物々交換→通貨→暗号通貨、道のりを知れば、そのすごさがわかる

仮想通貨とは

仮想通貨(厳密には暗号通貨)を言われても、パッとしない部分もあるかと思います。

そこで、通貨がなぜ生まれて、どのように発展してきたかを見ることで、暗号通貨のすごさ、将来性がわかります。

通貨はなぜ生まれ、なぜ暗号化される必要があったのかを見ていきましょう。

はじめに

現在、ビットコインや仮想通貨という単語を当たり前のように耳にするようになりました。

しかし、その誕生の背景を長期にわたってみていると、お金は色々な変化をしてきたことが分かります。

お金は、人類の長い歴史の中で様々な形に変化してきました。

その背景には、利便性の向上だけではなく、セキュリティへの配慮もあったのです。

本稿では、利便性とセキュリティの向上のために、お金がどのように変化し、ビットコインが生まれたのかを解説していきます。

取引とは何か?

従来の一般的な認識では、「お金」というものは「政府が発行する通貨」という意味でした。

もし政府や通貨というものがなかった太古の時代、なにか欲しいものがあれば「交換」というシステムによって手に入れるほかありませんでした。

Aさんが薬を、Bさんが食べ物を欲しいと思っており、Aさんは食べ物を、Bさんは薬を持っていたならば、それを交換することでお互いのニーズを満たすのです。

欲しい 持っている
Aさん 食べ物
Bさん 食べ物

しかし、Aさんが食べ物を持っていて薬が欲しく、Bさんは薬を持っていても食べ物は欲しがっておらず、服が欲しい場合はどうでしょうか。

もちろん、交換は成立しません。

ただし、Cさんが服を持っていて食べ物と交換したいと思っているならば、三者間で交換が成立します。

欲しい 持っている
Aさん 食べ物
Bさん
Cさん 食べ物

この方法には、欠陥があります。

それは、全員のニーズが満たされるためには、その場所に集まる人や交換するものの量など、バランスのとり方が難しいということです。

この問題を解決するために生まれたのが、お金と信用に基づくシステムでした。

上記の交換関係において、信用というものがベースになれば、AさんとBさんは交換が可能となります。

BさんはAさんに薬をあげ、証文を作って貸し付けとするのです。

Aさんは将来、どこかの時点でBさんに借りを返すことになります。

Aさんにとっては、この借りを返すということが新たなニーズになるため、Cさんに出会ったら食べ物を与えて服をもらい、その服をBさんに与えて借りを解消します。

では、現金ベースになったらどうでしょうか。

この場合、AさんはBさんから薬を買うことになります。

その後、AさんはCさんに食べ物を売り、CさんはBさんに服を売り、サイクルが完結します。

信用ベースと現金ベースのシステムは、どちらも一長一短です。

信用ベースでは、もしかしたら貸しを返してもらえないというリスクがありますが、現金は必要ありません。

現金ベースでは、現金の分配が必要になりますが、リスクはありません。

また現金は、お金の存在によって物の価値が明確になるという利点もあるでしょう。

交換ならば価値があいまいですが、現金ならば「薬は1000円、食品は200円」というように、数値化して明確にすることができます。

現代では、現金と信用の両方を混ぜて利用しているのも、価値の明確化のためです。

信用を使う場合でも、借りを解消するために必要となる現金の量で数値化されています。

信用ベースの取引とリスクの変化

さて、前置きが長くなりましたが、正確な理解のためには必要な知識であるため、あえて丁寧に説明しました。

信用と現金は、非常に根本的な考え方です。

様々な決済手法があっても、この二つのどちらかに分類することができます。

ビットコインなどの仮想通貨は、現金の方に分類されます。

では信用に分類される決済には何があるでしょうか。

その代表的なものは、皆さんもよく知っているクレジットカード決済です。

アマゾンなどのネットショップで買う時など、クレジットカード情報を入力して注文すると、アマゾンがその情報を銀行やクレジットカード会社といった仲介企業とやり取りをし、決済に至ります。

一方、電子決済の代表であるPayPalなどは、多少複雑です。

消費者と販売業者の間に仲介業者が入り、仲介業者にクレジットカード情報が送られ、仲介業者が取引を承認し、販売業者に承認を通知します。

そして、仲介業者はその日の営業の最終時点で、販売業者と決済を行ないます。

PayPalの構造のメリットは、販売業者に直接クレジットカード情報を送らなくてよいことです。

販売業者によっては、クレジットカード情報を伝えることでセキュリティリスクが生じますが、PayPalの構造ではそれがなくなります。

販売業者には自分の情報を送る必要はなくなり、プライバシーも守られます。

PayPalが流行した背景には、セキュリティリスクへの対応がありました。

クレジットカード情報は大切な個人情報であり、インターネットがまだ今ほど普及していない時代には、オンラインショップにクレジットカード情報を渡すなどと言うことは、非常に危険な行為であると思われていたのです。

つまり、ここ数十年の間に、セキュリティ面への配慮から、リスクのある様々なシステムが否定されてきたといえます。

ビットコインの誕生の背景にも、この意図は確実に隠れています。

ビットコインは、暗号を元に取引の正当性を識別するものであり、本人の個人情報を用いることがないのです。

暗号化された現金へ

ここまで、信用ベースで見てきましたが、次に現金ベースで見ていきましょう。

現金と信用を比較した時、現金システムには二つのメリットが挙げられます。

それは、匿名性の高さとオフラインで取引ができることです。

クレジットカードで買い物をする場合、クレジットカードは利用者の名義で発行されるものですから、銀行は支出を全て追跡することになります。

これに対し、現金払いならば銀行の出る幕はなく、販売者も消費者の個人情報を知ることがありません。

また、現金払いであれば、取引を第三者に承認してもらう必要がありません。

だからこそ、オフラインでの取引が可能となります。

ビットコインは、このような現金の長所を完全に持っているとは言えませんが、かなり近いと言えるでしょう。

ビットコインで支払いをする時、販売者がその気になれば、取引元帳を解析することで、消費者の識別情報を知ることはできます。

しかし、それでも悪用されるような情報を取得することはできません。

また、ビットコインはインターネット上で流通する通貨ですから、完全にオフラインで機能するわけではありません。

それでも、ブロックチェーンという技術を用いることによって、中央サーバーに紐づけられているものではないため、従来のオンライン決済とは大きく異なります。

ビットコインにこのようなメリットがあるのは、暗号を用いた通貨だからです。

ビットコインの正式名称は「暗号通貨ビットコイン」であることからもわかる通り、暗号化して現金と同等の価値を持たせ、流通させています。

だからこそ、クレジットカードのように、個人情報を渡し、セキュリティリスクを負いながら利用する必要はありません。

また、従来のオンライン決済とは異なり、ブロックチェーンによって取引情報を確定させていくため、この点でもセキュリティ性は高いといえるでしょう。

まとめ

今後も、通貨は様々な形に進化していくでしょうし、決して仮想通貨が最終形態とは言えないでしょう。

しかし、現段階ではビットコインが最も先進的な通貨の形であり、利便性やセキュリティ性も最も高い通貨であるといえるでしょう。

結果として、一般消費者が国内外で手軽にビットコイン決済を利用する未来はすぐ目の前に迫っているといっても過言ではありません。

 

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