4月2日から4日にかけて、主要仮想通貨が軒並み大きな上昇を見せたことで、いよいよ上昇トレンドへの展開が期待できる様子となってきました。
今回の上昇は一時的なものであるのか、今後も上昇は期待できるのか、投資判断に迷っている人も多いはずです。
そこで本稿では、今回の急騰の背景や専門家の見解から、今後の展開を探っていきたいと思います。
ビットコインと主要アルトコインの高騰
4月2日昼から4月4日早朝にかけて、ビットコインと主要アルトコインの価格は軒並み大きく上昇となりました。
ビットコインの値動きを取り上げてみると、その様子がよくわかります。
4月1日までは45~46万円で推移していたものが、4月2日の13~15時にかけて46万円台から52万円台へと急騰、その後は上下を繰り化しつつも着実に上昇を続け、4日6時には一時59万円を超える上昇となりました。
そこからは売りに押されたか急落を見せ、4日17時現在は55~56万円を推移しています。
過去の最高値との比較ではまだまだ70%以上の下落率となっており、1年前の今日との比較でも約30%の下落であり、まだまだ値を戻しきったとは言えません。
それでも、1か月前比較では30%以上も値を戻しているのですから、この2日間でかなりの急騰になったと言えるでしょう。
なお、主要アルトコインの値動きも頼もしく、イーサリアム、リップル、ネム、ライトコインなど軒並み大幅に上昇、特に3日の値動きは軽快で、多くの通貨が20%以上の上昇を見せました。
特に目覚ましい動きを見せたのがビットコインキャッシュです。
ビットコインキャッシュは、去年のコミュニティ分裂に伴うハッシュ戦争の引き金となったことで、大きく値下がりしていました。
しかし、4月1日時点では1.8万円台で推移していたものが、主要仮想通貨の中で最も大きな動きを見せ、4日6時には3.8万円超えとなりました。
直近の1ヶ月で150%弱、直近の1週間では80%弱の値上がりとなっているのですから、まさに暴騰であったと言えます。
急騰の背景
以上のような急騰は、これまでの仮想通貨市場でもあまり見られなかったレベルでの値上がりであり、「ついに弱気相場から転換するか」と大きな盛り上がりを見せています。
どのような理由から、このような急騰につながったのか明らかになっていませんが、少なくとも今回の値動きは、常のごとくビットコインが主導したものと考えてよいでしょう。
そして、ビットコインの急騰に関する専門家や関係筋の見解を調べてみると、クジラ動きや小規模投資家の動きによって、今回の値動きにつながったとする見解が目立ちます。
クジラの動き
ビットコインの大口投資家を「クジラ」と言いますが、今回の値動きにクジラの影響を指摘する声が挙がっています。
今回の値動きが始まる以前、コインベース、クラーケン、ビットスタンプといった大手仮想通貨取引所では、約20000BTCという大口の取引が確認されています。
この取引を察知したことにより、投資家からの買い注文が殺到したことによって、今回の上昇が引き起こされた可能性があります。
出来高が急増したときには、大きな価格の変動が起きるのが普通です。
出来高が急増している、取引の成約が急増しているということは、買いたいと考える人が多いからこそ多くの成約に結び付くのであって、これが値上がりを引き起こすのは自然な流れです。
小規模投資家の動き
今回の高騰の数週間前から、ビットコインウォレットのアクティビティが大幅な活発化を見せており、これを小規模投資家の活発化であるとする見解があります。
これは、マーケット情報企業のFlipsideの設立者である、フィリップ・ストーン氏の見解です。
これまでの統計では、ビットコインの40~50%が休眠ウォレット(1ヶ月以上使用されていないウォレット)に保管されてきましたが、それが3月15日以降に急速に減少しており、数日のうちに休眠ウォレットの比率が10%程度まで低下しています。
ビットコインを大量に保有している、クジラを含む一部投資家の動きが活発化した可能性もありますが、ストーン氏の見解によれば、このようなウォレットの動きはクジラの動きとは性質の異なるものであり、小規模投資家の動きによるものとしています。
クジラの動きと同様に、小規模投資家の動きも市場に大きな影響を与えます。
以上の見解が正確かどうかは分かりませんが、クジラと小規模投資家の両面から価格上昇につながる動きがあるとすれば、今後も力強い値動きが期待できるでしょう。
ビットコインは買い優勢
このような影響を受け、10万BTC以上のショートポジションがロスカットされたことが確認(大手仮想通貨取引所のBitmexのデータ)されています。
これも今回の踏み上げにつながったとみてよいでしょう。
ビットコインの急騰が始まったことにより、ビットコインにおけるロング・ショート比率でもロング(買い)優勢となっています。
テクニカルでも良い示唆
このほか、テクニカルでも様々な良いシグナルが確認されています。
ビットコインでは、今回の急騰によって、2018年から長期にわたって続いてきた下落トレンドの上値抵抗線を上抜けています。
これにより、上昇トレンドへの転換が期待されます。
また、週足のMACDでは、2月11日にゴールデンクロスを形成しており、それ以降、ビットコイン価格の下値が順調に上昇してきたこと、そして今回の急騰につながったことから、このシグナルは騙しではなかった可能性が高まります。
このように、チャートの形状が良いことも、今後の期待につながります。
トレンド転換は6000ドル
今回の急騰が一時的なものであるか、それともこれをきっかけにいよいよ上昇へ転じるかについて、まずは現時点の価格帯である55万円前後で安定推移するかどうかが目安となるでしょう。
この価格を維持できずに値下がりすれば、今回の急騰から上昇トレンドの形成を期待して購入した勢力が売りに走り、再び低迷する可能性もあります。
しかし、この価格を維持し、徐々に上昇していけば、さらに買い注文が集まりやすくなり、上昇の後押しとなるでしょう。
今回、長期トレンドラインを上抜けることで注目が集まっていますが、次なる注目のポイントは6000ドルでしょう。
これは、ビットコインキャッシュのハッシュ戦争によって、仮想通貨市場が暴落した時期の価格帯であり、ここを超えることができれば上昇トレンドへの転換の可能性が大きく高まると思われます。
このほか、これまでレジスタンスラインとして機能してきた長期トレンドラインを上抜けたことで、今後はこのラインがサポートラインとして機能するかどうかによっても、今後の展開が変わってくるはずです。
専門家のコメント
仮想通貨市場の急騰に伴い、仮想通貨業界の著名人・専門家の声をてみても、今後も値上がりを続けるとの見方が強いようです。
ナイジェル・グリーン(金融コンサルタント企業・ディーヴァーグループのCEO)
「仮想通貨市場は底打ちとなり、長い冬がようやく終わりを迎えた。
ビットコインは、今後数ヶ月をかけて上昇していくだろう。
数か月以内に、ビットコイン価格は7000ドルに到達するだろう。」
ブライアン・ケリー(仮想通貨ファンド・BKMCのCEO)
「市場心理は確実に動いている。
我が社のファンダメンタルズ・テクニカル・定量分析などの結果、すべての指標が底打ちを示している。
富裕層など、大量の資金を有する人々の、仮想通貨に対する関心が高まっている。
次にポイントとなる価格は6000ドルだ。また、6800ドル付近までは過大評価ではない。」
まとめ
主要仮想通貨が大きく上昇したことで、いよいよ仮想通貨が再び盛り上がる可能性が見えてきました。
以前、仮想通貨市場が暴騰と暴落を見せたとき、もう仮想通貨には期待できないとする意見も多々見られました。
しかし、本来ならば仮想通貨は実用の便を想定して作られたものであり、投機のためのものではありません。
この意味において、仮想通貨はこれからの動きにこそ期待すべきであると言えるでしょう。
今後の値上がりに期待しましょう。