2017年、ビットコインのハードフォークによって、ビットコインキャッシュとビットコインゴールドが生まれました。
近い将来、ビットコインは新たに6件のハードフォークが予定されています。
ハードフォークの乱立と言ってもいい状況です。
この状況は仮想通貨投資をするうえで最低限知っておくべき内容ですので、ここで確認しておきたいと思います。
ビットコインゴールドがリプレイアタック対策で価値上昇
最近、ビットコインのハードフォークが増えています。
8月にビットコインキャッシュが誕生してから、10月にはビットコインゴールドが誕生し、12月以降にも6件程度のハードフォークが予定されています。
これまでのハードフォークを見てみると、最初はあまり信頼されず、価格も安定していなかったものの、徐々に価値を高めている様子が見受けられます。
ビットコインキャッシュはここ一月で高騰していますし、ビットコインゴールドの価格も上昇してきています。
ビットコインキャッシュに関しては、既に別の記事で詳しく見ているので、ここではビットコインゴールドについて見ておくことにします。
ビットコインゴールドは、11月21日、一気に価格が3倍以上にまで上昇しました。
これは、ビットコインゴールドで問題とされていたリプレイアタックに対し、対策が完了したことが背景となっています。
ようやく対策がなされたことで、世界最大手の取引所であるbittrex(ビットレックス)での取り扱いが発表されたり、ハードウェアウォレットであるTrezor(トレザー)が対応したことで、ビットコインゴールドの不透明さが解消されました。
今後も、世界の取引所でビットコインゴールドの取り扱いが開始される可能性が高まったことで、価格の上昇が期待され、投資家の買いが急増したわけです。
11月24日には、韓国最大の取引所であるBithumbに上場したことで、価格がさらに急騰しています。
韓国の取引所では、日本円で14万円程度で取引されており、世界の取引所の約3倍の価格になっています。
以下に紹介する通り、ビットコインのハードフォークが乱立しており、どれが信頼に足るものなのか、不透明な状態です。
それだけに、ビットコインゴールドが決済手段として普及するかどうかに注目が集まっています。
乱立するハードフォーク
ビットコインのハードフォークは、今後も続きそうで12月以降には6件のハードフォークが予定されているのです。
ビットコインキャッシュが生まれる時には、ビットコインが分裂して価値が下がるのでは?など憶測が飛び交いかなり騒がれましたが、最近では投資家も慣れてきたのか、市場の反応も薄いように感じます。
ビットコインキャッシュやビットコインゴールドの値上がりを見てみると、ビットコインハードフォークによって新通貨が付与されることは、非常に嬉しいことのようにも思えます。
今回も、6件のハードフォークが実施され、ビットコイン保有者にそれらが付与され、付与された新通貨がそれぞれ高騰してくれれば、かなりの利益をもたらしてくれることでしょう。
ただし、ビットコインを持っているだけでそこから新たに生まれた通貨を受け取ることができ、何もせずに利益を受け取ることができるという現象が頻発すると、未だ仮想通貨を理解していない人にとっては不思議な現象に感じることでしょう。
仮想通貨が不安定な印象にもつながり、普及に水を差す結果につながるのではないかとも思えます。
ハードフォークによって生まれたビットコインキャッシュがビットコインに取って代わるなどと言われていますし、そもそもハードフォークによって生まれる新通貨は、ビットコインよりも優れた特徴を持っていたりします。
だとすれば、元祖ビットコインの価値は相対的に薄まっていくのではないか、という印象にもなります。
一部の意見では、資産を増やすためにハードフォーク自体が目的になりつつあるとも言われています。
確かに、ハードフォーク自体は難しいことではありませんし、それによって資産を増やすことができるならば、ハードフォークが乱立するのも納得できます。
しかし、ハードフォークをすれば儲かるという理由によってハードフォークが乱立し、投機目的で資金が動くという現象が起きれば、仮想通貨の値動きは不安定になります。
また、盛り上がりすぎた投機というものは、得てして崩壊するものですから、手放しに喜ぶこともできない気がします。
とはいえ、ハードフォークはビットコイン保有者にとって、魅力的なものだといえるでしょう。
単にビットコインを持ち続けるだけで、他の投資よりもかなり高い利回りで資産を増やすことができるわけですから。
1BTC=30万円の頃にビットコインを1枚購入し、1BCHの配布を受け、それが4ヶ月後に20万円に高騰した時に売ったならばどうでしょうか。
ビットコインの値上がりは考慮しないとして、30万円が4ヶ月で50万円になるのですから、年利362%になります。
他の投資では、とても考えられない利回りになるのです。
ビットコイン自体の値上がりも考慮すれば、もっと高い利回りになることは言うまでもありません。
ここでは、ハードフォークの是非を一概に断じることはできません。
不安定さを感じるものの、投機対象としては非常に魅力的だからです。
したがって、ともかく近日中に起こるハードフォークの事実を淡々と捉え、投資対象として検討するスタンスでいれば良いでしょう。
今後予定されているハードフォーク
Bitcoin Diamond(ビットコイン・ダイヤモンド)
ビットコイン・ダイヤモンド(BTD)は、最も近くに予定されているフォークです。
ビットコインのブロック数が495866に到達した時、すなわち11月25日頃に予定されています。
公式サイトで発表されているスペックによれば、ビットコイン・ダイヤモンドのブロックサイズはビットコインキャッシュと同じ8MBであり、ビットコインの8倍とされています。
このため、送金が遅延するリスクが低いとされています。
また、リプレイアタックの対策も問題ないようです。
ビットコインの機能を維持しつつ、ビットコインの問題を解決するように努めたことが特徴であると考えれば良いでしょう。
ビットコイン・ダイヤモンドは、1BTCに対して10BTDの付与が予定されています。
※ビットコインダイヤモンドは既にハードフォークが完了しています。
ちなみにBinance(バイナンス)取引所ではビットコインダイヤモンドを即座に付与し、売買取引が可能となり、1BCDあたり8000円程度の利益、つまり、1BTCあたり10BCDの付与ですから、8万円程度の利益を確保できたようです。
今後のハードフォークに備えてバイナンスの口座は開設しておいた方が良いかもしれないですね。
バイナンスの口座開設方法は下記の記事で分かり易く説明していますので、参考にしてみてください。
6件のうち、以下の5件はそれほど情報も出回っておらず、本当に誕生するのかどうか、まだ明確ではないので、分かっている範囲のことをごく簡単に見ておきましょう。
Bitcoin Cash Plus(ビットコイン・キャッシュ・プラス)
ビットコイン・キャッシュ・プラスは、ブロック数が501407に達した時に予定されているフォークであり、2018年の1月くらいだと思っておけば良いでしょう。
ビットコイン・ゴールドと同じアルゴリズムであること、ブロックサイズが8MBであることなどが明らかにされています。
Bitcoin Silver(ビットコイン・シルバー)
ビットコイン・シルバーへのフォークは、12月中に予定されています。
マイニングアルゴリズムにはEquihashを採用すること、リプレイアタック対策済みであること、透明性が確保されていることなどが分かっています。
Super Bitcoin(スーパー・ビットコイン)
スーパー・ビットコインは、ブロック数が498888に達した時にフォークが予定されており、12月17日前後になるとされています。
ジーキャッシュ、ライトコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュのいいとこどりをした通貨とされており、ゼロ知識証明、ライトニングネットワーク、スマートコントラクト、ブロック容量8MBという特徴を持っているとされています。
Bitcoin Plutinum(ビットコイン・プラチナ)
ビットコイン・プラチナは、12月10日にフォークが予定されています。
ビットコインとビットコインゴールド、Segwit2xの特徴を持つように設計されているそうです。
※ビットコイン・プラチナはブロック数498533でのハードフォークを延期し、ブロック数500000でのフォーク予定となりました。
Bitcoin Uranium(ビットコイン・ウラニウム)
ビットコイン・ウラニウムは、12月31日にフォークが予定されています。
詳しい内容は、まだ明らかにされていません。
まとめ
ビットコインのハードフォークが乱立しています。
これによって、思わぬ利益を得られる可能性があると同時に、あまりにも簡単に儲かってしまうことに、やや不安も感じます。
実態が分からない怪しいハードフォークの存在が指摘されることもあるので、注意深く動向を見守りたいところです。
とはいえ現状では、ハードフォークによって何もせずに利益を得られるということに注目が集まっていますし、ハードフォークの乱立によって、具体的な問題も見られません。
したがって、ビットコインを売ってしまって新通貨の付与を得られなくなるよりも、ビットコインの保有を続け、新通貨の付与を受け、利益を得ていく方が得策といえるでしょう。