ビットコインを電子マネーのようにとらえている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ビットコインと電子マネーは「似て非なるもの」です。
本稿では、ビットコインと電子マネーの違いを説明したいと思います。
はじめに
ここ数年で、電子マネーが非常に普及しました。
Suicaで電車に乗っている人はたくさんいるでしょうし、セブンイレブンで買い物するときはnanaco、イオンで買い物をする時はWAONなど、さまざまな電子マネーを使っているのではないでしょうか。
クレジットカードは、数千円や数万円以上のまとまったときの支払いに便利です。
しかし、コンビニでタバコやスイーツを買ったり、ワンコイン程度のランチ代を支払ったりする際には、電子マネーが便利なのです。
ビットコインには、デジタル通貨としての側面があり、電子マネーも同様に「デジタルなお金」です。
この両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
本稿では、ビットコインと電子マネーの違いに迫ります。
ビットコインにはカードがない。
まず違いとして挙げたいのは、最も根本的な部分です。
それは、電子マネーはカードを通して使うのに対し、ビットコインには物理的な媒体がありません。
もちろん、電子マネーにしても、モバイルSuicaのようにスマホで使うものもありますが、やはり物理的なカードがあるSuicaの方が普及率は高くなっています。
電子マネーは、ICカードとセットで普及しており、それをお店のレジ端末や券売機などにかざして支払う仕組みになっています。
これに対してビットコインは、物理的な媒体を持たず、端末にカードをかざすようなことがありません。
スマホの中にウォレットアプリを入れて置き、そこにビットコインを入れ、お店が代金を入力してアドレスを取得したら、消費者はそのアドレス宛にビットコインを送ればいいのです。
アドレスはQRコードでも提示が可能ですから、それを読み取ることで簡単に送ることができます。
ビットコインの単位は「円」ではない。
基本的な違いになりますが、単位の違いも挙げておきましょう。
ビットコインは、独自の通貨であり、単位はBTCです。
一方電子マネーは、あくまでも他の通貨の代替物であり、その電子マネーそのものに通貨としての単位があるわけではありません。
例えば、日本で普及しているSuicaやnanacoなどの電子マネーならば、単位は「円」です。
これは、一見当たり前に見えますが、ビットコインと電子マネーの重要な違いと考えてよいでしょう。
なぜならば、独自の単位を持っているということは、それが一つの独立した通貨であることの証明になるからです。
ビットコインは全世界共通の仮想通貨
電子マネーやクレジットカードは、日本国内では何の不自由もなく用途に応じて使うことができると思います。
しかし、海外では事情が異なり、電子マネーは当然使えませんし、日本国内ではどこでも使えるJCBのクレジットカードが使えなくて慌てた人もいるでしょう。
これに対し、ビットコインは、そもそも国や中央銀行といった特定の組織が発行・管理しているものではなく、全世界共通のものです。
東京でも、ニューヨークでも、サンフランシスコでも、ベルリンでも、ビットコインがそれなりに普及している都市ならばどこでも利用することができます。
むしろ、日本よりもアメリカ西海岸や東海岸はビットコインがかなり普及していますから、その方面に旅行するならば、ビットコインを使うことで国内以上に快適な支払いができるでしょう。
もちろん、国内でも世界の各都市でも、最近、ビットコイン決済を導入する店舗は増えていますし、オンラインショッピングでも支払いできるECサイトが徐々に増えてきています。
それだけに、今後ますます、ビットコインの利便性は高まっていくことでしょう。
それに伴い、電子マネーの利便性は相対性に下がり、ビットコインに取って代わられるかもしれません。
まとめ
以上のように、電子マネーとビットコインには色々な違いがあります。
確かに、どちらもデジタルなお金ですから、混同してしまう人もいるでしょう。
しかし、電子マネーが特定の通貨を電子的に変換したものであるのに対し、ビットコインは全く独自の通貨なのです。
独自の通貨であるだけに、電子マネーよりも潜在的な受け入れ範囲は広く、今後の利用店舗の普及に伴って、電子マネーよりもビットコインの方が、ずっと便利なものになっていくことが予想されます。