「ビットコイン、始めたいけどよくわからない…」という方も多いかと思います。
ビットコインを手軽に始められるよう、必要な知識をまとめました。
はじめに
最近、ニュース等のメディアで仮想通貨が取り上げられることが多くなってきました。
この背景には、仮想通貨の世界的な需要の高まり、期待などから、仮想通貨流通のための法的整備なども行われたことによって、自然と耳にする機会が多くなっているのだと思います。
このことから、実際に仮想通貨を手に入れてみたいと思う人もいるでしょう。
そこで本稿では、仮想通貨の代表であるビットコインを始めるにあたり、必要となる知識をお伝えしていきます。
ビットコインを購入する場所
まず、ビットコインを始めるために必要となるのは、取引所に関する知識です。
なぜならば、ビットコインを始めるためには、取引所で購入するのが第一歩となるからです。
ビットコイン取引所とは、その名の通りビットコインの取引、すなわち売買を行なう場所のことです。
イメージとしては、証券取引所を思い浮かべると良いでしょう。
証券会社に口座を開設して口座に入金をすれば、入金したお金によって、株式市場参加者を相手に、希望する銘柄を売買することができます。
これと同じように、ビットコイン取引所は、参加者同士が「いくらで買いたい」「いくらで売りたい」という注文を出し合い、売買を行なう場所なのです。
多くの取引所が0.001BTC(2017年8月現在、1BTCは約30万円であり、0.001BTCは約300円)から売買できるようになっているため、誰でも気軽に参加することができます。
取引所によっては、一般参加者同士の売買によってビットコインを購入できるだけではなく、その取引所の運営会社からビットコインを購入できる場合もあります。
この場合、「取引所」ではなく「販売所」と呼ばれます。
運営会社が1BTC当たりの価格を提示して、ビットコインの販売を行なっているため、一般参加者を介さずに購入できるという仕組みです。
取引所といえば、一般参加者同士が売買しているものですから、これまで投資したことがない方にとっては、不安なこともあると思います。
そのような方は、一般参加者から買うのではなく、販売所から購入したほうが安心かもしれません。
販売所は、操作や画面構成がシンプルですから、気軽に購入することができます。
また、ビットコインATMを利用することによっても、ビットコインの購入は可能です。
ビットコインATMとは、銀行ATMのような筐体の機械であり、それを使うことによって、インターネットを介さずにビットコインの購入が可能となっています。
日本国内にはまだ数台しか存在しておらず、今後の普及も未知数ですが、購入のための一つの方法として知っておくとよいでしょう。
このほか、ビットコインをクレジットカードで購入できるシステムをもった販売所も登場しています。
例えば「Zaif(ザイフ)」という販売所がこれに当ります。
またZaifでは、毎月銀行口座から引き落とす形で、ビットコインを積み立てることができるサービスも行っています。
給料の一部を毎月ビットコインに交換することで、資産の一部をビットコインとして積み建てておきたいという人や、日本円による積立貯金の代わりにやってみたい人、また後日の値上がりを期待したい人などには便利なサービスです。
このように、ビットコインの購入の形式も徐々に多様化してきています。
今後も様々な形式が誕生していく可能性がありますが、皆さんの生活スタイルや目的に応じて、より便利だと思える方法で購入するのがおすすめです。
ウォレットの基礎知識
ビットコインを取り扱う際には、必ず「ウォレット」というキーワードを耳にします。
ウォレットとは「財布」のことであり、ビットコインを保管する場所のことです。
もちろん、単に保管するだけではなく、ビットコインを送金したり、受け取ったりする際にもウォレットが必要となります。
つまり、ウォレットはビットコインを利用する上で、欠かせない機能なのです。
ウォレットの最も一般的な形態は、スマホにアプリとしてウォレットを入れるもので、「モバイルウォレット」と呼ばれます。
モバイルウォレットで有名なのは「ブレッドウォレット」というアプリです。
モバイルウォレットは、iPhoneでもAndroidでも、無料でインストールすることができます。
モバイルウォレットをダウンロードしたら、取引所や販売所などで購入したビットコインを送金したり、受け取ったりすることに使えるほか、お店の支払いをビットコインで行なう際にも利用できます。
もちろん、モバイルウォレットには様々な種類がありますが、会社が違うウォレット同士でも、ビットコインのやり取りが可能となっています。
当然ながら、ウォレットはパソコン上で使用できるものもあるわけですが、ウォレットにはホットウォレットとコールドウォレットの二種類があります。
ホットウォレットとは、ネットワークに接続されているオンラインタイプのもので、コールドウォレットはネットワークから切断した状態で保管するオフラインタイプのものです。
コールドウォレットは、端末を購入し、その端末のなかにビットコインを保管するものです。
インターネットから切り離した状態で保管するだけに、セキュリティは強固となっています。
ビットコインのセキュリティ
ビットコインの取引情報は、ネットワーク上で全て公開されています。
これは、ブロックチェーンというシステムによって、ビットコインが管理されているからです。
公開されている情報では、具体的には、特定のビットコインアドレスから、また別の特定のビットコインアドレスに対して、いつ、いくら分のビットコインが送られたかという情報が記録されています。
「アドレス」という言葉から「メールアドレス」をイメージする人も多いと思いますが、類似したシステムと考えればよいでしょう。
特定のメールアドレスから特定のメールアドレスへと文章やデータを送ることができるわけですが、これは送り先のアドレスが明確になっていて、初めて送ることができます。
ビットコインも同様で、送信元と送信先のビットコインアドレスが明確に設定されたうえで、正しくビットコインが送られ、またそのデータが保管されるわけです。
自分のウォレットから他人のウォレットへと送金する場合には、「秘密鍵」というものが必要となります。
秘密鍵とは、その送金を行なっていることが本人であることを証明するデータのことです。
本人しか知り得ないパスワードを入力することによって署名を行ない、その送金が本人の意志で行なわれていることを証明するわけですが、一旦署名が行なわれると、誰かがその取引情報を改ざんすることが不可能になります。
もちろん、秘密鍵の情報はビットコインアドレスの所有者本人しか知ることができません。
秘密鍵はウォレット内で管理されており、表示して確認することができます。
万が一、他人に秘密鍵を把握されてしまうと、他人が勝手に送金することができるようになるため、秘密鍵はしっかりと保管しておく必要があります。
取引所はどうやって選ぶ?
では、ビットコインの取引所はどのように選べばよいのでしょうか。
実は、ビットコインの取引所は、既に国内だけでも複数開かれています。
ただし、ビットコインの発行開始が2009年であり、まだまだ普及の過渡期にあります。
中には、信頼できない取引所があるのも事実です。
ビットコインでさえそうなのですから、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)ではその傾向がより強いといえます。
例えば、2014年に起きたマウントゴックス社事件では、アメリカの取引所の運営会社であったマウントゴックス社の社員によって顧客のビットコインが横領されました。
このような事件が実際にあったのですから、取引所選びは慎重に行うべきです。
このような状況は、ビットコインに限ったことではありません。
FXでも、1998に外為法が改正されて一般の人が容易に参入できるようになったとき、たくさんのFX会社が立ちあげられ、中には怪しげな会社も多数現れました。
顧客の資産と会社の資産の区別を曖昧にしていたり、顧客に被害をもたらすシステムエラーが頻発したり、顧客の資産を持ち逃げしたりと、色々な不祥事が起きていたのです。
新しい投資が誕生した時というのは、まだ整備がなされていないことから、このような怪しげな業者が多数現れるのが世の常なのです。
ビットコインをはじめとした仮想通貨でも、今後同じような状況に陥る可能性は十分にありますから、皆さんも取引所選びは慎重に行なうべきです。
より安全な取引所を選ぶためには、以下を判断基準とするのが良いでしょう。
- その取引所は安全か?(システムは安全か?顧客の資産と会社の資産は分別管理されているか?)
- 入金方法、提携銀行はどうなっているか?(入金にはどのような種類があるか?銀行と提携しているか?提携している銀行はどこか?)
- 出金手数料はいくらか?(入金は無料でも、出金手数料が他社よりもかなり高いということはないか?)
以上の事を確認することで、その取引所の安全性を把握することができます。
このほかに注意したいのは、取引ツールが充実しているかどうかということです。
ビットコインを買って、送金や決済に使うだけというならば、安全性を確保できればそれでよいかもしれません。
しかし、投資としてビットコインを扱うならば、取引ツールは重要です。
リスクを取ってリターンを得るのが投資なのですから、よりリスクを軽減し、リターンを大きくするためには、取引ツールの充実は非常に重要なのです。
取引ツールが使い易いか、スマホに対応しているか、チャートは見やすいか、テクニカルツールは充実しているか、といったこともよく検討しておきたいものです。
どんな取引所があるか
では、具体的にはどのような取引所があるかを見てみましょう。
国内の主要な取引所は、以下の通りです。
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitbank(ビットバンク)
coincheck(コインチェック)
BTCBOX(ビーティーシーボックス)
Zaif(ザイフ)
国内大手のビットコイン取引所は、ビットフライヤーです。
2014年1月に設立された取引所で、日によっては取引高が世界一を記録することもあるほどの規模を誇っています。
多くの人が取引をしているということは、それだけ信用されていることの証拠であり、また取引が活発であればあるほど手数料による利益は多くなります。
それらの利益を使い、顧客の囲い込みのためにサービスが充実することも期待できます。
したがって、取引所選びで迷っているならば、まずビットフライヤーを選んでおけば間違いないと言えるでしょう。
ビットバンクも、規模の大きな取引所です。
2014年5月に開設されており、レバレッジが20倍であること、追証がないことなどが特徴と言えます。
ただし、大きなレバレッジをかけた取引はリスクが高いため、初心者にはあまりお勧めできません。
このほか、ビットバンクでは「ビットバンクウォレット」というサービスが特徴的です。
これは、ビットコインをオフラインで保管するためのコールドウォレットであり、取引所自体がコールドウォレットを導入して管理することによって、社内のビットコイン管理がかなり厳格になっています。
もっとも、このような取り組みは今後スタンダードになっていくと考えられます。
コインチェックは、様々な仮想通貨を取り扱っていることを強みとしています。
ビットコイン以外にもイーサリアム、NEM(ネム)、Factom(ファクトム)、LISK(リスク)、Augur(オーガー)、Ripple(リップル)などの幅広い仮想通貨を取り扱っています。
国内での大手取引所としては、上記三社が挙げられます。
もちろん、海外にもたくさんの取引所があり、今後日本向けサービスを強化して、国内でシェアを伸ばしてくる取引所もあるかもしれません。
2017年4月データでは、世界のビットコイン取引所のシェアは以下の通りとなっています。
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・Bitdinex(香港)・・・20%
・Kraken(アメリカ)・・・12%
・bitFlyer(日本)・・・11%
・Coinbase(アメリカ)・・・8%
・BITSTAMP(イギリス)・・・7 %
・BTC-E(ブルガリア)・・・6%
・OKCoin(中国)・・・7%
・BTCCHINA(中国)・・・4%
・HUOBI(中国)・・・3%
・その他・・・17%
最近では、日本の取引所も盛り上がりを見せているため、この勢力図の中に日本の取引所が食い込んでくる可能性は大いにあります。
皆さんも、口座の開設時点でシェアの動向を確認し、より良いと思える取引所を選ぶようにしましょう。
こちらの記事も参考にしてみてください。
ビットコインを買ってみよう
取引所を選んだら、さっそくビットコインを買いたいと思っている人もいるでしょう。
取引所を選んだ後、まずやるべきことはアカウントの作成です。
アカウント作成だけならば、メールアドレスを使うことで作成が可能ですが、実際にビットコインを買うとなると、口座に日本円を入金する必要もありますし、個人情報の把握も必要になりますから、取引所に銀行口座の情報や身分証明書を送付する必要があります。
身分証明書の送付は、携帯電話で撮影した写真をアップロードして送ることもできます。
これは、証券会社に口座を開設するときの手続きと似ています。
スピーディな取引所であれば、即日で口座を開設してもらうことができます。
アカウントを作って口座を開設したら、ビットコインを購入するために、日本円を入金します。
口座開設にあたり、入金用の口座番号が通知されますから、自分の銀行口座から入金用の口座へ送金を行ないます。
送金額には制限がなく、数千円などの小さな単位で送金することもできます(ただし、送金手数料を考えると、できるだけまとめて送金したほうがお得です)。
一部の取引所では、クレジットカードで購入できる仕組みになっていますが、手数料が高くつくため、あまりお勧めはしません。
入金を済ませ、自分の口座情報に入金が反映されたら、ビットコインの購入が可能となります。
ビットコインは2017年8月現在、1BTCが約30万円となっています。
したがって、0.001BTCを買うならば約300円が必要ということです。
ビットコインは株式投資やFXとは異なり、365日24時間取引が可能です。
自分の好きな時間帯に、購入してみると良いでしょう。
注文の方法は、株式投資やFXと同じように、成行注文(取引がすぐに成立する価格で買う)、指値注文(ある価格まで下がったら買う)、逆指値注文(ある価格まで上がったら買う)といった注文が可能となっています。
ビットコインの保管はどうなっている?
上記の流れでビットコインを購入したら、取引をした取引所がビットコインを管理している状態となります。
取引所に任せておいて大丈夫?と思うかもしれませんが、取引所のハッキング対策は徹底しているため、大手取引所を選んでおけば、ほとんど心配はないと思われます。
取引所のセキュリティは万全であり、またビットコインを管理するブロックチェーンという仕組みそのものがサイバー犯罪を困難にしているのです。
ただし、リスクがゼロではないことは知っておくべきでしょう。
しかしながら、仮想通貨のセキュリティ対策は日進月歩です。
例えば、国内最大手の取引所であるビットフライヤーのシステムは、「ビットフライヤー・ライトニング」というシステムを採用しています。
このシステムは、国内のメガバンク以上の強度を持つ暗号化通信を用いたセキュリティであり、この意味ではメガバンク以上のセキュリティであるといえます。
メガバンクに安心して預金している人は、それ以上に安心してビットコインを預けられるというわけです。
ほかにも、ビットコインをコールドウォレットによって保管する取り組みや、送金のためには複数の署名が必要となるマルチシグという取り組みなど、安全性を高めるための様々な取り組みがあります。
ただし、これだけ対策をしても、リスクが極めて小さいというだけでリスクがゼロというわけではありません。
どんなにセキュリティが高くとも、それは決してリスクがゼロということにはならないのです。
そこで、安全性をより高めるためには、スマホにアプリのウォレットを入れて置き、そこにビットコインを移して保管しておくという方法があります。
そうすれば、他人任せの管理にはなりません。
ただしこの方法は、銀行の預金が心配だからと言って自分の財布に移して保管するのと同じことで、ビットコインをスマホのウォレットに移して保管する場合には、自己管理の徹底が必要になるということでもあります。
スマホを紛失した時の対策として、復元パスワード(スマホを紛失した時、アプリを入れなおして復元する時に必要となるパスワード)をしっかりと控えておくなどの必要があります。
人によってリスク管理の方法は異なるため、一概には言えませんが、取引所で保管していた方が安全と考えたほうが良いでしょう。
自己管理の不徹底によって何らかの損失を被る可能性と、取引所が何らかの事態に陥って損失を被る可能性を比較すれば、後者の方が圧倒的に被害を受ける可能性が低いからです。
取引所に保管しておけば、もしログインIDやパスワードを忘れてしまった場合にも、取引所の運営会社で本人確認を行なえば、アカウントを復元することができます。
取引所における保管と自己管理による保管には、それぞれメリットとデメリットがあります。
それを良く把握した上で使い分けることが大切です。
ビットコイン管理の注意点
自己管理による保管の何が危険なのかと言えば、スマホを落としてしまうなどのリスクがあるだけではありません。
スマホを落とすことのほかにも、様々な詐欺の危険性などもあります。
代表的な詐欺が、フィッシング詐欺です。
フィッシング詐欺とは、その名の通り一本釣りのような詐欺であり、普段パソコンで見ている取引所と見た目が全く同じサイトに誘導し、ログインさせ、情報を盗み取る詐欺のことです。
いくらウォレット側のセキュリティが徹底していたとしても、このような詐欺によってログインIDとパスワードを盗まれてしまえば、どうしようもありません。
情報を盗み取った人は、勝手にログインしてビットコインを犯罪用のビットコインアドレスに送金して、奪ってしまうことでしょう。
このほかのリスクとして、ウォレットを再現できないリスクもあります。
スマホにアプリをインストールしてウォレットを使う場合、その多くは上記の通り、復元パスワードに対応しています。
このパスワードは12または24の文字列であり、それを覚えておけば復元ができます。
だからこそ、スマホを紛失した時や、スマホを機種変更した時などにも安心なのです。
しかし、それを控えていなければ復元することはできず、ウォレットは使えなくなってしまいます。
最後に、誤送金のリスクも知っておきましょう。
銀行などであれば、送金先を万が一間違えてしまった場合には、組み戻しといって送金手続きを取り消すことができます。
しかし、ビットコインはブロックチェーンで管理されており、ブロックチェーンは過去から現在に至る取引その他の情報を確定させていき、書き換えのできない仕組みです。
だからこそ、改ざんなどの危険性が低くなっているのですが、誤送金をしてしまえば、誤送金した情報も書き換えることができず、ビットコインが返ってくることはありません。
したがって、ビットコインアドレスを間違えないようにしっかりと送る必要があります。
ビットコインで買い物してみよう
まだまだ少ないですが、都心を中心に、日本でもビットコインで買い物ができる店舗は増えています。
現在、国内でビットコインを利用して買い物できるお店は2500店舗以上まで広がっています。
この2500店舗を見てみると、今はまだ小規模なお店が多いようです。
例えばレストラン、バーなどの飲食店が増えています。
しかしながら、大型店舗でも導入が進みつつあり、ビッグカメラでは、既に全店舗でビットコイン決済が導入されました。
最近では、丸井グループも一部店舗でビットコインの試験導入を始めると発表しました。
ネットショップでも取り入れているケースが見られますし、そのほかに自動車学校や英会話教室などでも導入が見られます。
ビットコインの導入は、お店にもメリットがあります。
導入のための敷居はかなり低いものの、スピーディに決済することができますし、クレジットカード決済よりも大幅に手数料が安くなっています。
ビットコインが最も普及しているのはアメリカで、ディスカウントストアとして有名なウォルマート、ネットショップのAmazonやイーベイ、スターバックスなどではビットコインでの決済が可能となっています。
日本でも、今後ますます広がっていくと考えてよいでしょう。
特に日本では、2020年には東京オリンピックが開かれます。
オリンピックには国の威信がかかっていますし、外国人も多数訪れます。
そのような状況で、世界的にビットコインが広がっているのに日本ではあまり普及していなかったという状況は避けるべきですから、普及が広がっていくと考えられます。
皆さんも、ビットコインで買い物をしたいと考えるかもしれません。
その時には、取引所で購入したビットコインを自分のウォレットに移してから使うことになります。
取引所の自分のアカウントから、自分のウォレットに送金をすることで、利用可能となります。
ビットコインでの支払い方法は簡単です。
クレジットカード支払いの際には決済端末が必要になりますが、それと同じようにお店でもビットコイン決済のための端末を用意します。
端末と言ってもiPadなどが端末になりますから、お店側がタブレットなどを端末として2次元コードなどを表示し、それを自分のスマホのウォレットアプリで読み込むことによって送金が完了します。
ビットコインは海外にも送れる
ビットコインが送金にも使えることは、すでにご存知だと思います。
送金くらいならば普通に銀行でもできるし、大したメリットはないと思われるかもしれません。
しかし、ビットコインの送金は大変便利です。特に、海外に送金する際に便利です。
従来の方法では、海外に送金をすれば数千円の手数料がかかっていました。
しかし、ビットコインならば、たった数十円程度で海外への送金ができます。
また、銀行で送金した場合には、高い手数料だけではなく時間もかかるもので、通常2~3日を要します。
しかし、ビットコインならば送金に時間がかかるということもなく、すぐに送金することができます。
ビットコインを送金してすぐの時点では、相手のウォレットでは「未承認」と表示されているのですが、ネットワークでその取引が承認されれば、相手の受け取りが完了します。
このために必要となる時間は短くて数十分、長くても数時間程度です。
送金のために必要となるのは、相手のビットコインアドレスです。
これはすでに解説した通り、メールアドレスのようなもので、ビットコインアドレスを知っていれば、世界中の誰にでもビットコインを送ることができます。
ビットコインアドレスは数字とローマ字の配列になっており、それだけでは赤の他人が誰のビットコインアドレスであるかを知ることはできません。
このように、海外送金にビットコインを利用することは、手数料とスピードの面で圧倒的に便利だといえます。
また、ビットコインは24時間365日送金可能です。
日本では、銀行ATMなどを利用して送る場合には、当日中に着金するためには平日の15時までに入金する必要があるなど、時間が限定されています。
インターネットバンキングを利用してやり取りをすれば24時間取引可能となっていることもありますが、やはり時間が限定されていることもあります。
それと比較すると、ビットコインを送金する便利さがよくわかると思います。
寄付もできるビットコイン
ビットコインは、上記の通り海外への送金が容易です。
これは、寄付を行なう際に大変なメリットをもたらします。
地理的には非常に遠い地域の人に寄付しようと思った場合、銀行の送金では手数料が高く、寄付金額が小さければ、手数料の方が高くなってしまうようなことにもなりかねません。
しかし、ビットコインで寄付するならば、寄付先のビットコインアドレスさえ知っておけば、少額で、いつでも、非常に安い手数料で送金することができます。
このほか、寄付に関する大きな問題として、「その寄付金が正しく利用されているか?」ということが常に問題視されてきました。
窮状を訴えて寄付金を募り、集まったお金で私腹を肥やす存在が実際にいるからこそ、寄付に消極的な人も多くなってしまいます。
その点、ビットコインならば、ビットコインアドレスを調べることで合計の寄付金額を把握することができ、その後のお金の流れを追跡することもできます。
このようなことから、仮想通貨と寄付は非常に相性が良いとされています。
今後は、寄付活動の主流は仮想通貨になってくるかもしれません。
ビットコインを売却してみよう
購入、買い物、送金とみてきましたが、実際にはまだまだ買い物できる場所は少なく、普及率の低さから、送金したいと思っても相手がビットコインの口座を持っていないことが多いでしょう。
ならばどうやって使うのかということですが、ビットコインを売却する方法があり、簡単に現金化することができます。
最も簡単に現金化する方法は、ビットコイン取引所で売却する方法です。
ビットコイン取引所では常に売買が行われており、購入だけではなく売却も可能です。
また、ビットコインの用途はまだまだ限定的ですから、ビットコインを購入する人のほとんどは、値上がりを期待して、売却益を得ることを目的として購入しているものです。
安い時に買って、高い時に売れば利益が得られるのは、株やFXと変わりません。
このほか、ビットコインを取り扱っている場所のくだりでも触れた販売所でも、ビットコインの売却と、円への交換が可能です。
その場合に注意したいのが、売値と買値の差であり、スプレッドと呼ばれるものです。
一般的に、販売所で売買する際には、買値よりも売値の方が安くなっており、この差額が販売所の儲けとなっているわけです。
例えば、買値は30万円で売値は29万円であったならば、この差額分の1万円が販売業者の取り分ということです。
スプレッドには差があり、スプレッドの小ささを売りにしている業者もあります。
スプレッドができるだけ小さいところを選んでおけば、それだけ多くの現金を手にすることができることは言うまでもありません。
売値を確認しよう
非常に基本的なことですが、売却の際には必ず売値を確認してください。
取引所では常に売値を確認することができ、スマホアプリを提供している取引所ならば、スマホからも売値を確認することができます。
レートを確認する方法には、現在の価格だけを確認する他、チャートで値動きのグラフを確認しつつ、現在の価格を確認する方法もあります。
チャートでは過去の動きがグラフ化されているため、それを確認しながら売るタイミングを判断し、有利なタイミングを探ることができます。
ただし、ビットコインのチャートは株や為替とは異なります。
例えば株ならば、東京証券取引所という統一された取引所があり、特定の銘柄の株価が、市場の参加者全員に共有されます。
しかしビットコインは、世界中の様々な取引所で取引されており、各取引所の取引の様子によって微妙に価格が異なっています。
例えば、日本のある取引所では30万円であり、アメリカのある取引所では30万1000円となっていることがあるのです。
ただし、アービトラージといって、このような取引所間における価格差を狙って取引する投資家もいるため、あまりにも大きな価格差ができることはなく、案外バランスは保たれています。
ただし、相場が大きく動いた時には、それぞれの取引所の取引規模が異なり、流動性も異なるため、価格差が一時的に大きくなることもあります。
ビットコインと税金
最後に、ビットコインと税金の関係を把握して終わることとしましょう。
現在、日本では仮想通貨に関する法律の整備が急速に進んでいます。
といっても、現段階での法律を見てみると、主に利用者の保護を目的として、取引所に対する規制などを主体としています。
そのため、税法上の整備に関しては、まだ不明瞭な部分も多いといえます。
投資に関する税金で代表的なのが、所得税です。
つまり株やFXや仮想通貨の売買によって生じた利益に対してかけられる個人に対する税金のことです。
先日の法改正によって、ビットコインは決済手段の一つとして認められることとなりました。
しかし、価値は法定通貨と変わらないと考えられるようになったといえますが、税法上はまだモノとして扱うものと考えられています。
ビットコインなどの仮想通貨の取引によって利益が出た場合、その利益が課税対象となります。
といっても、購入時点から値上がりしているものの、まだ売却していない状態、つまり含み益が出ている状態では、課税はされません。
所得区分はまだ不明確で、税理士によって解釈が違う状況です。
したがって、実際に申告をする際には、利益の程度や頻度によって所得区分が変わる可能性があります。
例えば、頻繁に取引をしている人の場合には、それが営利目的と考えられて事業所得や雑所得とみなされる可能性が高いです。
しかし、それほど頻繁に取引をしない人の中には、営利目的ではなくビットコインを支払いや送金のために使いたいと思って購入し、それを結果的に売って利益が出たという人もいるわけで、そのような人が得た利益がどのように解釈されるかは定かではありません。
したがって、ビットコインの取引によって利益が生じた場合には、税務署に相談してみるのが確実でしょう。
大きく利益を出した人は、税金対策も兼ねて税理士に相談するのが良いと考えられます。
まとめ
本稿では、ビットコインを始めるための知識として、取引所に関する総合的な知識、また購入、保有、利用、売却と、一連の事柄について解説してきました。
これを読むことで、仮想通貨の利用が案外複雑なものではないこと、利用することによってさまざまな恩恵があること、利用に際しては注意点もあることなどが理解できたと思います。
仮想通貨の利用は、今後ますます広がっていくことでしょう。
仮想通貨を利用する際には、本稿を是非とも参考にして頂ければと思います。