イーサリアムの大型アップデート「St.Petersberg」の影響が明らかに

イーサリアム(ETH)

先日、イーサリアムの大型アップデートであるSt.Petersbergが完了しました。

その後の経過から、アップデート効果が確実に表れてきていることが分かっています。

本稿では、St.Petersbergの短期的な成果、中長期的に見込まれている成果、さらなる変更の提案などについて解説していきます。

St,Petersbergの影響が明らかに

今月1日、イーサリアムの大型アップデートであるコンスタンティノープルの脆弱性に対処するため、St.Petersbergの完了が報告されました。

イーサリアムのアップデートでは、様々な問題が指摘されたこともあり、延期が繰り返されていたのですが、これによって大きく前進したと言えます。

このアップデートが完了して1週間以上が経過した現在、St.Petersbergの成果が明確に表れてきており、ブロック生成数が急激に増加しているほか、ブロック生成時間も短縮されています。

これは、St.Petersbergによってディフィカルティボム(マイニング難易度をあげるアルゴリズム)を延長したことによるものです。

ディフィカルティボムによってマイニング難易度が上がれば、マイナーはブロックの生成が困難となり、マイニング報酬を得られる機会も減ります。

ディフィカルティを徐々に上げていくことで、いずれはマイニングが不可能な状態になるともいわれています。

なぜマイニング難易度をあげていくのかと言えば、それによってイーサリアムのブロック生成方式をPoWからPoSへと移行し、非中央集権性を高めるためです。

とはいえ、マイニング報酬が得られにくくなるのですから、イーサリアムのマイニングにあたるマイナーが減り、トランザクションの遅延につながる懸念もありました。

そこで今回、ディフィカルティボムが延長されたことによって、ブロック生成数の増加と生成時間の短縮につながったのです。

 

 

中長期的な効果にも期待

現時点で、ブロック生成数と生成時間で明らかな成果が確認できていますが、このほかにも中長期的な効果も期待されています。

St.Petersbergでは、1月に発見された脆弱性であるEIP1283を削除することが、大きな変更点のひとつとなっていました。

EIP1283では、イーサリアムのネットワークを利用することで発生する手数料「GAS」を削減するとしていたものの、GASコストが削減されることでリエントリー攻撃が可能になるとして問題視されていたのです。

St.Petersbergでは、GASコストの計算方法を変更することで、GASコストを削減しつつ、リエントリー攻撃にも対処可能となりました。

また、St.Petersbergではマイニング報酬が3ETHから2ETHに変更されています。

マイニング報酬とGASコストが下げられたことにより、dApp利用時のトランザクション手数料は大幅に下がります。

これによって、中長期的にdAppプラットフォームとしての需要が高まっていくことも考えられます。

 

 

GASコストについての新提案

なお、GASコストの削減は良いことばかりではありません。

なぜならば、イーサリアムネットワークの使用料であるGASは、開発者の資金源にもなっており、これが削減されることは開発者の負担になる可能性があるからです。

かといって、アップデートでGASコストを引き下げたばかりなのに、再度引き上げればアップデートの意味が薄れてしまいます。

そこで、イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリン氏は、GASシステムそのものを変更することを提案しています。

この提案が公になったのは3月8日のことで、ブテリン氏の公式ツイッターでのことです。

ツイートによれば、これまではネットワークの利用料として徴収していたGASとは別に、ウォレット使用料を引き上げることによって、GASを徴収できるシステムとのことです。

このシステムが採用されれば、ウォレットを利用するユーザーが、開発者の資金を援助する形となります。

ユーザーのコスト負担は増えますが、この負担が開発者への援助となり、イーサリアムの開発を活性化することにつなり、結果的にユーザーも恩恵に浴することができると考えられます。

具体的には、ウォレットから送金した場合に、ユーザーが1gwei/gas(0.00002ETH、2019年3月10日現在の価値でおよそ0.3円)の負担を義務化するというものです。

この手数料によって、開発者に対して年間で200万ドルの資金援助が可能となります。

このような変更は、イーサリアムのコミュニティ内で同意されなければ実行に移すことができません。

しかし、コミュニティ内では好意的な意見が多いようで、いずれ実現される可能性も考えられます。

 

 

イスタンブールの予定は10月

なお、次回の大型アップデートである「イスタンブール」は、現時点では今年10月に予定されています。

しかし、これまでの経緯から考えると、イスタンブールの予定も延期される可能性があるため、あくまでも予定として考えておくべきでしょう。

 

まとめ

昨年から延期が続き、なかなかアップデートが進まない状況にあったイーサリアムですが、ようやく大型アップデートが実施され、さらにその結果も明らかになっています。

中長期的な効果も見込まれています。

さらに、ブテリン氏の新提案なども公開されています。

提案の内容は、アップデートの結果を踏まえて、コミュニティにとってよりよい環境を作っていくための提案であることからも、イーサリアムの今後に期待が持てる結果となったでしょう。

 

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