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仮想通貨市場急落の引き金になったテザーの問題とその余波

テザー(Tether)
この記事は約 10 分で読めます。

先日、テザー問題が再燃し、仮想通貨市場全体が大幅な下落に見舞われました。

これまでも、テザーが問題視されるたびに、市場には小さくない影響が現れました。

仮想通貨業界の健全な発展、仮想通貨価格の堅調な回復のために、大きな障害になっていると言えます。

今回のテザー問題は、いったいどのようなものなのでしょうか。

本稿では、現時点で確認されている情報から、テザー問題とその余波について解説していきます。

テザー問題の再燃

4月はじめ、仮想通貨価格は軒並み上昇となり、いよいよ仮想通貨市場の低迷も終わりかと噂されていましたが、先日、再び仮想通貨市場全体が急落に見舞われました。

日本時間、4月26日早朝、ビットコインは61万円台で推移していたところ、約30分という短時間のうちに急落となり、一時56万円台にまで落ち込みました。

前日比で5%安ですから、ボラティリティの高い仮想通貨の値動きとしてはそれほど驚くべきものではありませんが、4月から期待されていた相場の回復に水を差す動きとなりました。

その後、価格はやや持ち直して57~58万円を推移し、4月30日現在の価格は約57.8万円となっています。

急落の原因は、ステーブルコインであるテザーの裏付け資産が、不正に利用されたことが報じられたためです。

テザー問題は、仮想通貨業界で長きにわたって懸念されてきたものです。

テザーは、法定通貨に裏付けられる仮想通貨であり、1USDT=1USDの価値を保つとされていたものの、裏付けとなる資産が十分ではないと指摘されたり、裏付け資産が不正に利用されたことが疑われたりと、様々な問題が話題となっていました。

今回のビットコイン価格の急落も、テザー社が裏付け資産を不正利用したとして、裁判所から命令を受けたことによるものです。

26日、ニューヨーク州のLetitia James司法長官は、大手仮想通貨取引所Bitfinexとテザー社の親会社であるiFinex社に対して、裁判所命令を発令したことが報じられました。

報道によれば、James司法長官がテザー社やBitfinexに対して調査を行ったところ、テザー社では顧客資産と企業資産が混同されており、USDTの裏付け資産となっている資金のうち8億5000万ドル相当が、不正に利用されたということです。

裁判所命令では、裏付け資産の不正利用を即刻辞めるように警告するとともに、資産の裏付けを証明する書類の提出が求められています。

 

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事件の背景

今回の事件の遠因は、数年前にさかのぼります。

Bitfinex社は、2014年頃にCrypto Capital社と提携し、Crypto Capital社に顧客資産と企業資産が混同された資産10億ドルを預託していました。

そして、昨年10月頃、テザー社が多くの顧客から資産の引き出し要請を受けた際に、Crypto Capital社に資金の引き出し要請を行ったところ、Crypto Capital社に依頼を無視されて顧客の要請に応えられないという事態が起きました。

この時、テザー社とCrypto Capital社の担当者のやり取りが記録されており、テザー社の担当者が「資金の引き出しに応じられない場合、仮想通貨市場に甚大な被害をもたらす懸念がある」といった内容の文面を送信したことが明るみになり、大きな問題として取り上げられることとなりました。

その後Crypto Capital社は、ポルトガル政府などに資産を押収されたことにより、Bitfinex社は11月後半になっても資産の引き出しができない状況が続いていました。

このため、2019年2月、Bitfinex社はテザー保有者に告知することなく、独断で、テザー社が保管するUSDTの裏付け資産から融資を実行したといいます。

この証拠とされているのが、テザー社のホームページにおける、USDTの担保資産を説明する文書です。

Bitfinex社が、USDTの裏付け資産から融資を実行したとされる2019年2月、ホームページ上ではUSDTの担保資産について、

 

すべてのテザーは、テザー社が保管する法定通貨により、1:1の割合で裏付けられているため、1USDTは常に1USDに相当する。

 

と説明していました。

しかし、その直後の3月上旬には、この説明が以下のように書き換えられています。

 

すべてのテザーは、テザー社が保管する法定通貨、現金同等物、その他の資産、テザー社が関連会社を含む第三者に提供するローン債権などにより、100%裏付けられている。

これにより、1USDTは常に1USDに相当する。

 

ここに明記されている通り、「テザー社が関連会社を含む第三者に提供するローン債権」が、USDTの裏付け資産に含まれています。

このローン債権とはどのようなものであるのか、特に債務者は誰であるのかによって、担保としての価値は大きく変わってくるのですが、「第三者」については明らかにされていません。

法定通貨だけを担保としていれば、1USDT=1USDという価値を保つことができます。

しかし、実態のつかめないローン債権を担保に加えているならば、不良債権問題が起こった場合などに、テザーを裏付ける担保が大きく損なわれ、担保不足となり、1USDT=1USDの価値を保てなくなる可能性があります。

ローン債権を担保とすることは、テザーの信用を大きく損なうきっかけになりかねません。

ローン債権の内容によって解釈は大きく変わるでしょうが、今回のように問題視されるだけの状況にあったことは間違いないでしょう。

 

 

Bitfinex社の反論

同26日、ニューヨーク司法省からの命令を受けて、Bitfinex社は司法省の発表を全面的に否定する公式声明を出しています。

Bitfinex社はテザー社とともに、司法省の指摘を全面的に否定し、なおかつ「テザー社の財務体制は健全に維持されている」と発表しています。

Bitfinex社の主張についてポイントをまとめると、以下のようになります。

 

  • ニューヨーク司法省の文書の主張は間違っている
  • 当局は8億5000万ドルが紛失したと報じているが、実際には適切に管理されている
  • Crypto Capital社の資産は差し押さえられ、適切に管理されており、資産の取り戻しに取り組んでいる
  • Bitfinex社とテザー社は、双方とも強固な財務を維持している
  • ニューヨーク司法省は、顧客資産の取り戻しに向けた動きを妨げようとしている
  • Bitfinex社とテザー社は、当局に全面的に協力してきた

 

また、Bitfinex社とテザー社では、ニューヨーク司法省の取り締まりを、行き過ぎたものであると指摘し、それに対して積極的に対応していくと発表しています。

 

テザー問題の余波

仮想通貨市場が、せっかく良い方向で動き始めたタイミングで、テザー問題が起こったことに不満を抱いている投資家も多いことでしょう。

しかし、事件から1~2日が経過し、周辺の動きを観察してみると、どうもそれほど深刻に捉えられてはいないようです。

 

テザー社の株主は楽観視

仮想通貨市場の急落を招いたことで、重大に捉えられていたテザー問題ですが、Bitfinex社の株主はそれほど重く捉えていないようです。

Bitfinex社は、上記の公式声明の通り、資産は消滅しているのではないとしています。

Bitfinex社の株主もこの主張を支持しており、株主の一人であり、ビットコイン長者でもあるZhao Dong氏は、

 

Bitfinex社は責任能力を有しており、過去にも同様の困難を乗り越えてきた。

ニューヨーク州司法局は、消失した資産についてBitfinex社の資産と顧客の資産が混同されているとしているが、すべての資産は顧客に帰属するものである。

これを米政府が凍結するならば、この資産がどこに帰属するものであるかをはっきりさせるべきだ。

また、テザーの資金管理体制は銀行よりも健全である。

多くの銀行は、顧客の資産のうち2~3%しか保管していないが、テザーは8億5000万ドル以上の資金が消失したところで、70%以上の資金を保有している。

100%の資金が裏付けられていると信じているが、この点でも楽観的に考えている。

 

と発言しています。

このように、Bitfinex社の株主には楽観的に捉える雰囲気があるようです。

Bitfinex社は株主に対して、今回の事態の収拾には数週間を要すると説明しているため、今後の数週間のうちに、事態がどのように進展していくかに注目しておくべきでしょう。

 

 

PAXの需要が急増

テザー問題の余波として確認されている動きに、米ドルのステーブルコインであるPAXの新規発行が急増していることが挙げられます。

26日、テザーの不正が報じられてから18時間以内に、1000万枚を超える新規発行が確認されています。

これについて、PAXの発行元であるPaxosのCEOであるChad Cascarilla氏も、以下のように語っています。

 

昨日(テザー問題が発覚した26日)から一晩中、大量の新規発行がなされた。

これには、テザーのニュースが確実に影響している。

実際に、テザーや米ドルとPAXの取引が顕著にみられる。

PAXは事前に発行されるものではなく、市場の需要に比例して新規発行される。

つまり、今回の新規発行の急増は、テザーのニュースによって市場からの需要が高まったことによるものだ。

この発言の通り、PAXの新規発行は取引高に比例するものであり、新規発行枚数の急増は需要の急増を表します。

27日に確認された時点で、新規発行されたPAXは約1374万PAXに上り、買い戻されたPAXは約335万PAXとなっています。

また、PAX以外のステーブルコインも需要が増加しており、テザーの影響の大きさがよくわかります。

 

まとめ

テザー事件は、市場全体に急落を招いたこと、他のステーブルコインの動きに大きな影響を与えたことから、その深刻さがよくわかります。

また、Bitfinex社の株主は楽観視しているようですが、Bitfinex社の株主への対応や、株主の意見が今後どのように変化していくかにも、注目が集まるでしょう。

これまでも、テザーに関する問題が報じられたとき、相場に大きな影響が表れることがしばしばありました。

影響力が大きく、また大きな不安要素をはらんでいる問題ですから、今後の動向をしっかりチェックしていきましょう。

 

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ZaifX

ZaifX

Zaif取引所を主戦場としている仮想通貨マニア。仮想通貨界隈の情報を精査するのが大好き!気になったら寝る間を惜しんで調べてしまい、睡眠不足で寿命が気になるアラフォー世代。zaifトークン0.1円購入組にもかかわらず、ビックウェーブでの利確に失敗し、テンバガーを達成できなかった欲深トレーダーでもある。趣味はスキューバダイビング、座右の銘は「人生やったもん勝ち」

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