仮想通貨の普及を調べるための調査はしばしば行われていますが、今回行われたダリアリサーチの調査によると、日本が仮想通貨所有率で世界一になったようです。
本稿では、日本の所有率が高い理由について解説していきます。
仮想通貨所有率世界一は日本だ!
5月9日、世界的なリサーチ会社であるダリアリサーチの調査結果が発表され、日本が世界一の仮想通貨大国であることが判明しました。
ダリアリサーチは、アメリカ、イギリス、ドイツ、インド、ブラジル、中国、日本、韓国の計八か国に対して、仮想通貨の所有率、認知度、理解度、購入意欲などを調査しました。
なお、このリサーチでは、各国の国民2万9000人に対して行われており、その結果、全体の平均では、
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所有率・・・7%
認知度・・・75%
理解度・・・50%
購入意欲の有無・・・4%
という結果となっています。
その中で日本は、
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所有率・・・11%
認知度・・・83%
理解度・・・60%
購入意欲の有無・・・3%
となっており、購入意欲以外では平均以上となっています。
また、所有率の11%は、この8か国の中で日本が世界一となりました。
筆者にとっては、所有率11%というのは、ちょっと意外な結果に思えました。
筆者は仮想通貨を保有していますが、筆者の周りの数十人の知人で考えてみると、仮想通貨を持っている人はいないからです。
もっと普及率は低いと思っていたのですが、こっそり持っている人が意外に多いのかもしれません。
こっそり持っている人が多いとすれば、それはおそらく「投機的要素が強い仮想通貨に手を出していると思われたくない」などの後ろめたさもあるのでしょうから、それはそれで問題があると思えますが。
日本が所有率で世界一になった理由には、以下のようなことが考えられます。
仮想通貨の整備が進んでいる
今回の調査で、日本の所有率は世界一であることがわかりました。
この背景には、日本における規制状況が挙げられるでしょう。
日本では、仮想通貨取引所に対する金融庁の締め付けも厳しく、かなり安全性の高く、しっかりしている取引所しか生き残れなくなりつつあります。
つまり、日本の人々は、珍しいアルトコインなどの取引を望まない限り、安全性の高い取引所で取引を行なうことができるということです。
また、仮想通貨を正式に通貨として認めるなど、法的な整備も進んでいますから、これも仮想通貨の所有率が高い理由の一つとなっているでしょう。
その証拠の一つとして、仮想通貨に対してネガティブな規制が強く布かれている中国では、今回の調査対象となった国の中でも、最も保有率が低くなっています。
国が仮想通貨の流通経路の整備を行わず、法的にはネガティブな整備が進んでいますから、仮想通貨の普及が遅れるのは当然のことです。
教育水準が高い
国民の教育水準は、最新技術の普及スピードに顕著な影響力があります。
今回の件を報じた記事の中には、日本の教育水準は高いため、これが仮想通貨の普及率に良い影響を与えたとするものもあります。
実際、OECD学習到達度調査などを見てみても、2015年度、日本は科学応用力で第2位、読解力で第8位、数学応用力では第5位といった高い結果を残しています。
したがって、教育水準と仮想通貨普及率には、何らかの相関性があると言えそうです。
もっとも、日本は教育水準でも世界一というわけではなく、日本以上に学力が高い国もあります。
その国が、日本以上の仮想通貨普及率を誇っているわけではありませんから、やはり仮想通貨普及率には規制状況や法的整備が最も大きな影響を与えているように思います。
まとめ
仮想通貨の普及率を示す調査というものは、仮想通貨がどれくらい浸透しているのか、順調に広まってきているのか、今後も順調に広まっていきそうかなど、需要の様子を知るための重要なヒントとなります。
今回、日本が非常に高い所有率をたたき出し、世界一となったわけですが、それでもまだ11%です。
他の主要国はこれ以下であり、世界的な所有率は7%に過ぎません。
ということは残る93%の人が仮想通貨を所有するようになっていけば、仮想通貨価格はもっと伸びて行くとも推測ができます。
仮想通貨の下落が続く最近の状況の中で、今回のニュースは心楽しいものであったと思います。