の下落となりました。
マレーシア中央銀行と商業銀行では、このことへの対策として、リンギットとデリバティブの海外取引を禁止する規制を設けました。
これにより、国外からマレーシアへ出稼ぎにきている外国人労働者は、自国の家族に送金するための安全かつ低コストの方法を模索することに苦労してきました。
マレーシアでのビットコイン合法化は、外国人労働者や外国人投資家が国外に資金を送金するための、安全で低コストな手段となることでしょう。
ビットコインネットワークを通じて、外国人労働者は家族にお金を送ることができるようになるのです。
東南アジアでビットコインの利用が拡大
先日、ベトナムでも首相がビットコインを承認し、今回マレーシアでも合法化に向けて動き始めました。
このような動きは、東南アジア全体に広がりを見せるでしょう。
フィリピンでも、多くの労働者がビットコインプラットフォームを通じて送金しています。
フィリピン政府がビットコインを合法化したことによって、ビットコイン企業であるCoins.phでは、直近2年間で何百万人ものアクティブユーザーを獲得しています。
今年2月には、フィリピン中央銀行において、以下のような発表がなされています。
ビットコインなどの仮想通貨は、中央銀行によって発行・保証されるものではなく、またいかなる商品によって裏付けられているものでもない。
中央銀行では、仮想通貨を貨幣として保証するつもりはない。
中央銀行は、金融サービスの提供、特に支払いや送金に仮想通貨を使用することへの規制を目指している。
これにより、マネーロンダリングやテロ資金調達を防止すれば、消費者保護と財務の安定化に大きな影響を及ぼすことができると考えている。
まとめ
本稿で述べた通り、マレーシアでは自国通貨にかけられた規制により、国外への送金が困難となっていました。
しかし、ビットコインが合法化されることによって、安全に、低コストで、海外に送金できるようになるのです。
ビットコインの最大の特徴が、いかんなく発揮されたケースであるといえます。
また、ベトナムでもビットコインが正式に承認され、フィリピンでも利用者が増大していることから、今後も東南アジアでは、ビットコインの利用が拡大していくと予想されます。