先日、アメリカアリゾナ州において、税金の支払いをビットコインで行なうための法案が提出されました。
税金の支払いという公的要素に、ビットコインの利用が可能ということになれば、ビットコインの実用性は飛躍的に高まることと思います。
かなり注目すべき法案ですので、ここでまとめておきたいと思います。
ビットコインで税金の支払いを
現在、ビットコインに対して否定的な国が多く、弾圧とも言える規制を加えている国も少なくありません。
積極的な国もありますが、そのような国でも適切な整備を求められており、実用化には慎重な姿勢です。
今後の方向性がどうなっていくか、まだはっきりとはしていません。
各国が積極的に推進していけば、ビットコインの需要は伸びていき、価値も上昇していくことと思います。
そのような兆しが、アメリカのアリゾナ州で起きています。
2月9日、仮想通貨ニュースサイトCCNの報じたところによると、米国のアリゾナ州において、税金の支払いをビットコインで可能にする法案が提出されました。
この法案の中心人物は、国会議員のジェフ・ウェニンガー氏ですが、ウェニンガー氏はアリゾナ州をブロックチェーンと仮想通貨の中心としていきたいと考えているようです。
その一環として、税金の支払いをビットコインで可能にしたいと考えているようです。
お金を支払う機会は様々ですが、税金の支払いは非常に公的要素が強いものであり、その支払いをビットコインで行えるとなると、もはや国がビットコインを通貨として認めたも同然です。
今でこそ、「ビットコインに通貨としての価値はない」と論じる政治家や専門家も多いですが、税金の支払いが可能となれば、とりあえず「ビットコインに通貨としての価値がある」というのが、ビットコインに対する価値判断の一つの基準になってくることでしょう。
さらに、このようなことにブロックチェーンが活用されることになれば、国家における税金の管理は確実かつ簡素になり、税務署などの業務は飛躍的に効率化します。
納税者としても、時間にとらわれず、自宅から納税できるというメリットがあります。
日本でも、確定申告の時期が近付くにつれ、自営業者は非常に面倒な作業を強いられていることと思います。
また、自動車税や固定資産税など、色々な税金の納付にあたり、それを面倒だと感じている人も多いと思います。
これが、ビットコインやブロックチェーンの活用によって簡略化され、手軽に行えるようになれば、ビットコインの利用者は確実に増え、価値も上がっていくことが期待できます。
法案は採用されるか
しかしながら、この法案には否定的な人も多いようです。
アリゾナ州上院少数民主化指導者であるスティーブ・ファーリ氏の発言に、反対意見が集約されています。
ファーリ氏は、
ビットコインで税金が支払えるようになった後、ビットコインが暴落すれば納税者を危険にさらすことになる。
また、アリゾナ州政府はビットコインの交換方法について責任を負う必要がある。
したがって、税金の支払いは米ドルで十分である。
と述べています。
確かに、納税のためにビットコインを購入したところ、タイミング悪くビットコインが暴落するようなことがあれば、利用者は損失を被ることになります。
価格変動の大きいビットコインならば、その可能性は十分にあるでしょう。
また、州がビットコインによる支払いを適切に管理していけるかどうかも、現段階ではよくわからないところです。
しかし、この意見は全て、現段階のビットコインをもとにした反対意見です。
適切な規制が不十分だからこそ、あまりに価格変動が大きく、支払いの管理もしにくいからこそ、このような反対意見も出てくるのです。
ビットコインに対して、今後規制が設けられていき、もっと安定した取引と利用が可能となれば、ビットコインによる税金の支払いも現実味を帯びてくるでしょう。
まとめ
ブロックチェーンとビットコインは、今はまだ賛否両論あり、その価値の落としどころも見つかっていません。
ブロックチェーンや仮想通貨というものは、技術的には非常に優れたものであり、将来的には多くのことに活用されていくことと思います。
しかし現段階では問題も多く、税金の支払いなどの公的要素の強いものに強行採用してしまうと、様々な障害が生じかねません。
大きな変化が起こる時には、いつもそのようなリスクが伴うものであり、そのリスクに対応するために人類は智慧を絞ってきました。
ブロックチェーンの実用化に際しても、それをうまく乗り越えていくことができれば、ビットコインやブロックチェーンの存在意義は、もっと大きくなっていくことでしょう。