仮想通貨取引所のコインチェックが取り扱っている、Augur(オーガー)という通貨がありますが、どのような通貨なのでしょうか。
Augur(オーガー)の魅力を徹底解説します。
はじめに
コインチェックは日本の仮想通貨取引所の一つでその特徴は取り扱っている仮想通貨の種類の豊富さにあります。
ビットフライヤーやZaif(ザイフ)などその他日本の主要な仮想通貨取引所と比べても、ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインの取扱実績は群を抜いています。
そこで、本稿では、コインチェックの取扱通貨の一つであるAugur(オーガー)について、解説していきたいと思います。
賭け市場とオーガー
日本国内では、賭博行為への規制が厳しく、賭け市場は行われていません。
しかし、これは欧米では非常に盛んな市場であり、オンラインの賭け市場も日常的に行われています。
賭け屋のことをブックメーカーと言います。
オーガーは、ブックメーカーの仕組みにブロックチェーンを応用したプラットフォームです。
すなわち、「オーガー」という表現は、厳密にはプラットフォームそのものの呼び名であり、オーガーで使われる仮想通貨の名称を「リピテーション(単位REP)」と呼びます。
「オーガー」と表現される場合には、プラットフォームそのものを指すのではなく、リピテーションを指している場合もあると覚えておいてください。
これは、イーサリアムが、厳密にはプラットフォームの呼び名であり、通貨名は「イーサ」であることと同じ関係です。
さて、世の中には様々な賭け行為があります。
日本では規制が厳しく、宝くじ、競馬・競輪・競艇、パチスロ、サッカーのtotoくらいしかありません。
しかし、欧米では非常に人気が高い娯楽であり、あらゆるものが賭けの対象となっています。
そもそも「賭け」というのは、特定の結果に対して、その結果になると予測されるものに賭けることを言うのですが、そういう定義で考えると、賭け行為は日常にあふれています。
競馬や競輪、宝くじやパチスロだけではなく、株式市場にしてもFXにしても、値上がりまたは値下がりにベットしているのですから、賭けと言えなくもありません(投資家は、分析に基づいてお金を投じているのだから、それはギャンブルではなく投資である、といいますが・・・)。
ブックメーカーでは、あらゆることを賭けの対象にしています。
サッカー、ボクシング、オリンピック競技といったスポーツだけではなく、アカデミー賞やノーベル賞の授賞者、大統領選挙の結果などに至るまで、勝敗が付くものならば何でも賭けの対象としている感があります。
このように、ブックメーカーが開く賭け市場で、現金で賭けるのではなく、仮想通貨でやり取りしようというのがオーガーのコンセプトなのです。
オーガーのメリット
では、オーガーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
最大のメリットは、透明性が高いということです。
これまで、賭け事につきまとってきた忌まわしいイメージとして、「胴元が不正をして稼いでいる」というものがありました。
支払いをきちんと行わない、胴元の取り分を多くするなどが代表的な不正ですが、取引が全体的にブラックボックスなので、不正が行われているかどうかを確認する手段がありませんでした。
例えば、日本中央競馬会は、賭け金に対する取り分が25%と決まっていますが、本当に75%が配当に回っているのか、確認する手段がないのです。
そこで、オーガーを使ったならばどうでしょうか。オーガーもブロックチェーンを用いた仮想通貨であり、ブロックチェーンはすべての取引記録が確実に残ります。
そのため、誰がいくら入金したか(いくら賭けたか)、いくら支払われたか(配当金がいくらだったか)などということが、調べればすぐにわかります。
このように透明性が高いため、胴元は不正を働くことができなくなります。
だからこそ、オーガーが賭け市場に適していると考えられているのです。
このほか、仮想通貨は特定の国に属しておらず、為替手数料がかからないという特徴があります。
例えば、日本の人がイギリスのブックメーカーに賭けようとした時、仮想通貨を使わないならば、円からドルへ、ドルからポンドへ交換して賭けると、為替手数料がかなりかかります。
しかし、仮想通貨を利用すれば、為替手数料は全くかかりません。
そうなれば、賭ける人は為替手数料がかからないだけ多く賭けることができ、ブックメーカーは多く賭けられただけ取り分が多くなるので、どちらにとってもメリットが大きいのです。
ちなみに、日本の法律ではブックメーカーの運営が禁止されていますから、日本国内で賭けられる業者があったとすればその業者は違法ですし、利用するのも違法です。
しかし、外国の法律で許可を受けている、海外の合法のブックメーカーを利用するのは犯罪には当たりません。
今後のオーガー
新しい仮想通貨が登場するとき、資金調達のためにこれから発行される仮想通貨の予約券が売り出されることがあります。
これをICOといいます。
株式市場でも、新規公開株の予約販売でIPOというものがありますが、その仮想通貨版がICOというわけです。
まだ、実際には発行される前に予約券にお金を投じるのですから、実体があるものに対する投資よりも、リスクが高くなるのが普通です。
例えば、ある仮想通貨を新規発行すると言ってICOで売り出し、お金を集め、実際には発行しないという詐欺の可能性もあります。
そのICOが本当の話かどうかということは、仮想通貨に携わるエンジニアや、かなり知識の深い人でなければ見分けることは難しいでしょう。
したがって、ICOの話を聞いたとしても、かなり慎重にならなければなりません。
さて、オーガーも2015年夏のICOが売り出されました。
人気は非常に高く、当初10円で買ったICOがたちまち2000円になったりしましたが、その反面でICOそのものにリスクがあるので、ICOはかなりギャンブル性が高いといえるでしょう。
その後、2016年10月、オーガー内で使う仮想通貨・リピテーションも売り出されました。
取引ができるようになり、値が付いたものの、実際にオーガーを取り入れるブックメーカーがないため、まだまだこれからといった状態です。
また予測市場の仕組み作りという側面から似通っている保険市場への活用も期待されています。
いずれにしても、実際に活用できる市場を見出すことができれば価値は飛躍的に高まるでしょう。
まとめ
欧米のブックメーカーは、国から認められて運営されており、違法性はなく、それどころかスポーツの振興のためなどに重要とされています。
したがって、ブックメーカーがオーガーを実際に取り入れ、オーガーの需要が高まり、価値が上がっていく可能性は今後十分にあると考えられます。
ただし、リスクが高い仮想通貨であることは間違いないため、投資する人は少額取引から始めてみることをお勧めします。