仮想通貨が、世界的に浸透しつつあります。
しかしながら、日本ではまだまだ仮想通貨に不信感を抱く人が少なくありません。
世界的に見て、日本は仮想通貨で出遅れているといえます。
もちろん、企業や国は積極的に取り組んでいますが、不安視する国民が多く、それだけに浸透しにくい状況なのです。
本稿では、仮想通貨の広がり、日本で浸透が妨げられている理由、またいかに画期的なシステムなのかなどを解説していきます。
広まりつつある仮想通貨
仮想通貨、ことにビットコインという新しい通貨について、耳にする機会が増えました。
仮想通貨とは、インターネット上で利用することができるもので、「仮想通貨」という名称は日本のメディアが定着させたものです。
アメリカでは「暗号通貨」と呼ばれますし、場合によっては「デジタル通貨」と呼ぶこともあります。
仮想通貨にも色々ありますが、中でも最大の流通規模を誇るビットコインは、誰もが簡単に利用することができます。
ウォレットと呼ばれるオンラインの財布を、パソコンかスマホに作り、ビットコイン取引所で円やドルの支払いによってビットコインを購入し、ビットコインを取り扱っているお店(多くはオンラインショップ)で買い物をし、代金をビットコインで支払います。
最も普及しているのはアメリカであり、利用者も店舗もどんどん増えています。
仮想通貨に関する印象
日本では、ビットコインで流されるニュースと言えば、違法サイトの取引に利用されたとか、ある殺人事件の当事者がビットコイン投資で知り合った者同士であったとか、ネガティブなニュースが少なくありません。
また、アメリカのビットコイン取引所であるマウントゴックス社が破綻したことも、ネガティブなイメージを植え付けたことでしょう。
このようなニュースによって、皆さんの中にも、「仮想通貨なんて、得体が知れないし、偽金みたいなものじゃないのか。それで誰かが大儲けしている、詐欺の一種じゃないのか?」と疑っている人がいるかもしれません。
また、ビットコイン投資が広まってきていますが、価格の変動が他の投資と比較してかなり大きいため、それも問題視されています。
1年のうちに何倍にも跳ね上がるようなものですから、「バブルの再来だ。手を出したら痛い目をみるぞ」と考える人もいると思います。
日本のマスメディアでは、ネガティブなニュースが少なくないと言いましたが、これも意図的にネガティブな印象を与えているというわけではなく、仮想通貨を評価しかねているといった感じです。
「斬新で、革命的で、未来を大きく変える可能性があるもの」という認識がある一方で、「怪しく、危険で、犯罪に活用される可能性があるもの」という認識があるため、どちらか一方に偏った偏向報道をするわけにもいかず、「仮想通貨は斬新なものですが、規制や監視も必要となってくるでしょう。今後の成り行きが注目されます」などと、当たり障りのないことを言っている印象があります。
しかし、どちらかといえばネガティブに傾いているでしょう。
「規制・監視が必要というが、そうしなければ危険な通貨など広まるはずがない」とか、「最新技術を用いているというが、どこかに技術的な欠陥があるはずだ」といった考え方が根底にあるのです。
日本は遅れている
仮想通貨には色々あり、ごく小規模な仮想通貨や、あまりにも新しい仮想通貨など、確かに信用ならないものも存在するのは事実です。
しかし、ビットコインに限って言うならば、非常に重要な発明であるというべきです。
なんといっても、従来の通貨と比較して送金コストはかなり低く、それだけをみても、従来は不可能だった経済活動が可能となるといえます。
人類の歴史は、常に経済活動と共にあり、様々に変化してきました。
このことから考えると、仮想通貨の登場によって、国家のあり方や世界のあり方にも変化が及ぼされる可能性があります。
もちろん、価格変動が激しいことは事実で、最近の値動きを見てみると、バブルのような感じがしないでもありません。
しかし、それはあくまでも仮想通貨の表面的部分であって、本質ではないでしょう。
例えば、値動きが激しいという現象は、ビットコインが登場してから間もないため、適正価格が定まっていないこと、ニュースに敏感に反応すること、まだまだ流通量が少ないことなどの要因が挙げられます。
仮想通貨に対するネガティブな見方をするということは、日本にいるとそれほど違和感はありません。
日本では、ビットコインの有用性を取り上げた意見はあまり見られませんし、ビットコインの潜在的な価値に注目し、社会に与える良い影響を論じたものもほとんどありません。
しかし、海外ではビットコインの潜在的な価値に注目した視点が主流になりつつあり、この点で日本は多少の遅れをとっているといえるでしょう。
ブロックチェーンという仕組み
これまでの通貨は、各国の政府や中央銀行が発行し、管理してきたものでした。
比較的新しい電子マネーになると、特定の企業が発行して管理しています。
ここが大きく違うところです。
実は、ビットコインには発行や管理をする特定の企業や組織が存在しないのです。
発行も管理もしていないのに、どのようにして維持されているのか、疑問を抱くことでしょう。
発行と管理を担っているのは、ブロックチェーンと呼ばれる取引記録です。
このデータは、特定のサーバーが中心となって管理しているのではなく、すべて公開されており、多数のコンピューターで形成されたネットワークによって維持されています。
したがって、「ビットコインは特定の組織が発行・管理しているのではなく、『ある種の人々』が発行・管理している」と言えるでしょう。
この仕組みを、P2P(Peer to Peer、ピア・ツー・ピア)と言います。
ブロックチェーンでは、ビットコインの発行開始から現在に至るまで、全ての取引情報が記録されています。
また、その情報は取引の正当性を確認した上で記録されており、データの改ざんも不可能です。
これを実現したところに、ビットコインの本領があります。
ブロックチェーンは公開されているため、ビットコインを受け取った人は、取引記録が記載されているかどうかをチェックすることができます。
それを確認して、記載されているならば、自分が受け取ったコインの正当な保有者であるとわかります。
そのビットコインを支払いに使おうと、円に換金しようと、送金しようと自由です。
ちなみに、ブロックチェーンの維持を行なう人をマイナーと呼び、維持に当たっては大量の計算処理が必要となります。
これをコンピューターによって行いますが、維持管理にあたる行為はボランティアではなく、新規発行されるビットコインを受け取ることが報酬となります。
また、ビットコイン取引の際に必要となる手数料もまた、マイナーの報酬となります。
ビットコインを信じるかどうかということは、本稿で述べてきた、上記の仕組みを信じられるかどうかということです。
これまで、通貨の仕組みについてほとんど知らなかった人ならば、「なるほど、そんな通貨もあるのか」とすんなり受け入れるかもしれません。
少しだけ知識のある人は、「斬新すぎてちょっと不安だ」と思うかもしれません。
深く理解している人は、「なるほど素晴らしく斬新だ」と受け入れるでしょう。
皆様には、当サイトによって様々な角度から知識を得て頂き、ぜひビットコインを通貨として受け入れてほしいと思っています。