11月12日17時ごろ、コインチェックがイーサリアム、ネム、リスクの3通貨の取引再開を発表しました。
これによって、ネムの価格が暴騰しています。
coincheckの動きが10月末から活発化しており、実際に市場への影響が出てきています。
coincheckの動向を把握するため、本稿で取引再開発表とその影響についてまとめていきます。
coincheckが3通貨の取引を再開
coincheckでは、今年1月にハッキング被害を受けたことにより、長期にわたって新規口座開設を停止していたほか、取引できる仮想通貨も大幅に制限していました。
10月30日には新規口座開設を再開し、同時にビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム・クラシック、ライトコインの取引を再開したことで話題を集めたことは、当サイトでも紹介した通りです。
そして11月12日、coincheckはイーサリアム、ネム、リスクの取引も再開することを発表しました。
17時9分に送信されたcoincheckのニュースレターによると、
今般、ETH・NEM・LSKについても、外部専門家による協力を受け技術的な安全性の確認が完了いたしましたので、当該仮想通貨の入金・購入を再開いたしました.
とのことです。
価格への影響
日本国内の仮想通貨取引所では、ネムを購入できるのはZaif、DMM Bitcoinに限られており、Zaifは9月のハッキング事件から間もないため、実質的にはDMM Bitcoinに限られる状況です。また、リスクの購入はbitflyerに限られています。
このように、ネムとリスクは取引できる取引所が少ないことから、coincheckが取引を再開したことによって、流動性の向上が期待できます。
ネムは暴騰
coincheckのハッキング被害では、ネムが580億円奪われました。
ネムに機能的な問題があったわけではなく、あくまでもcoincheckの管理体制に問題があっただけなのですが、ハッキングによって流出した仮想通貨というイメージがついてしまい、人気は大きく落ち込むこととなりました。
当時のワイドショーなどでは、
coincheckのハッキング被害によりネムが流出。仮想通貨は危険なのでは?
といった感じで、「仮想通貨は危険であり、その筆頭がネム」といった雰囲気の紹介もされていました。
このため、ネムはハッキング事件以降、価格が長期にわたって下落を続けた結果、1月初めには200円を超えていた価格が今や10円台に低迷しています。
しかし今回、coincheckがマネックスグループの傘下企業として復活を遂げ、ネムの取引を再開したことが市場から好感を持って受け入れられたことにより、ネムの価格が暴騰しています。
ネムの価格は、11月12日の16時台(日本時間)まで11円台にとどまっていましたが、17時9分にネムの取引再開が発表されたことを受けて、18時台には13.5円を超える局面もありました。
1時間程度で20%上昇という暴騰ぶりです。
coincheck内の価格に限定すれば、最高値は16.24円を記録しており、前日比で+50%に迫る勢いを見せています。
日本時間の11月13日午前6時現在では、ネムの価格は12円台で推移しています。
今回の発表により、長らく低迷していたネム価格に大きな刺激を与えることとなり、また実際に流動性の向上が期待されることから、今後も何らかのきっかけによってネムの価格が上昇していく可能性があります。
リップルとファクトムにも注目
なお、coincheckでは、リップルとファクトムの取引をいまだ再開していません。それ以外の仮想通貨については、新規口座開設再開以降、よいペースで取引を再開してきているため、リップルとファクトムの取引も近々再開される可能性があります。
coincheckがリップルとファクトムの取引再開を発表した場合には、これらの価格にも良い影響が出るかもしれません。
まとめ
coincheckの取引再開発表により、ネムの価格が非常に大きく変動することとなりました。
今回の動きを見れば、coincheckの動向が仮想通貨市場に与える影響は、決して小さくないことが分かります。
マネックスグループは、coincheckの運営にかなり力を入れているため、今後もいろいろな動きが出てくると思われます。しっかりと注目し、投資判断に役立てていく必要があるでしょう。