詐欺師にとっては、流行りだけどまだよく知られていない物をネタに詐欺を働きます。
今の仮想通貨は、詐欺師にとって最良のネタであり、仮想通貨で儲けようと考えている人は格好の的なのです。
はじめに
仮想通貨の普及が、急速に進んでいます。
現時点では、投資に使われることが多いのですが、それはまだ日常生活に利用できる機会が少ないからにすぎません。
今後、ビットコインで自由に消費活動ができる状況が整ってくると思います。
その時に心配なのが、詐欺業者です。
仮想通貨は発展途上であり、まだまだ法律の整備なども不十分であるため、仮想通貨決済を受け入れる業者が増えるにつれて、詐欺業者も登場することでしょう。
そこで本稿では、そのような詐欺業者に騙されないために、詐欺業者を見極めるポイントを解説していきます。
仮想通貨詐欺とは?
世の中には、色々な詐欺が存在します。
一昔前に流行った「オレオレ詐欺」もまだ撲滅されてはいませんし、次から次へと新しい詐欺が登場しています。
その背景には、インターネット社会の発達があります。
インターネットの最大のメリットは、インターネットを利用することによって、物理的な距離が解消されたことです。
手紙を送るにしても、郵便局を介して手紙を送れば数日を要するところを、電子メールならば数秒で送ることができます。
以前は、上場企業の決算などは企業から直接取り寄せる必要があったのですが、今はインターネット上ですぐさま閲覧が可能です。
買い物にしても、遠方の業者から購入するためには、本来ならば煩雑な手続きによって海外から取り寄せなければならなかったのですが、今はクリックするだけで注文が完了します。
このように、生活の利便性は大幅に向上しましたが、同時にインターネットを用いた犯罪も生まれました。
インターネットを用いた詐欺が非常に多くなったのです。
注文して入金もしたのに、商品がいつまでたっても届かない。
注文した商品と全く異なる商品が届けられる。
そういった詐欺はまだ序の口として、投資関連詐欺もインターネットの普及によってかなり巧妙化し、また多発するようになりました。
例えば、
- 「誰でも月利10%で運用できる投資法がある」など主張している情報商材が数万円で売られており、試みに買ってみたところ、全く利益が出ないものであった。
- 「わが社に任せてくれれば、資産をすぐに倍にします」などと主張している会社があり、お金を投じたところ、その会社が逃げてしまった。
などといったものです。
特に最近では、スマホなどの普及もあり、詐欺の頻度はより高まっているといえます。
SNSやチャットアプリなどを除いてみると、「寝てるだけで月100万円稼げる投資がある」などとし、コンタクトを取ってきた相手にお金を振り込ませ、実際には全く稼げないといった詐欺をよく目にするのです。
仮想通貨にしても、インターネットを使うことが前提となっている技術であり、詐欺に巻き込まれる可能性は大いにあるといえます。
「今こそ仮想通貨に投資して儲けるべきだ」というスタンスで、商材を売りつけたり、お金をだまし取ったりする詐欺もあれば、ネットショップでビットコインによって支払わせてだまし取るという詐欺もあります。
すぐに資産が倍になったり、月利何十%で運用出来たり、寝ていても毎月100万円入って来たり・・・世の中、そんなにうまい話があるはずはありません。
したがって、そのような投資詐欺に引っかかる人は、あまりにも安易で、もはや救いようがありません。
もちろん、当サイトをご覧の皆さんは、仮想通貨は何たるかを知ってから買いたいと思っているはずですから、そのような詐欺には引っかからないと思います。
心配するべきは、詐欺サイトで買い物をして、お金をだまし取られてしまうことです。
ビットコインなどの仮想通貨は、仮想通貨そのもののセキュリティは非常に高く、マネーロンダリングなどへの対処も十分ですから、仮想通貨を取引しているだけで何らかの被害に遭ってしまう危険性はほとんどありません。
それだけに、安心しきっている人もいるでしょう。
しかし、所有している仮想通貨を、どこで、どのように使うかということは所有者の判断に任されることであり、例えそれが詐欺サイトであっても、それを利用し、騙されるかどうかは皆さんの判断にかかっています。
特に、ビットコインで決済ができるショップは、現状では海外サイトの方が圧倒的に多いものですから、海外サイトで詐欺に遭ってしまえば、もう戻ってこないと考えたほうが良いでしょう。
また、今後仮想通貨が普及するにあたって、ビットコインやその他の仮想通貨で決済できる商品やサービスが、国内でも増えてくると思います。
仮想通貨は、まだまだ法的整備が整っていませんから、詐欺サイトがいくつも立ちあげられ、皆さんの利用を手ぐすね引いて待っているというようなことも、今後増えてくると考えられます。
仮想通貨を日常生活のなかで利用し、より生活を豊かにしていくためには、このような詐欺を見極め、正しく判断し、利用しないようにすることが大切です。
そこで本稿では、詐欺サイトの可能性がある、怪しいサイトの特徴をお教えしていきます。
もちろん、以下の条件に当てはまるサイトが全て詐欺サイトだと断定するわけではありませんが、怪しいのは事実です。
怪しさをぬぐうことなく運営し、その結果「怪しい」と判断されたならば、その業者の落度と言うほかありません。
商売をする以上、そのような怪しさを伴うことは間違いなく好ましくないことですから、そのような好ましくないサイトは利用しない方が賢明です。
では、怪しいサイトだと判断する基準を、以下に挙げていきます。
詐欺サイトを見破るコツ
詐欺サイトを見破るためには、以下のようにそのサイトを調べてみることが大切です。
会社情報を調べる
そのサイトでなんらかの商品を販売するにあたっては、「特定商取引法に基づく表示」を記載することが義務付けられています。
もちろん、海外の業者が日本に向けて販売する際にも、表示が義務付けられます。
まずそれが記載されているかどうかを確認してみてください。
記載されていなければ、その時点で怪しいと断定が可能です。
さらに、「特定商取引法に基づく表示」を見てみた時、会社名、会社の住所・電話番号、代表者名(責任者名)、代金の支払い方法・支払時期、商品の引き渡し時期などの情報が記載されています。
したがって、これらの情報の一部が欠けている、不十分であるなどの場合は、怪しいと判断することができます。
また、これらの情報が全て記載されていたとしても、それらを鵜呑みにすることは避けてください。
というのも、記載内容が虚偽の情報であったり、その情報が本当であっても、怪しさにつながる可能性が十分にあるからです。
レンタルオフィスの可能性あり
例えば、会社住所が記載されていたとしても、それがレンタルオフィスである可能性があります。
住所をコピペして調べれば、実在の住所であるか、実在であってもレンタルオフィスかどうかということは調べられます。
もちろん、レンタルオフィスで経営する業者の全てが詐欺業者というわけではありません。
しかし、なぜレンタルオフィスを使っているのかを考えてみれば、やはり怪しいのです。
ひょっとすると、トラブルが発生した時や業者の立場がまずくなった時に逃げるため、あるいは詐欺行為を一定期間繰り返した後に一旦廃業するために、レンタルオフィスにしているのかもしれません。
普通のオフィスを賃貸契約で借りていれば、そこにトラブルになった顧客が押しかけてくる可能性もありますし、賃貸借契約とその解除のためのハードルもあります。
しかし、レンタルオフィスならばフットワークが格段に軽くなります。
実際、筆者はある詐欺を行なっている業者群をかなり詳しく調べたことがあるのですが、レンタルオフィスを使用していると思われる業者が少なくありませんでした。
一定期間にわたって詐欺行為を繰り返し、少し雲行きが怪しくなると、ホームページを閉鎖してオフィスを変え、新規のサイトを立ち上げて、住所や電話番号も異なる新しい業者として経営を再開する・・・という流れを繰り返している業者もありました。
電話番号が携帯番号の業者
電話番号が携帯番号の業者も注意が必要です。
なぜならば、固定電話を引いていないということは、それなりの理由があるからです。
特に、足がつかないように廃業と起業を繰り返しているような詐欺業者ともなると、上記のように事務所を変える頻度が高くなるため、固定電話を引かずに携帯電話で営業するのです。
また、その携帯も、いわゆる「飛ばし」の携帯である可能性が高いです。
飛ばしの携帯電話とは、本人以外の名義になっている携帯電話のことです。
本人名義の携帯電話で営業し、詐欺行為を行なえば、簡単に足ついてしまいます。
そこで、金融業者が債務者から借金のカタに取り上げた携帯電話などを買い取り、それを使って営業し、いざとなればそのケータイを廃棄することで逃げることを想定しているのです。
したがって、会社情報の電話番号が携帯番号になっている業者は怪しいといえます。
代表者名の記載
代表者名や責任者名の記載があれば、それもきちんと調べましょう。
そこに書かれている名前で検索をしたとき、トラブルを起こしている業者ならば、騙された消費者が掲示板などに書き込んでいることがあります。
そのような悪評を目にするならば、その業者は使わない方が賢明です。
ただし、同姓同名という可能性もあるため、これだけで正確な判断は難しいところです。
また、名前の記載が「田中」などと名字だけで記載されているケースがありますが、このような表記は形式に則っておらず、明らかに怪しいと判断することができます。
したがって、このような業者は利用してはいけません。
もっとも、名前による判断はあまり頼りにならないこともあります。
なぜならば、代表者名を記載するときに、本名を使いながらも漢字を変えていることがあったり、縁故者の名前を記載していたりすることもあるからです。
法律的に見れば、このようなことは違法ではありません。
例えば、芸能人が会社を立ち上げたときに代表者名に芸名を記載したり、ライターがペンネームを記載したりすることは、普通に認められているからです。
したがって、名前を見た時に「怪しいにおいがプンプンする」といったケースを除けば、判断基準になりにくく、あくまでも補足的な手掛かりと考えましょう。
認可関係は大丈夫?
そのサイトが中古品を取り扱い、決済をビットコインなどで受け付けているという場合には、その業者は古物商に当ります。
古物商とは、買取り希望者から物品を買い取り、クリーニングなどを行ない、転売することで利益を得るという商売のことです。
ブックオフなどをイメージすると、分かりやすいと思います。
古物商を営むためには、古物商法という法律のもとで運営していくことが求められます。
すなわち、公安委員会から古物商許可を受けた業者しか営業することはできず、その認可を以て、「古物商法を順守して営業しています」という証明になるのです。
古物商許可を得た業者には、古物商許可番号が交付されます。
中古品を販売する業者は、この古物商番号をホームページ上に必ず掲載する必要があります。
掲載しなかった場合には表示義務違反として10万円以下の罰金に科せられます。
認可を取得しているのに、掲載しないという違反行為を敢えて犯すはずはありませんから、掲載していない業者のほとんどは無許可店であり、怪しいと判断できます。
現状において、ビットコインで買い物ができる中古品店は多くありません。
それでも、中古車をビットコインで買える中古車販売店や、チケットの転売を行なっているチケット販売店などがあり、今後も仮想通貨による決済を受け入れる中古品店は増えてくると思います。
そのような業者を利用する場合には、古物商許可を確認することが重要となります。
bitflyerは大丈夫か?
bitflyerは、日本最大のビットコイン取引所であると同時に、ビットコインによって買い物ができる通販サイトも運営しています。
では、この通販サイトは安全なのでしょうか。
上記の判断基準をもとに、見ていきましょう。
会社情報
まず、特定商取引法に基づく表示を確認していきます。
すると、表示を義務付けられている情報は全て記載されています。
住所、代表者名なども記載されており、特に代表者は写真付きで書かれていることから、透明性は高いといえます。
もっとも、ここまで大規模な企業になると、問題あるはずはないのですが。
許認可関係
bitflyerのネット通販は、中古品を販売しているわけではないので、古物商の認可は受けておらず、したがって記載もありません。
ただし、色々と調べ、仮想通貨業界の団体である「日本ブロックチェーン協会」の存在に着目しました。
日本ブロックチェーン協会の目的は、仮想通貨の普及と業界の健全な発達であり、そのための利用者保護体制の整備などを目的としていますから、日本ブロックチェーンに属しているかどうかによって、一種の信頼につながるでしょう。
bitflyerは、そもそも代表取締役が日本ブロックチェーン協会の代表理事でもあるため、信用性に全く問題はありません。
もっとも、これはbitflyerが取引所も運営しているからこそ日本ブロックチェーン協会に加入しているのであり、ビットコインによる支払いを受け付けているだけの一般のネットショップが、日本ブロックチェーン協会に属しているわけではありません。
しかし、そのネットショップの属している業界において、信用につながるような許認可を受けているということは重要です。
例えば、上記の「中古車をビットコインで買える中古車販売店」とは、広島にあるアイズブレインという業者なのですが、このような業者の場合、古物商許可の他にもさまざまな認可を受けたり、免許を持っていたり、自動車関連の様々な組合・協会に加入していることが分かります。
このような情報からも、信頼できるかどうかを見極めることができるのです。
まとめ
今後、ビットコインは世界的にますます普及していき、日本でも徐々に普及の流れが形成されつつあります。
それに伴い、ビットコインで決済できるネットショップは増えていき、その中には詐欺業者も多数現れてくることと思います。
そのような業者から被害に遭わないためにも、皆さんは当サイトに記載したあらゆるポイントをもとに、その業者の安全性を見極めてください。