ETHのアップデート「コンスタンティノープル」結局いつ?

イーサリアム(ETH)

イーサリアムにおいて、当初10月に予定されていたコンスタンティノープルへのアップデートは、10月9日から10月14日へ、それから11月以内あるいは年内、そして来年1月16日への延期が発表されています。

延期に次ぐ延期となっていますが、本稿では延期が続いている背景と、会合の内容について解説していきます。

延期延期また延期

先日、当サイトでイーサリアムのアップデートを取り上げました。

このアップデートは「コンスタンティノープル」と呼ばれるものであり、大型アップデートとして非常に大きな注目を集めています。

コンスタンティノープルでは、技術的なアップグレードによって処理が効率化されること、マイニング報酬が変更されること、スケーリング問題の解決を図ることなど、かなり大がかりなものになるようで、期待と注目を集めています。

当初、10月9日が予定されていましたが、コンスタンティノープルのアップグレードの一部に脆弱性が発見されたため、その対処のために延期が発表されました。

その発表の時点では10月14日への延期とされましたが、それもさらに延期となり、11月には間に合う、少なくとも年内には完了すると明言されていました。

小さな延期を何度も繰り返したのち、「年内には」との発表であったため、年内のアップデートが期待されていたのですが、これもさらに延期が発表されました。

最新の発表によると、アップデートの予定は2019年1月16日となっています。

 

 

なぜ延期が続いているか?

これほど延期発表を繰り返すならば、もう少し余裕をもたせた計画を発表すればよいのではとも思いますが、なぜこのように延期が続いているのかと言えば、それはアップデートに伴うバグが頻発しているからです。

イーサリアムは2015年にリリースされたものですが、その当時からアップデートを4段階に分けて行うというロードマップを打ち出しています。

コンスタンティノープルはその3段階目にあたり、パフォーマンスの向上のために多くの設計変更が行われます。

多くの変更を加えるからこそ、予期せぬバグも起こってしまい、その対応のために延期を余儀なくされているということでしょう。

逆に言えば、それだけ多くのバグを招くほどの設計変更が行われているということであり、アップデート完了後にどのようになっているのかが楽しみなところでもあります。

公表されているところでは、動作が停止するというバグが起こっているようです。

アップデートの試験を実施したところ、コンスタンティノープル実装の条件である4,230,000番目のブロックの1個手前にあたる4,229,999番目のブロックで動作が停止し、処理ができなくなってしまうとのことです。

このバグが発生したことにより、年内のアップデートは不可能との発表がなされました。

 

さらなる延期も

ただし、1月16日に予定されているとはいえ、さらに延期される可能性も十分にあります。

この予定は、あくまでもイーサリアムの開発者が会合内で、口頭で合意したというだけのものであり、1月16日に確実にアップデートを行うというものではありません。

大規模なアップデートですから、これまでも予期せぬバグが見つかってきたように、新たなバグが見つかって延期となり、より長い期間を要することになるかもしれません。

実際、コア開発者のPeter Szilagy氏は、

 

現段階では、1月半ばであるとだけ言っておく。さらなる延期の可能性もある。

 

と明言しています。

 

 

ディフィカルボムへの言及も

なお、この会合では、コンスタンティノープルの延期が話し合われただけではなく、ディフィカルティボムについても話し合われています。

 

ディフィカルティボムとは

「ディフィカルティボム」の「ディフィカルティ」とは、ブロックチェーンにおけるブロックの生成のための難易度設定のことです。

つまりマイニング難易度のことであり、ディフィカルティが高ければマイニング難易度は高くなるわけですが、イーサリアムのブロックチェーンではブロックごとにディフィカルティが変わる仕組みとなっています。

なぜディフィカルティが必要になるのかと言えば、ブロックの生成速度を一定に保つためです。

もし、スピーディにマイニングを行えるマイナーがいれば、それによってブロックが次々に処理され、マイニング報酬として新規発行されるトークンが短時間のうちに流出し、通貨の価値が低下する可能性があります。

そこで、新規発行の間隔を一定に保つために、イーサリアムならばブロック生成時間を約15秒に保ち続けるために、ディフィカルティを変動させているのです。

さて、では「ディフィカルティボム」とは何かといえば、マイニング難易度を上げることです。

ディフィカルティを爆発的に上げるといったところでしょうか。

これはイーサリアムのハードフォークを実施した際に、マイニングルールも一新するためのものです。

イーサリアムのロードマップでは、三段階目にあたるコンスタンティノープルの後、最終段階にあたるセレニティを予定しています。

セレニティによって、イーサリアムのシステムはPoW(膨大な計算処理を最初に完了させたマイナーが報酬を得る方式)からPoS(通貨の保有量に応じてマイニング成功率が変動する方式)に完全に移行するとしています。

PoSに移行するためには、PoWという古い方式でマイニングが可能であるシステムは捨ててしまう必要があります。

もし、PoSでもPoWでもマイニング可能な環境になれば、PoWで稼ぎたいマイナーはPoWでマイニング可能な旧ブロックチェーンでマイニングを行い、PoSで稼ぎたいマイナーはPoSでマイニング可能な新ブロックチェーンでマイニングを行い、ブロックチェーンが分岐して通貨の分裂してしまうかもしれません。

そこで、ディフィカルボムによってマイニング難易度を上げることで、PoW方式のように、電力やマシンパワー頼みのマイニングを不可能とすることで、PoSへの完全移行を目指そうというわけです。

 

 

ディフィカルティボムの必要性は開発者の共通認識

ディフィカルティについて、今回の会合でも話し合いが行われています。

ディフィカルティボムによって、イーサリアムのマイニング難易度は上がり、ブロックの生成時間は30秒に到達するほか、1ブロック当たりのマイニング報酬も3ETHから2ETHへと減少するとされています。

これまで度々話題になってきたディフィカルティボムですが、今回の会合においても再度触れられていることから、開発者たちの間では重要課題として認識されていることがうかがえます。

まとめ

コンスタンティノープルの実施が、延期に次ぐ延期となっています。来年1月のアップデートについても、仮の予定といった雰囲気があり、このタイミングでの実施に過度な期待は持てません。

しかし、度重なる延期を強いられていることからも、大規模な設計変更が行われている様子が分かります。

アップデートがどうなっていくかに期待しつつ、気長に待ちたいものです。

 

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