仮想通貨市場は長期的な下落を続けています。
仮想通貨の筆頭であるビットコインも下落を続けていますが、最近になってようやく底打ちとする見方が増えてきています。
ビットコインが底打ちという見方は、ビットコイン投資の参考になるのはもちろんのこと、ビットコインは仮想通貨市場を牽引する基軸通貨であることから、アルトコイン投資の重要指標としても見逃せません。
本稿では、チャートの形状と専門家の意見から、底打ちの可能性を確認しておきたいと思います。
ビットコインチャートは三角持ち合いへ
昨年12月、200万円超へと大暴騰して市場を沸かせたビットコインですが、その後に急落してからは長い下降トレンドを形成し、現在は70万円台となっています。
しかし、昨年12月の高値から現在に至るまでの約10ヶ月間のチャートを見てみると、徐々に値動きの幅が縮小しています。
これは、テクニカル分析で言うところの「三角持ち合い」の形と言えます。
株でも為替でも、仮想通貨でも、全ての価格は上下に変動しながら推移していくものです。
この時、値動きの幅は実に様々ですが、主に以下のような動きをすることで知られています。
“#eee” radius=”20″]上昇トレンド・・・上昇と下落を繰り返しながら、中長期的には上昇へと向かっていく値動き。ベアよりもブルの方が強い状態。
“#eee” radius=”20″]下降トレンド・・・上昇と下落を繰り返しながら、中長期的には下落へと向かっていく値動き。ブルよりもベアの方が強い状態。
“#eee” radius=”20″]もみ合い(ボックス相場)・・・上昇と下落を繰り返しながら、中長期的に見ても大きな上昇・下落が見られない値動き。ブルとベアが均衡している状態。
[surfing_su_box_ex title=”※ブル・・・買い手側の投資家” style=”noise”]
上昇相場での新規の買建てや買い増し、下落相場でのつなぎ売買による買い、下落相場での損切り、下落相場からのトレンド転換での儲けを狙う買いなど。[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”※ベア・・・売り手側の投資家” style=”noise”]
上昇相場での利確のための売り、上昇相場でのつなぎ売買による売り、下落相場での売り増し、上昇相場からのトレンド転換での儲けを狙う空売りなど。[/surfing_su_box_ex]
価格の急激な変動が起こる場合を除けば、ほとんどの価格変動はこのいずれかとなります。
上昇トレンド、下降トレンド、もみ合いのいずれにおいても、一方的な値動きになるのではなく、上昇と下落を繰り返しながらトレンドを形成していきます。
しかし、同じような値幅でいつまでも動き続けることはなく、いずれはトレンドの転換が訪れます。
トレンドが転換するときには、大きなニュースなどで急激な転換を見せる場合を除けば、徐々に値幅が縮小されていき、やがてトレンドの転換を迎えます。
この様子を三角持ち合いといい、注目すべき値動きだとされています。
上昇トレンドの場合、変動幅が徐々に縮小していき、やがて天井をつけて下降トレンドへと転換します。
下落トレンドはその逆で、変動幅が徐々に縮小したのち、やがて底を打って上昇トレンドへと転換します。
もっとも、値幅が縮小して天井や底を打ったように見えても、実際にはそこから長いもみ合いにはいったり、再度上昇あるいは下落をはじめることもあります。
もみ合いの場合は、上昇や下落といった目立った動きがありません。
したがって、次第に変動幅が縮小していき、ブルとベアの均衡が崩れた時に上昇又は下落に大きく転換することになります。
歴史が浅く、なおかつ特殊な仮想通貨市場で、株式投資やFXにおけるテクニカル分析の常識が通用するかどうかは定かではありません。
これまで、仮想通貨は急激な変動を見せることが多かったことからも、必ずあてはまるとは考えにくいでしょう。
しかし、仮想通貨市場も相場であり、株やFXと同じように人間が売買しているのですから、無関係ではないと考える方が常識的です。
ビットコインは、10ヶ月前の最高値から急落を見せ、その後ある局面では100万円超に上昇し、再度100万円を切るといった、大きな上昇と下落を続ける下落トレンドを形成してきました。
その値幅は徐々に縮小されており、現在では典型的な三角持ち合いを形成しているのです。
トム・リー氏の調査では「底打ち」
下落トレンドにおいて三角持ち合いを形成していることから、ビットコインは間もなく底を打つ可能性があります。
このことは、テクニカル分析だけではなく、ビットコイン価格に度々強気の姿勢を見せている、トム・リー氏の調査も裏付けと考えることができます。
トム・リー氏は、これまでもビットコインに強気な見解を示し続けてきました。
2017年9月、トム・リー氏はビットコインが2022年までに2万5000ドルになるという強気の予測を出しています。
その数ヶ月後には2万ドルを超える上昇を見せたことから、トム・リー氏の予測には多くの投資家が注目しています。
そのトム・リー氏は、9月30日から10月2日にかけて、自身のツイッター(フォロワー数は約5万8000人)でアンケートを行っています。
アンケートは6つ実施されており、その内容と結果は以下の通りです。
[surfing_su_box_ex title=”1、仮想通貨相場を最も左右する要素は?” style=”noise”]
中央銀行・・・35%
新興市場・・・28%
米ドル・・・18%
地政学・・・19%[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”2、経済が低迷している時に仮想通貨は上昇するか?” style=”noise”]
上昇する・・・59%
上昇しない・・・41%[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”3、ビットコインはいつ底を打つと思う?” style=”noise”]
2018年末まで・・・24%
2019年3月・・・18%
2019年下半期・・・14%
既に底を打っている・・・44%[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”4、2019年末のビットコイン価格はどうなっている?” style=”noise”]
6999ドル以下・・・14%
7000~1万ドル・・・20%
1万~1.5万ドル・・・26%
1.5万ドル以上・・・40%[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”5、今後1年間で最も上昇する仮想通貨は?” style=”noise”]
ビットコイン・・・31%
イーサリアム・・・15%
イオス・・・8%
リップル・・・46%[/surfing_su_box_ex]
[surfing_su_box_ex title=”6、投資理論に当てはまらない仮想通貨は?” style=”noise”]
ビットコイン・・・17%
リップル・・・31%
トロン・・・32%
イーサリアムクラシック・・・20%[/surfing_su_box_ex]
以上のアンケート結果で注目すべきことは、
[surfing_su_list_ex icon=”icon: check-circle-o” icon_color=”#0e0ea2″]
- 中央銀行の動きが最重要視されている
- 約半数の人が、ビットコインは既に底を打ったとみている
- ビットコイン価格は2019年末までに1.5万ドル以上になることが期待されている
- ビットコインが投資理論に合わないという意見が少数である
ことでしょう。
ただし、ビットコインが投資理論に当てはまらないという意見は少ないものの、必ずしもビットコインが投資理論に合うことの裏返しとは限りません。
4択の中でビットコインよりも他の仮想通貨を選択した人が多いだけという可能性もあります。
しかし、選択肢となった仮想通貨の中においては、最も「投資理論に合わなくはない」とい考えられていることは間違いありません。
これも、三角持ち合いでセオリー通りの値動きをする可能性があると考える根拠の一つになるでしょう。
また、多くの人がビットコインは底打ちしたとみており、2019年末までに1.5万ドル以上になるとみている人が多いことは、かなり注目すべき結果だと言えます。
現在、中国やインドの中央銀行を除けば、世界の主要な中央銀行は仮想通貨に対して慎重な姿勢を見せています。
ネガティブあるいはポジティブな方向へと大きく動く気配はないため、中央銀行というマクロな要素による影響はそれほど警戒する必要がないでしょう。
したがって、マクロな要素によって大きな影響を受けることなく、ビットコイン相場がこのままの流れで進んでいくならば、ビットコインは三角持ち合いの中で底を打っており、2019年末にかけてじわじわと上昇してくると予測することができます。
なお、アンケートの一つにおいて、経済低迷期に仮想通貨が上昇するという意見が過半数を占めています。
しかし、仮想通貨市場は経済低迷期を経験したことがないため、これは参考とするに足りません。
ナイジェル・グリーン氏の意見
このほかに注目すべき意見として、先日マルタで開催されたDELTAサミットにおける、ナイジェル・グリーン氏の発言あります。
同氏は金融コンサルタント企業であるdeVere GroupのCEOを務める人物です。
ナイジェル・グリーン氏は、ビットコイン市場は今後加速度的に拡大していくと予測し、以下のように発言しています。
ビットコインを始めとした仮想通貨は、現在ブレークアウト寸前の状況にある。
FOMO(Fear Of Missing Outの略。
見逃すことへの恐れ。
ここでは「仮想通貨投資の好機を見逃して儲け損なうことへの恐れ」)によってブレークアウトが起こると思っている。
仮想通貨市場は拡大を続けており、金融業界はもちろんのこと、色々な業界が取り入れ始めている。
仮想通貨を取り入れている機関の間では、仮想通貨を手放すと他の機関に置き去りにされるという感覚が広がってきている。
ビットコイン価格は、昨年ほどの急騰を見せることはないかもしれないが、ビットコイン市場に資金は流れ続けるだろう。
個人投資家の間でも、仮想通貨がお金の未来の形だという認識が広まり、仮想通貨への興味は高まっている。
したがって、2018年末にかけて価格が上昇しても何ら不思議ではない。
ナイジェル・グリーン氏の発言の通り、2018年の1年間で、仮想通貨の知名度は色々な意味で高まりました。
約1年前でさえ、仮想通貨が上昇を始めた時、FOMOによって価格は押し上げられ、急激な上昇を招きました。
仮想通貨に関心を寄せる人が増えている今、仮想通貨市場に上昇の兆しが見えた時、より強力なFOMOによって上昇するかもしれません。
なお、ナイジェル・グリーン氏の発言では、仮想通貨市場がFOMOによって価格上昇を始めるのは、2019年1月と予想しているようです。
このような専門家の意見と、現在のビットコイン価格における三角持ち合いの状況、そしてトム・リー氏のアンケート結果などを総合的に考えてみると、ビットコインがいよいよ上昇に転じると考えてもなんら不自然ではありません。
まとめ
2018年の間、下落を続けてきたビットコインに対して、いつ投資すべきかと悩んでいた投資家も多いのではないかと思います。
そんな中、チャートの形状、アンケートにおける大衆の見解、著名な人物の意見など複数の観点から、ビットコインがそろそろ上昇していくかもしれないという兆しが見えてきました。
投資するにあたって、無計画に投資するよりは、投資すべきと考えられる何らかの根拠があった上で投資したほうがはるかに安全です。
それにより、慎重な投資が可能となりますし、短期的な値動きによって売買してしまう失敗も少なくなります。
そのような判断の参考として、本稿がお役に立てば幸いです。