JVCEAも注意を喚起。ビットコインキャッシュハードフォークに備える

ビットコインキャッシュ(BCH)

11月15日、ビットコインキャッシュのハードフォークが予定されています。

大きな問題を抱えており、様々な憶測が飛び交っていますが、10月24日に金融庁から正式な認定を受けたJVCEAでも、このハードフォークに対して注意を喚起しています。

本稿では、JVCEAの発表した内容と、ビットコインキャッシュのハードフォークへの対応について解説していきます。

JVCEAがビットコインキャッシュのハードフォークに言及

今年4月に、仮想通貨業界の健全な発展のために、日本仮想通貨交換業協会(以下、JVCEA)が発足しました。

これが、金融庁によって正式に認定資金決済事業者協会に認定されたのが、今年10月24日のことです。

発足から認定に至るまでの間、JVCEAは自主規制方針を打ち出すことはありましたが、投資家に具体的な影響をもたらす動きはそれほど見られませんでした。

投資家に対して注意を喚起することもありませんでした。

しかし、11月13日のニュースにおいて、投資家に注意喚起を行っています。

11月15日に、ビットコインキャッシュはハードフォークを控えており、色々な問題が指摘されていたり、ブロックチェーンが分岐した後に混乱を招く可能性もあります。

そのためJVCEAでは、取引所が一時的にサービスを停止する可能性があることを事前に通知しているのです。

 

 

JVCEAの注意喚起

具体的には、以下のような発表となっています。

 

“#fff”]【注意喚起】ビットコインキャッシュ(BCC、BCH)ご利用者の方へ

2018年11月15日(木)前後に、ビットコインキャッシのネットワークに係る大規模アップグレードが計画されています。

これに伴い、ビットコインキャッシュのブロックチェーンが分岐し、一時的に移転記録の正常な運用に支障が生ずるおそれがあります。

 

このため、当協会の会員である仮想通貨交換業者は、この大規模アップグレード予定時刻に先立ち、ビットコインキャッシュの引出し及び預入れを一時停止するなどの措置を講じる場合があります。

仮想通貨交換サービスの利用者におかれましては、本件に関する会員等の発信情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

なお、ご自身のウォレットでビットコインキャッシュを保管されているご利用者におかれましても、ブロックチェーンが分岐した場合には一時的に移転記録の正常な運用に支障が生ずるおそれがありますのでご注意ください。

 

 

通貨が分裂したらどうなるか?

上記の通り、JVCEAは先月24日に認定団体になったばかりです。

この認定を受けたことによって、JVCEAは会員である業者に自主規制案を施行することが可能となっています。

認定以降、このような注意喚起がすぐに始まっており、10月30日にも協会の登録業者の名前を騙ったICOの募集が行われていることに対し、注意を促しています。

今回の注意喚起は、特定の仮想通貨の動向に関して注意喚起を行うものであり、このような内容の声明は初めて出されるものです。

 

新通貨が生まれたときどうなる?

以前公表された自主規制案の中には、仮想通貨の取り扱いに関するルールも含まれており、

 

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  • マネーロンダリングやテロ資金供与の問題が解決されない限り、匿名通貨の取り扱いを禁止すること
  • 新しい仮想通貨の取り扱いを始める際には厳重な審査を行い、協会が異議を述べた場合には取り扱いを不可とすること

 

などが発表されました。

ここで重要なことは、新しい仮想通貨の取り扱いに慎重になっていることです。

ビットコインキャッシュのブロックチェーンが分裂し、新しい仮想通貨が誕生した場合、現在ビットコインキャッシュを保有している投資家は、新しい仮想通貨の付与を受けることになります。

しかし、日本の取引所は改正資金決済法などの法律に縛られています。

ハードフォークによって生まれた新通貨は金融庁のホワイトリストに登録されていないため、取引所がすぐに取り扱いを開始することは難しい状況です。

さらに、新しい仮想通貨の取り扱いにJVCEAは慎重になっているため、何らかの形で新通貨の付与が受けられたとしても、それを取引できない期間が生まれる可能性も考えられます。

 

ハードフォークそのものに問題がある

特に、今回のビットコインキャッシュのハードフォークには問題が多くみられます。

ハードフォークによってブロックチェーンが分岐する際には、分岐後のそれぞれのブロックチェーンを明確に区別するために、リプレイプロテクションを実装する必要があります。

ビットコインキャッシュは、Bitcoin ABCとBitcoin SVに分かれて対立していますが、リプレイプロテクションが双方のブロックチェーンに実装されていない状況です。

つまり、双方のブロックチェーンを区別する仕組みがないため、それでも強引に分岐したならば、ネットワーク上に区別のつかない二つのブロックチェーンが存在することになります。

そうなれば、様々な混乱が生じることが予測されます。

取引所としては混乱した状況での取り扱いに窮するため、とりあえず取り扱いを停止させる可能性が高いです。

混乱の中でビットコインキャッシュの価格は乱高下する可能性が高いですが、取引できないため対策のしようがないという状況も考えられます。

 

 

今後の判断はどうする?

このような問題がある中で、JVCEAも何らかの対応が必要だったものと思います。

そこで、ともかく混乱が生じたり、取引所の取引が停止したりする可能性があることを知らせて注意を促すこととなりました。

ビットコインキャッシュのハードフォークは、日本時間の深夜1時40分頃に予定されています。

JVCEAや各取引所は、その結果次第でどのように対応していくかを打ち出すとしています。

ハードフォーク前後には取引を控えるように促す取引所も多く、とにかく慎重に動いてほしいと言うほかないのでしょう。

慎重に動けと言われても、どのようにすればよいのか、ただじっと見ていればいいのかなど、具体的にどうすべきかわかりません。

しかし、具体的なことはなにも言えない状況です。

リスク回避を重視するならば、ハードフォークの2週間ほど前に価格が上昇したタイミングで売りぬき、ハードフォークにあたってのリスクは取らないようにするべきでしょうが、ハードフォーク直前の今となってはそれも難しい状況です。

ビットコインキャッシュを保有している人は、ハードフォークの動きに注目し、JVCEAや各取引所の発表や対応を踏まえて判断していく必要があるでしょう。

 

まとめ

これまでも、通貨が分裂する際にいろいろな憶測が飛び交うことはありましたが、今回のビットコインキャッシュのハードフォークは大きな問題をはらんでおり、久々に市場を混乱に巻き込みそうなニオイがします。

JVCEAも注意を喚起している通り、ハードフォーク後に市場が乱高下したり、取引に支障をきたしたりする可能性があります。

そこで慌てて動くことで損失を招く可能性もあれば、ぼんやりしていると損失につながる可能性もあり、とかく乱高下の相場というのは損失につながりやすいものです。

最善の判断をするためにも、ハードフォーク前後はしっかりと動静を見守っていく必要があるでしょう。

当サイトでも、重要な続報があればまとめていきたいと思います。

 

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